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第167回 「奈良1300年祭東大寺エリア」散策会(10/04/03)

 コース:伝香寺→大安寺→五劫院→東大寺俊乗堂→東大寺三月堂→新薬師寺→興福寺国宝館

 参加者:青丹吉さん(幹事)、日の出さん、JUNEさん、あいすさん、えみこさん、ニコラスさん、あけみさん、みかんさん、ブレンダさん、うさぎさん、shojiさん、seseさん、ヒロナさん

■奈良1300年祭東大寺エリア

*伝香寺

 10時に近鉄奈良駅集合、徒歩にてお寺へ。戦国大名、筒井一族の菩提寺で、奈良三名椿で有名なお寺。例年、数日しか拝観出来ない地蔵菩薩像(はだか地蔵尊)が特別開帳され、見てきました。椿がもう散り始めてたのが残念。

*大安寺

 JR奈良駅に向かい、そこからバスでお寺へ。バス停から少し歩きました。秋に限定公開のご本尊十一面観音立像と3月に限定公開されている馬頭観音立像が同時に御開帳されていて、拝観してきました。ちょうど天平交流会というものが開催されていて結構な人でしたが、ちょうど法要も終わり、本堂にも入れました。境内で狂言の催しがありました。

 その後、バス停に戻る途中にある喫茶店にて昼食。お弁当を食したのですが、美味しく、コーヒーor紅茶がついてリーズナブルでした。

*五却院

 大安寺からバスにて向かいました。東大寺の東側にあり、境内には2色の椿が咲いてました。「五却」というとても長い時間を瞑想された御姿の仏様が安置されてました。その頭の形はまるでアフロヘアーのようで、とても印象に残りました。

*東大寺俊乗堂

 徒歩にて向かったのですが、途中に桜が咲いていて、綺麗だったので思わず写メしました。大仏殿も脇から桜と鹿と一緒に見えたので、そこでもパチリ。ご朱印が何種類もあって悩みましたが、祀ってある重源上人のものにしました。

 普段はご開帳されていないようで、重源上人坐像や快慶作の阿弥陀如来立像を拝観しました。東大寺の方が色々説明して下さったのですが、とても楽しくお話して下さいました。

*東大寺法華堂(三月堂)

 16体の仏像が所狭しと安置され、不思議な空間でした。ご本尊の不空けん索観音は素晴らしかったです。ほぼ正面の台に座りながら、東大寺の方の説明を聞き、しばらく見てました。5月18日以降、16体並んだ姿が見れないのは何だか寂しい気がして、ぎりぎり、見れてとても良かったです。

 それにしても人が多かったです。。。

*新薬師寺

 徒歩にて向かいました。萩の寺として有名なお寺のようです。本堂のみ拝観。ご本尊の薬師如来坐像を十二神将が取り囲むようにして安置してありました。

*興福寺(国宝館)

 バスにて向かいました。このエリアはさすがに人が多かったです。あの有名な阿修羅像が祀られてますが、ご本尊の千手観音菩薩は圧巻でした。

 阿修羅像は東京国立博物館で展示されていた時は興味がなく、人も多いので行かなかったんですが、今になって行けば良かったと後悔してます。人々が惹かれる理由がわかるような気がします。奈良の仏像をゆっくり見るのは久々でしたが、どれも古く、新しくて鎌倉、室町時代というものばかりで、歴史の古さをひしひしと感じました。

 今年は1300年祭。機会があればまた奈良に行きたいです。

(レポート:ヒロナさん)



■奈良1300年祭東大寺エリア

 「伝香寺」→「大安寺」→「五劫院」→「東大寺俊乗堂」→「東大寺三月堂」→「新薬師寺」→「興福寺国宝館」という順番で回りましたが、その中で本日の一番のお気に入りは…

・大安寺の馬頭観音と童女観音(別名「乳観音」)

 馬頭観音:しなやかな線(体/腕)によって出されている柔らかな雰囲気が心地よく綺麗です。

 童女観音:仏像というより土偶っぽい芸術品であって、どこか(西)アジア? な印象を与えます。

・東大寺俊乗堂の重源上人:見事な彫刻としかいいようがありません。まるで本当の人間みたいにリアルで、その人物の精神性と性格の特徴まで伝わってきます。

・新薬師寺の十二神将:生まれ年の十二あれ(何と呼ぶでしたっけ?)とかぶって、薬師如来を円形に取り囲むような配置は面白く、その空間は何故か心地よく落ち着きます。また、それぞれの十二神将の表情に個性や全体的な雰囲気がはっきり異なり、見所がいっぱいです。

 日本最古(自称かしら?)の絵馬に私が一つ願いを書きました。必ず叶えると信じています(笑)。

 3月リニューアルした興福寺国宝館も目が張るほど壮観でモダーンなものになっていますが、さすがに混んでいて、少し人に酔ってしまいました。できれば、人の少ない時に訪ねたいものです。

(レポート:ブレンダさん)



■奈良1300年祭東大寺エリア

●伝香寺

 今年は椿の開花が早かったそうです。受付や説明は地元の方々のようで、素朴な感じでした。

●大安寺

 今日は「菩提遷那御遠忌法要」の日で、境内はごった返していました。東大寺別当などのお歴々が来ておられたようです。ちょうど本堂での法要が終わったところで人が多かったので、まずは嘶堂へ。男前の馬頭観音像に再会です。本堂に戻り列に並んで本尊十一面観音像を拝観しました。境内にしつらえらた舞台で、新作能「菩提遷那」が上演されていました。「大仏を作るぞ」と決意している場面のようです。

●昼食

 バス時間の関係で、大安寺近くの喫茶店に事前にランチをお願いしていたのですが、コーヒーが間に合わなかった方申し訳ありません。

●五劫院

 東大寺北の閑静な街中にあります。五劫思惟像は初めてです。「一劫」とは大きな岩を天女の衣ですり切らせる時間で50億年に当たるとのこと、髪は長いもののまるまるとした顔でした。

●俊乗堂

 正倉院の横を通り満開の桜の下を抜けると鐘楼の横の俊乗堂に出ます。皺が刻まれ猫背で数珠を繰る重源上人像は迫力があります。お寺の人が面白く解説してくれました。上人はお金集めに抜け目ない人だったようです。愛染明王や「釘打ちの阿弥陀」像もありました。

●三月堂

 混んでいました。何回か行っていますが諸像の大きさが記憶以上で圧倒されました。

●新薬師寺

 普段香薬師堂に安置されている香薬師像が本堂に移され開帳です。香薬師堂が開くと思っていましたが間違いでした。レプリカのせいなのか元々なのか、全体的に線がぼやっとした感じです。

●興福寺国宝館

 阿修羅像や八部衆像、十大弟子像などがガラス越しでなく拝観できます。

 4時半に全行程を終了し解散しました。歩く距離が長く皆さんお疲れ様でした。駅前で日の出さん、JUNEさん、shojiさんと懇親会を持ちました。

(レポート:青丹吉さん)



■奈良1300年祭東大寺エリア

 当日はとても良い天気で、ちょっと風が強い時はあったものの、桜も満開で絶好の散策日和だったのではないかと思います。

○伝香寺

 素朴な感じのするお寺で、地蔵菩薩もとても近くから見ることができました。年に一度着替えをするそうで「はだか地蔵尊」と呼ばれる中身が気になって、かなりじっくり見つめてしまいました。境内の石仏も親しみやすい表情をしていて、お寺の雰囲気とマッチしているように思いました。

○大安寺

 建物自体は最近建てられたもののようで綺麗な、新しい感じがしました。昔は五重塔が2棟あったりと、とても広い範囲のお寺だったそうで、残っていないのが残念です。資料館の中で展示されていた仏像も発見時は横倒しにされていたそうで、見ることができるのは貴重なことなんだな〜と思いました。

 また、ここのおみくじは木製の達磨のなかにおみくじが入っていて、可愛いのでひいてみたら「大吉」でした。そのまま達磨に戻して現在部屋に飾ってあります。

 個人的には「嘶(いななき)堂の馬頭観音像」という響きの良さに、昔の人の風流さを感じる気がします。

○五劫院

 ここの五劫思惟像は五劫という長い時間考え続けた姿を現しているということで、アフロヘアーなぽっちゃりさんで、表情もとてもおおらかな感じがしました。それだけの長い間物事を考えるとでてきる余裕というか、とても懐が広そうな感じがしました。

 五劫は有名な落語「寿限無」の一説「五劫のすりきれ」の五劫と同じで、とてつもなく長い時間を表すそうです。私は長い時間考えるのが苦手なので、見習って慎重に行動できるようにと、お願いしてみました。

○俊乗堂

 五劫院から徒歩で向かったのですが道中の桜が満開で、とても気持ちがよかったです。のんびりした雰囲気で鹿もまったりしていたように思いました。ここで解説をしてくれた方がとても話が上手で、「重源上人」についての話はとても人間味があり、お寺のためにというよりは人のために尽力した人という感じがしました。

 自分がいない時にさぼらないように自分の像を作らせた、という下りが面白く、今回拝観した像も何体目かになるそうです。同じ堂内の阿弥陀如来についての話も興味深かったです。

○三月堂

 お堂の少し暗い中にそびえ立つ16体の仏像はとても迫力がありました。今まで見てきたものに比べてかなり大きく、こんなに大きな仏像を16体も間近に見たのは初めてだったのであっけにとられてしまいました。

 顔の表情が現代風な感じで、どの像も若く感じられ、力みなぎるというか、とにかく圧倒する雰囲気を感じました。16体揃って見られるのはこの時期だけということで、今回見ることができてよかったと思いました。

○新薬師寺

 十二神将がぐるりと設置されていて、それぞれの像の前に蝋燭と絵馬がかけられるようになっていました。絵馬は何やら由来があったようでしたがいまいちピンと来なかったので、自分の干支の「因達羅大将」のところに蝋燭をつけてきました。

 作られた当時は派手だったのか、それとも後から色を考えたのかは分かりませんが、「伐折羅大将」に色がついた絵が表示されていましたが、かなりの原色使いでびっくりしました。朱色や緑色、青色と現在の姿からは想像できないだけに、着色された像も見てみたいな〜と思いました。

○興福寺国宝館

 たくさんの人がいましたが、じっくりと各像を見てまわることができました。やはり一番人気は阿修羅像でしたが、他の像もかなり近い距離から見ることができました。大きな十一面千手観音も、その大きさから迫力はあるものの穏やかさを感じました。出口側のお土産屋さんも人がたくさんいて、阿修羅像グッズが人気のようでした。阿修羅像を生で見たのは修学旅行以来でしたが、やはりあの独特な雰囲気は惹きつけられるなぁ、と思いました。

 奈良は中学の修学旅行以来だったのですが、今回人数大目の散策で遠足みたいで楽しかったです。京都にくらべ、奈良はさりげなく飾られているものが国宝だったりするような気がします。今回の企画でたくさん回ることができ、いろいろ見ることができて楽しかったです。

(レポート:えみこさん)



■奈良1300年祭東大寺エリア

【伝香寺】

 奈良三名椿のひとつ「散り椿」と「裸地蔵」で有名です。椿は残念ながら1週間ほど見ごろを過ぎてしまっているようで、かなり散ってしまってました。「裸地蔵」さんは、衣を着せておまつりすることを前提に作られたお地蔵さんだそうで、お地蔵さん本体には衣の線が彫られていないため、「裸地蔵」と呼ぶそうです。こういうお地蔵さんは初めてお目にかかった気が。7月の地蔵会で着替えられるそうで、ぜひ見てみたいです。

【大安寺】

 南都七大寺のひとつで聖徳太子が開基と伝えられているお寺で、創建当時は七重の塔があったとか。さすがに古刹というだけあって、讃仰殿という収蔵庫に収められている仏像も含め九体が萱の一木造りの見事なものでした。中でも馬頭観音(頭に馬を乗せてないのになぜ馬頭観音なんだろう?と思いましたが)と不空羂索観音にココロ惹かれました。

 余談ですが、不空羂索観音は関西にしか分布? してないそうです。作成年代が奈良~平安時代と古い為なんでしょうか? 初めて知りました。

【五劫院】

 名高い「アフロ阿弥陀仏」(笑)さんにお初にお目にかかりました。顔はおもったよりも童顔でした。

 ほんとうに斬新な髪型で、「五劫」という時の長さをその髪型で表現しようとした昔の人の発想力にはただただ脱帽でした。境内の墓地の入り口には地蔵祠があり2体の等身大の石仏のお地蔵さんがお祭りされています。一体は「見返り地蔵」さんだそうで斜めを向いている珍しいお地蔵さんでした。

【東大寺俊乗堂】

 いつも閉まってるお堂だったので、初めて入りました。国宝の重源上人坐像がご開帳中。即身成仏? という感じの超リアルな重源上人でした。あと右奥には800年間秘仏だったという、快慶作の「釘打の弥陀」といわれる阿弥陀如来とも対面できました。この阿弥陀さん、(親鸞の後を追ってだったかなんかで?)歩き回るので僧侶が足の甲に釘を打ったそうで、僧侶が仏を傷つけるとはなにごとか! ということで内緒にするため秘仏にされたのだとか? もう800年たって時効だからご開帳されたらしいです。ありがたや。案内人の方がなかなかのお話し上手で、引き込まれました。

【東大寺三月堂】

 最近たびたび訪れる機会があるのですが、毎回、荘厳さに圧倒されます。須弥壇にひしめく16体の仏像のうち12体が国宝なんて贅沢極まりない空間です。5月? から須弥壇などの修理に入るそうで16体そろい踏みが観れるのはこれが最後みたいです。

 修復完了後は、もともとこのお堂におられた12体だけの安置になるとか。ちょっと寂しい気もします。

【新薬師寺】

 国宝の十二神将とご対面。余談ですが十二神将の干支って諸説があるんですね・・・。新薬師寺の十二神将を観てずっと自分の干支は「迷企羅大将」だと思ってたら、別のお寺の十二神将では「真達羅大将」や「波夷羅大将」になっててびっくりでした。

 香薬師立像も本堂でご開帳中でした。こちらの本物は飛鳥時代のもので国宝だったそうですが、盗難に会い現在も行方知れずだとか。現在は型から興したレプリカだそうです。顔立ちは飛鳥仏というには、ちょっと丸くてやはり本尊の薬師如来と似た雰囲気があるような気がしました。

【興福寺(国宝館)】

 たしか今年に入ってすでに2回目の訪問な気がしますが、改装されてきれいになっててびっくり。相変わらずの阿修羅人気のようですが、個人的には阿修羅ほか八部衆よりも、身の丈5メートルを超える千手観音菩薩立像にいつも魅了されます。

 奈良は京都と比べて古い時代の仏像も多い上に、国宝級の仏像でも普通にお堂の中で拝観できるところが多くて嬉しい限りですが、ただ、やはり古いものは痛みも激しく何時までこの状態で拝観できるのだろうなぁ? と思うことも。永く後世まで残って欲しいのですが、やはり宝物庫に閉じ込められてめったにお目にかかれなくなるのは残念だし・・とちょっと複雑な心境になります。

 なにはともあれ、たくさんの仏像と出会えて大満足の一日でした。最後になりましたが、幹事をしてくださった青丹吉さん、いろいろとお世話になりました。有難うございました。またご一緒させていただきましたみなさんもお世話になりました。また機会がありましたら、よろしくお願いします。

(レポート:あいすさん)







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