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第144回 「民藝と仏教美術―柳宗悦のこころうた」散策会(09/09/26)

 コース:大山崎山荘美術館〜宝積寺

 参加者:游子さん(幹事)、あいすさん(幹事)、shojiさん、青丹吉さん

■民藝と仏教美術−柳宗悦のこころうた−

 12:30。JR京都線山崎駅集合。お天気は良好。全員元気に出発進行。

 「民藝と仏教美術ー柳宗悦のこころうたー」展に行ってきました。アサヒビール大山崎山荘美術館は、天王山の中腹にあります。趣のある洋館や緑豊かな庭園が魅力的な美術館です。『民藝運動の柳宗悦が見出したおおらかな美を湛える仏教美術を紹介』とあいさつ文にあるとおり、木喰さんの大黒天は歯をむき出して笑ってるし、大津絵ときたら、十三仏の不動明王はまるでお地蔵さんのように可愛いし、阿弥陀三尊の観音・勢至菩薩の宝冠は、なんだかギョーザみたいになっちゃってます。こんなんでいいの? と思いつつも微笑ましい感じ。棟方志功の「華厳譜」は、大胆で生命力みなぎる画面に魅了されました。

 各自自由に観賞の後、二階の喫茶で珈琲(男性はビール、勿論アサヒ)を飲みながら、しばし歓談しました。

 時間はたっぷりあったので、お隣の宝積寺に立ち寄ることに。裏の近道を通ると、あれれ? と思う間に、すぐ宝積寺の境内に入れます。美術館の半券を提示すると拝観料を割引きしてもらえました。

 本堂では内陣まで入れていただき、ご本尊の十一面観世音菩薩(鎌倉時代・重文)を間近に拝ませていただきました。横に立つボディガードの多聞天(単体なので毘沙門天?)も、なかなか頼りがいのありそうな感じで良かったです。閻魔堂には閻魔大王と司命菩薩・司録菩薩・暗黒童子・倶生神の五体。これも重文。それぞれに表情豊かで量感のある像でした。

 小槌宮は大黒様をまつるお堂で、格子の向こうで鼻の大きなユーモラスなお顔の大黒さまがほほえんでいらっしゃいます。その前に三宝に乗せられ布をかぶせられた何物かが? こちらのお寺では「打出の小槌」ではなく、「打出」と「小槌」がそれぞれにあると聞いていたので、これがそうではないか? と思いつつも、わからないままお堂を出て、お守りなど見ていましたら、ご住職らしき御仁が出ていらっしゃいました。

 声をかけてみましたら、見せて下さるとのこと! わ〜い、やった〜、ラッキ〜♪ と、喜び勇んで再び小槌宮へ。格子を開き、布を取ると・・・ありました、「打出」と「小槌」。「打出」、初めて見ました。先がスクリューのようになった棒です。小槌は大黒様ですが、打出は八臂の弁天様の持物だそうです。農耕と密接な繋がりがあり、打出で大地に穴を穿ち、種をまき、土をかぶせて小槌を振るということでした。小槌を振って出てくるのは金銀財宝のイメージですが、豊かな実りこそが宝ということなのでしょうか(その後、「仏像図説」等で調べましたが、仏像の持物としての打出は載っていませんでした。宝積寺特有のものでしょうか)。

 お話し好きのご住職で(放っておいたら朝までしゃべる、だそうで)、お寺の由来や歴史などいろいろ楽しく聞かせていただきました。しかし最後にひとつ大きな疑問が待っていました。山門のところに『山門不幸』の文字の立札が・・・。これはいったいどういう意味なのでしょう・・・???

(レポート:游子さん)



■民藝と仏教美術−柳宗悦のこころうた−

 12時半にJR山崎駅に集合後、徒歩でてくてくと大山崎山荘美術館へ。徒歩10分程度で到着。中では1時間ほど自由行動で鑑賞。個人的には、今回、木喰仏を初めて直にみることが出来るので楽しみにしていました。一般的な仏像という姿からはちょっと離れてますが、いずれもほんわりとしたやさしい仏像でした。

 ただ、デフォルメというか造詣の自由度が高いせいか、「どうしてコレが如意輪観音なんだろう?」と、素人目にはちょっと不思議に思えるものも。木喰仏の中では、紅蓮の光背を背負った秋葉大権現が印象的でした。

 その他、「種字絵巻」や「朱印仏千躰阿弥陀」などの絵巻物が珍しくて、じっくりと堪能しました。本館の瀟洒な洋館と対象的な新館は、安藤忠雄設計と人目でわかりそうなコンクリート作りで、こちらには、モネの睡蓮が4点ほど収蔵されていました。なんだか、最近、安藤忠雄と睡蓮の組みあわせをよく見かけるようですが・・なにか関連あるんでしょうか?

 美術館鑑賞後、1時間ばかり館内のカフェでコーヒータイム。その後、美術館から裏山を通り抜けて、5分足らずで宝積寺へ到着。前回来たときは、線路沿いの道からかなりの勾配の坂をえっちらおっちら上ったのですが・・・こんな楽なルートがあったとは。

 宝積寺は「打出と小槌」と「閻魔大王」で有名なお寺だそうで。前回訪問時も、本堂と閻魔堂を拝観した記憶があったのですが、今回は案内の方のご好意で、本堂内陣まで上げていただくことが出来ました。本尊の十一面観音は鎌倉時代作の重文仏で、金色に輝く堂々とした体躯。間近でお参りさせて頂き、感激しました。本堂にはそのほかにも、なぜか清水式の千手観音も。

 本堂の次は閻魔堂に向かい、閻魔大王とその眷属の5体にご対面。こちらは2度目の拝観ですが、やはり迫力のある閻魔様でした。前回は気づかなかったのですが、眷族の記録係「司命」と「司録」の2体、顔はいかついんですが、「菩薩」だそうです。びっくり。

 その後、本堂左の小槌宮も中まであげて頂いて拝観し、さて、帰ろうとしたところ、偶然住職が出てこられて、立ち話のついでに「打出と小槌」を見せていただけることに。これまたびっくり。再度、小槌宮に戻り、話上手な住職から「打出と小槌」の説明を聞かせていただきました。

 (お話の内容は游子さん、青丹吉さんが書いてくださってますので割愛しますが・・・)。「うちでの小槌」が、実は「打出と小槌」という別物であったという、ちょっとしたトリビアっぽいお話も聞けて、宝積寺拝観はうれしいサプライズの連続で終わりました。

 その後、転がりそうな坂を下ってJR山崎駅へと戻り、解散となりました。

(レポート:あいすさん)



■民藝と仏教美術−柳宗悦のこころうた−

●大山崎山荘美術館

 木喰仏が多く展示されていました。結構大きく像高数十cm程度です。ユーモラスな表情や浮彫のような彫り方が印象的です。大津絵についても勉強になりました。僧の姿をしていても心は鬼という「鬼の念仏図」が面白かったです。

●宝積寺

 昨年の企画で訪れたときは、本堂の十一面観音は格子の隙間からのぞいただけのような気がしますが、お寺の女性の厚意で内陣に入れていただきました。鎌倉時代ということですがきれいな像です。

 閻魔堂では5体の像ににらまれます。2体は他の所では見たことのない名前です。

 大黒天堂も一通り見て帰るところに、たまたま通りかかった住職さんが話し好きで、もう一度戻ってたっぷりと話を聞かせていただき「打ち出」と「小槌」も見せてもらいました。

 3時間半程度のミニ企画でしたが充実していました。その後shojiさんと京都駅前で懇談した時間の方が長くなりました。

(レポート:青丹吉さん)







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