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第138回 「こぬか薬師普茶料理&宿坊」散策会(09/07/25〜26)

 コース:こぬか薬師普茶料理&宿坊

 参加者:ほーりー(幹事)、noyesidoさん、shojiさん、caznさん、あいすさん

こぬか薬師の普茶料理
こぬか薬師の普茶料理


■こぬか薬師普茶料理&宿坊

 久しぶりの京都。こぬか薬師は17時集合でしたので、その前に上賀茂神社に寄り、こぬか薬師に到着。noyesidoさんやshojiさんは15時には来ていたとかで、お風呂も済ませてすでにパジャマ姿でした。

 そして私もお風呂に先に入らせて頂き、夕食へ。普茶料理は中国風の精進料理ですが、住職は元萬福寺の典座長も務めた方で、出てくる料理の一品一品の華やかなことに驚かされます。

 まずは「布袋」というお茶菓子とお抹茶で一服。その後、莫大(ばくだい)、岩茸、わさびを乗せた胡麻豆腐が出てきました。時間をかけてすった胡麻に吉野葛を混ぜて作り、昆布で取っただし汁がかけられています。

 胡麻豆腐はやはり精進料理の主役! 手を抜くとすぐに味が悪くなると仰っていましたが、もちもちっとしていて口の中に吸い付いてくる感じ。出汁の味も効いていて、胡麻豆腐と絡んですごく深みがありました。

 さらにずいきや湯葉の和え物、黄檗時雨煮など、上品な料理が続きます。

 そしてここで箸についても話題に上りました。こぬか薬師で使われている箸は職人さんが磨き上げて作った「医徳箸」という先の細くなった箸で、小さな豆やご飯などをつまむにも、ものすごく使いやすいです(こぬか薬師は正式名が「医徳山薬師院」ですので、この山号を取ったのでしょうか) 。お土産としても売られていますが、一度にたくさん買っていた方もいたほどでした。

 次に出てきたのはてんぷら。しそが乗ったさつま芋、トウモロコシ、しいたけに松の実が入った「あわびもどき」、高野豆腐とアーモンド、みようがと、他ではなかなか見ない工夫の凝らされたてんぷらです。私は特に高野豆腐とアーモンドてんぷらが美味しかったです。

 また驚きなのが、昆布だしに浸かった、酢抜きをした梅干てんぷら。ぜんぜんすっぱくなく、梅干を崩して昆布だしと飲むと、ほのかな甘さが口に広がりました。そして器もこだわっていて、十牛図を題材にした絵が描かれています。十牛図とは禅の悟りに至る道筋を表した牛を題材にした十の絵ですが、いかにもお寺らしい心遣いです。私の器はそのうちの一番最初の絵「尋牛図」でした。

 さらに次は雲片。野菜の葛よせです。海老が入れば八宝菜になると言っていましたが、そんなものをイメージすれば分かりやすいでしょうか。刻んだ野菜にあんをかけ、しょうが汁がかけられています。野菜の切りくずも大事にする、いかにも普茶料理といった感じの料理です。

 またちょっと油ものやあんかけなどのこってり系が続いたためか、次に出てきたのは冬瓜と酢の物。冬瓜には酢味噌が乗り、酢の物はおくらです。さっぱりとした酸味が口の中の味を変えてくれて、まさに絶妙のタイミングでの登場でした(もちろん狙っているのだと思いますが)。

 そして今度は笋羹(しゅんかん)。飛龍頭や豊年俵などの野菜料理です。大皿にそれぞれ人数分ずつ乗っていて、一番華やかと言っても過言ではないでしょう。ミョウガのお寿司や、さつま芋を練って作ったスイートポテトみたいな? 料理、高野豆腐の湯葉巻きや、その他何と言っていいのか分からない料理も多いのですが、ほおずきの実を器にしたり、赤に黄、緑と色彩も豊かで、楽しんで食べられる料理でした。

 またお団子やイチジクの胡麻だれかけ、蕎麦と枝豆を使ったデザート風の料理など、食事も終盤に来て、甘みのあるものも増えてきます。

 と、思えば飛竜頭に揚げ湯葉の乗ったものや、うなぎの蒲焼もどきなど、まだまだこれでもか〜という感じで、料理はどんどん出てきます。特にうなぎの蒲焼もどきはすりつぶした豆腐にごぼうを入れてのりを乗せた蒲焼で、ごぼうがちょっと骨っぽさを現していて、うなぎの食感を演出。さんしょうをかけ、ごぼうの風味もふわっと漂って絶品でした! お皿のふちにもサンスクリット文字が書かれていたり。何と書かれているんでしょう?

 そして別名「畑のキャビア」と呼ばれるとんぶり(ほうき草の実を加工したもの)としそを混ぜた味付きご飯や、出汁の味がじわっと聞いた味噌汁。お漬物にちまきなども出て、ボリュームたっぷりの料理もいよいよ締め。

 最後に出てきたのは名物の葛きり。黒蜜につけながら食べますが、甘くて冷たくて、本当に最高! お腹いっぱいになりましたが、それでもするっと食べられました。

 と、この間、お酒なども頼みながらお寺トークももちろん弾み、お料理を運んでくださる奥さんもところどころでお話に加わりながら、本当に楽しい時間を過ごすことができました。

 夜もぐっすり眠ることができ、朝はお勤めはないのですが、勝手知ったるnoyesidoさんが本堂を開けて、なんだかにせお勤めみたいなことを始めたり。朝ご飯も丁寧に作られた健康的な食事で、お寺の方々もとっても温かく、素敵な宿坊でした。

 ついでですが、お土産に手作りの胡麻豆腐も買って帰りましたが、これも絶品。わさびとしょう油で食べると最高でした。

(レポート:ほーりー)







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