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第95回 「京都山城」散策会 (08/11/02)

 コース:興福寺(南円堂、五重塔)〜海住山寺〜現光寺〜薬師寺〜寿宝寺

 参加者:noyesidoさん(幹事)、高橋さん、アベールさん、shojiさん、みた八さん、みかんさん、JUNEさん、たかさん、あいすさん

■京都山城

【興福寺】
 奈良国立博物館の正倉院展との相乗効果か、どこにいっても長蛇の列。

 南円堂:四天王立像を従えた、堂々とした不空羂索観音さんがおられました。

 五重塔:並ぶこと約30分でようやく拝観。薬師三尊像、釈迦三尊像、阿弥陀三尊像、弥勒三尊像が、四面に安置されています。そしてこちらの弥勒三尊像の本尊は、弥勒菩薩ではなく、なんと「弥勒如来」、私は初めてお目にかかりました。56億7千万年後、すでに菩薩から解脱して如来になったお姿でしょうか?? 阿弥陀如来との見分けがつきませんでしたが・・・。

 興福寺を出て早めの昼食をとったあと、JR奈良より加茂へ移動。JR加茂駅前からは、ジャンボタクシーでの移動となります。

【海住山寺】
 ジャンボタクシーは、「こんなところを車が通れるのか?」と思うほどの、細い村落の中の小道を登って行きます(こんな道ですれ違えといわれたら確実に泣きそ・・・。)

 こちらの五重塔は写真のイメージよりは小ぶりで、午前に見た興福寺の五重塔とは対照的。小ぶりとはいえ、法隆寺と同じく裳階つきの塔で国宝です。

 本堂ではご本尊の十一面観音がご開帳中でした。個人的にはご本尊よりも、もう一体の十一面観音に惹かれました。どちらも平安期の作で重文だそうです。

 本坊も公開中で、普段は入れない借景庭園を前にお茶とお菓子を頂き、まったりとしばしの休憩。500万もするというお茶碗にも触れされて頂きました。手が震えそうでした・・。

【現光寺】
 戦後、無住となったお寺で、今は海住山寺で管理をされているとの事で、海住山寺のご住職に案内をして頂き、収蔵庫を開けていただくことに。本日のサプライズその1でした。

 こちらの宝物庫に安置されている十一面観音坐像は、十一面観音には珍しい坐像で鎌倉期の作だそうですが、独特の美しい表情や引き締まった腹部が大変印象的。一度見たら忘れられない魅力あふれる仏像でした。

【薬師寺】
 本日のサプライズその2。現光寺から1〜2分のところにあるお堂の前を通りかかると、たまたまお堂の扉が開いており、たまたま張り紙を見ると「第一日曜日」にあいているとのこと。

 そういえば、今日は第一日曜日だなと・・。しかも15時までということで時計を見ると、只今14:50! これは巡り合ったとしか思えないということで、急遽、お参りさせて頂く事に。

 薬師寺という名称にもかかわらず、ご本尊は阿弥陀如来三尊像で、寺名となっている主役(と思われた)薬師三尊像は、阿弥陀三尊像の右側に居られました。急遽、どやどやと訪れてご無理をいったにも関わらず、ご朱印まで頂きました。

【寿宝寺】
 サプライズ第3弾。時間の関係で笠置寺をあきらめた我々のために、ジャンボタクシーの運転手さんが、こちらのお寺に電話を入れて下さり、16時までに着けば入れてもらえるとの事。渋滞のないことを祈りつつ、向かうこと20分ほどで無事タイムリミットまでに到着。

 こちらのご本尊は葛井寺、唐招提寺と並んで、3大リアル千手観音のひとつに数えられる「十一面千手千眼観音」。お寺の名前をちゃんと記憶してなかったのですが、前からお目にかかりたいと思っていた千手観音さんでしたので、感謝感激ひとしお。こちらもご住職から説明を頂きました。

 「千眼」は「千手」の手のひらに墨で、眼が描かれていたそうで、今でもいくつかの手のひらには「眼」が残っています。そしてこの仏像の最大の驚きは、”昼の顔”と”夜の顔”を持つという事。

 仏像は光の加減や見る角度で表情が変わるものですが、これほどまでに、まるで別人・・もとい別仏のように表情の変わる仏像は初めてお目にかかりました。

 真正面や下からの光で見る顔が、通常の「昼の顔」。そして、上からの月の光に照らされた時に見られる顔が「夜の顔」ということで収蔵庫も、その両方の顔が見れるよう照明に工夫がされていました。

 もとは月光に照らされた顔が「夜の顔」だそうですが、大変慈悲深い顔で、一同、あまりの表情の変化に驚きでした。

 ということで、本日もまたいろいろなサプライズありの大変充実した一日となりました。

(レポート:あいすさん)



■京都山城

○興福寺(南円堂、五重塔初層)

 南円堂は西国33ヶ所観音霊場札所ということで、ご朱印をもらうにも行列です。堂内には鎌倉時代の康慶が造った不空絹索観音像が本尊で、まわりには四天王が。さすがにすばらしいお姿でした。五重塔の内部公開は5年ぶりとのことでこちらも行列が。床下が見れるようになっていました。

 昼食後、JRで加茂駅へ。

 駅では観光課の方? が、改札でパンフレットを配ってらっしゃいました。なかなかりっぱなパンフで、木津川町の案内が。京都と奈良に囲まれ、歴史のある文化、お寺、神社があるみたいです。ただ、交通の便が悪く今回、タクシーでみなさんと回れてよかったです。

○海住山寺

 こちらのお寺でも国宝の五重塔が公開されていました。あと、お庭を見ながら、お抹茶とお菓子をいただきました。河井寛次郎のお茶碗をじかに触らせていただきました! ‘荒磯‘という銘でほんとにその名のとおりお茶碗から、荒波を感じました! すばらしかったです。

○現光寺、薬師寺

 現光寺はいまでは無住ですが、宝物庫に十一面観音坐像がいらっしゃいました。お寺が荒れているのが残念なぐらい美しい観音さまでした。

○寿宝寺

 今回、お世話になったタクシーの運転手さんは大変博識な方で、私たちがお寺めぐりをしている間、わざわざ寿宝寺さんへ拝観の問い合わせをしてくださってました。そのお陰で、寿宝寺さんへ間に合いました。

 こちらは普通のお寺さんみたいで、まったく観光寺ではなかったのですが、重文の平安時代の十一面千手千眼観音さまが宝物庫にいらっしゃいました。

 本当に千本の手があり、詳しいことはあいすさんが書かれているとおりなのですが、素晴らしい仏様でした。また、お寺の方の説明もよかったです。

 私たちの説明は息子さんのご説明でしたが、タクシーの運転手さんのお話ではお寺の奥さんの説明だともっと素晴らしいそうです。

 今回の企画では幹事のnoyesidoさんはじめ、ご一緒した皆様には大変御世話になりました。また、改めて今回感じたことは、交通の便の悪いところや、あまり観光寺院でないお寺さんでも、宿坊のみなさまと行くことで、一人では行けないようなところに行けたり、博識な方もいらっしゃるのでラッキーなことも多々起こるなーと実感しました。

 こういう会で、ふつうなら会わない方々と楽しくお寺めぐりをする場があることに、改めて感謝してます☆

(レポート:みかんさん)



■京都山城

 近鉄奈良駅に集合し、興福寺・海住山寺・現光寺・薬師寺・壽寶寺を参拝しました。

 興福寺は「国宝特別公開2008」が催されており、西国三十三霊場第九番札所南円堂の他に、五重塔の初層を参拝することが出来ました。

 南円堂には不空羂索観音をご本尊とし、四天王が安置されていました。そのご本尊の前に厨子が置かれてあり、開扉されていませんでしたので、質問をしたところ、「春日赤童子」が安置されているそうです。ただ、お寺の人も見たことが無いそうです。

 粉河寺の永久秘仏と同様で、観て拝む対象とされていないのが残念です(凡夫ゆえ)。

 五重塔の初層は薬師三尊・釈迦三尊・阿弥陀三尊・弥勒三尊が安置されていました。初めての参拝でしたので良かったです。弥勒菩薩でなく弥勒如来と説明されているのが気になりましたが。

 ちなみに11月4日に、同じ興福寺で特別開扉されていた北円堂を参拝しました。同様に弥勒如来と説明されていましたので、質問をしたところ、興福寺の弥勒はもうすでに悟られているそうです。

 海住山寺にはJR西日本加茂駅からジャンボタクシーで行き、急な細い坂道を登り約10分強で着きました。とても徒歩では登るのが大変なところで、以前から行きたかったお寺なので今回の企画に感謝です。

 お寺では五重塔(国宝)がご開扉されていました(毎年10月最終日曜日から10日程開扉されるそうです)。初層に裳階(もこし)を付けた姿が珍しく、中には以前に奈良国立博物館に展示されていた四天王が里帰りしていました。その姿はそれほど大きくはありませんが、奈良国立博物館で観た時以上に良かったです。

 本堂で重要文化財の十一面観音を参拝したあと、本坊に行き、催されていたお茶席でユニークな茶人のお手前と地元自慢のお菓子を頂き、面白い話を聞き、借景を施された庭園を見ながら一服しました。

 現光寺は海住山寺がお守りしているお寺で、普段は観られないそうです。海住山寺のお坊さんにご案内頂いての参拝です。近くまで行ったときにも、見過ごしてしまうほどの荒廃したお寺でした。

 庫裏を開けて頂いて、本尊の十一面観音坐像〈重要文化財〉を参拝しましたが、とても良い顔立ちをされていました。

 薬師寺は現光寺からジャンボタクシーが駐車している所に戻る道にあったお寺です。よくお寺にある赤い幟に誘われての参拝です。お堂を閉めかけている時に突然お邪魔にあがったにもかかわらず、ご朱印まで頂き、本堂内も参拝させて頂きました。本堂内には阿弥陀三尊と薬師三尊が安置されていました。

 ジャンボタクシーに戻ると、運転手さんから4時迄に着けば参拝が可能(わざわざお寺に電話して確認してくれていました)とお勧めがあり、急遽壽寶寺を参拝することになりました。

 壽寶寺は十一面千手千眼観音で大阪の葛井寺・奈良の唐招提寺の千手観音とともに三大名作と言われ、まだ掌に墨で書かれた眼が薄らとありました。

 最初に庫裏を開けて拝見し、その後に庫裏を閉め暗いなかで蛍光灯(月の光の変わり)をつけて拝見したところ、その顔立ちが変わりより優しくなったように感じました。当時の人々は太陽の光による昼のお顔と月の光の夜のお顔を参拝したそうです。

 以上のお寺を参拝後、近鉄三木山駅で親切なジャンボタクシーの運転手さんに次回の出会いを約して別れ、全員で近鉄奈良駅に向い夕食をして散会しました。

(レポート:アベールさん&橋政靭さん)



■京都山城

興福寺南円堂

 西国札所第九番。何度も訪れている所。とにかく人、人、人。南円堂拝観だけ参加して、袱紗を買う予定もありましたので、五重塔は遠慮させていただきました。年に一度は公開があるようです。10月17日だったかと・・・。

海住山寺

 恭仁京を見下ろす山にあるお寺。行こうと思えども行けないお寺の1つ。五重塔は室生寺の塔と似ており、大きくはありませんでしたが大変立派なものでありました。また茶を頂く所があり、貴重な河井寛次郎の荒磯という茶器を目にすることができました。

現光寺

 朽ち果てそうな?! いや朽ち果てた建物母屋の横にこっそりとある庫裏の中で、素晴らしい顔立ちの十一面観音様と出会うことができました。無住のお寺で、今は海住山寺様が管理されております。現光寺参拝は、海住山寺様の都合とこちらの都合が合って初めて拝観となるものであります。ありがとうございました。なお拝観は1グループ5000円です。

薬師寺

 現光寺の近く橋の袂にあるお寺。運良く? 良すぎかな。この企画の日の15時までの開寺。時計が指す時刻は10分前。一同急いで拝観。正面から見るとふっくらポンのお姿ですが、横から見るとスラリほっそりに造られている阿弥陀様を拝むことができました。

 ぎりぎりではありましたが、拝観及びご朱印も頂き(また朱印押すのを手伝いました)、ありがとうございました。

寿宝寺

 当初、笠置寺の予定でありましたが、時間の都合で行けないと言うことでした。私の手持ちの候補は2寺ほどありましたが、運転手さんの素晴らしい機転で三山木の寿宝寺へ参拝というこになりました。

 寿宝寺の十一面千手千眼観音を拝観。大阪葛井寺、奈良唐招提寺と並んで、リアルに1000手あるという貴重な仏像。また日の光、月の光があたるとそれぞれに別の顔を表情を出す非常に珍しい?! 仏像でありました。感動!

 また訪問して仏像に逢いたくなります。お寺の方、運転手さんありがとうございました。

(レポート:noyesidoさん)







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