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第92回 「山辺の道」散策会 (08/10/18)コース:山辺の道(仏教伝来の地碑〜海柘榴市観音堂〜金屋の石仏〜平等寺〜大神神社〜狭井神社〜玄賓庵〜檜原神社〜相撲神社〜大兵主神社〜景行天皇陵〜崇神天皇陵〜長岳寺〜石上神宮)参加者:青丹吉さん(幹事)、Shojiさん、門さん、たかさん、わくぼんさん、JUNEさん、noyesidoさん、さえさん ■山辺の道 ●天気快晴 日なたは暑く日陰は寒いほどよい季節で、行き交う旅人もまた多かったです。 ●海柘榴市(つばいち)観音堂 桜井駅からおよそ30分、住宅の裏庭をすり抜けると、集会所のようなお堂の格子越しに2体の石仏が見えます。飛鳥〜平安の繁華街だったとは想像もできませんが、場所が違うという説もあります。 きれいなトイレとベンチが整備されていますが、大勢集まると近所迷惑になりそうです。この後は大部分未舗装または石畳の道です。 ●金屋の石仏 あぜ道のような道の脇の大きい祠の中に、石棺の蓋に浮き彫りされた2体の仏が格子の隙間からのぞけます。釈迦如来と弥勒如来だそうですが、摩滅して顔ははっきりとは見えません。この辺が崇神天皇の宮跡とされています。 ●平等寺 建物は新しいですが、聖徳太子創建とか。二重の塔もあり「伽藍」を形成しています。各所に不動明王が祀られています。「平和の鐘」を撞きました。 ●大神(おおみわ)神社 突如賑やかな境内に飛び込みました。「卯の日祭」で、なおさら人出が多いようです。 道沿いの古びた食堂で昼食です。「弁当は持ってはるんやね」と言われたのは、場所だけ借りる人が多いからでしょうか。 ●狭井神社 「御神水」の味の評価は分かれました。三輪山に入山する人も多く見られました。 ●玄賓庵 崩れそうな土塀の小さな門をくぐると、結構広い境内です。鶏頭の赤い花が目に染みます。本尊は不動明王、庭にも石の不動像があります。 ●檜原神社 両脇に小さい鳥居が付いた「三つ鳥居」で有名です。道中至る所に柿やミカンの無人販売がありましたが、ここはお店で売っています。 〜〜しばらく見晴らしのよい山腹の道。舗装道に出ると万葉歌碑が至る所に〜〜 ●相撲神社 日本初の相撲で、野見宿彌(のみのすくね)が當麻蹶速(たぎまのけはや)を踏み殺したところです。建物はなく広場になっています。当麻寺参道には「けはや館」がありますね。 野見宿彌は乱暴者のようですが、殉死で生埋めになる人をなくすため埴輪を考案した人で、菅原道真の先祖です。 ●大兵主(だいひょうず)神社 山奥のそのまた奥に立派な構えの神社があります。「穴師社」と灯籠に刻まれています。この辺は垂仁・景行天皇の宮跡とされています。 Shojiさんに柿をむいて貰いました。無人販売のは液体の柿が多かったですが、柿は固体だということを思い出しました。 ●大兵主神社から下ると、個人的にはこのルートで最高の絶景ポイントで、田園の中の景行天皇陵、その向こうには大和平野の市街地、はるか遠くには葛城山系が望めます。ベンチも用意されています。 民家の1m程の隙間を抜けてその田園に入ります。ビニールハウスや田んぼの中の道が終わるところに、額田王の歌碑「うま酒 三輪の山 あをによし 奈良の山の・・」 ●景行天皇陵 陵と宮の比定が正しければ、何より景行天皇が実在したならば、日夜成長する巨大な土の山を彼は見ていたかも知れません。強すぎるあまり手元に置くのを恐れて諸国征討に追いやった後継ぎのヤマトタケルは既に亡く、老王の目に映るのは・・・、などと下手な小説はやめておきましょう。 陵は幅の広い壕に囲まれており、「景行天皇陵」の道標は陵を一周するルートを示しています。「一周しますか」の提案は一蹴され、最短距離で次へ向かいます。 ●崇神天皇陵 集落を通り抜けると、また壕に囲まれた陵が現れます。反対側にも大きな池があります。景行陵がなければ金屋の宮から見えたのでしょうか。 ちなみに上記2つとも日本書紀には「山辺道上陵」とあります。今は道の方が上にあります。我々が歩いているのは「山の辺の道」と称するハイキングコースに過ぎません。また江戸末期に両者は名前を入れ替えられています。 ●長岳寺 そば屋と自販機と「トレイルセンター」があり、繁華街に出た気分です。重文の楼門をくぐって左の本堂の本尊は阿弥陀三尊で、両脇侍は片足を踏み下げる独特の姿勢です。次週からと思っていましたが地獄絵がかかっていました。人懐こい猫がいました。 本堂の向かいは池、カキツバタの季節は最高です。池の奥に回ると一願成就の鐘が撞けます。 奥の丘に入ると四国八十八か所の石仏が祀られているのですが、行った人はありましたか? ●石上神宮まで 参拝を済ませ時すでに4時20分、余すところ5キロ、「最後まで歩こう」という皆さんの熱意に押され、出発しました。ガイドブック的には途中の見所は、 ・中山廃寺 ・衾田陵 ・竹の内環濠集落 ・夜都岐神社 ・内山永久寺跡 衾田陵の所で墓地を長々と通り抜けます。 夜都岐神社通過後、二上山に沈む夕日が太陽の見納め、廃仏毀釈で消滅した永久寺跡の池は夜なお暗く、秋の日は釣瓶落とし、漆黒の闇に妖しく光るのが石上神宮の灯籠で、到着は5持36分でした。タクシーで天理大教会を横目に見ながら駅に向かい、西大寺駅前での懇親会には5名が参加しました。 15kmを踏破した参加者の皆様お疲れさまでした。 (レポート:青丹吉さん) ■山辺の道 桜井駅11:20集合でしたが、早めに到着して等弥神社へ参拝してきました。電車が遅れていたので、全員が集まって出発したのが11:30過ぎでした。本日は晴天なり。絶好の行楽日和ですが、日差しはかなりキツイです。 ◆仏教伝来の地碑 青丹吉さんがプリント片手に説明をしてくれます。遠足か野外勉強会のような気分です。 ◆海柘榴市観音堂 住宅の裏にある、普通の住まいのようなお堂です。ガラス越しにお参りしました。大きな石仏が2つ、小さいものが幾つかありました。朱印はありませんが、記念スタンプがあります。休憩所とトイレがありました。 ◆金屋の石仏 細い畦道の脇にありました。石板の上に彫られた仏様のようですが、よくわかりません。 ◆平等寺 創建の古い小さなお寺です。御朱印の応対に出てくれた女性が藤原紀香に似ていたとか何とか‥‥? ◆大神神社 大変な人出でした。「卯の日」なので、玉子を上げてお参りする人が多いようです。 ◆昼食 古い食堂に入りました。きつねにゅうめんを注文しました。さえさんから小布施の栗羊羹とアップルパイをいただきました。ご馳走様でした。 ◆狭井神社 御神水は押しボタンを押すと出てきます。いただくコップはガラスケースの中で滅菌されています。コップを洗うための水は水道水、蛇口をひねります。何か変だな‥‥??? ◆玄賓庵 ちょっと崩れそうなお寺です。小さな庭には秋の花が。庭でも見ながら、まったりとしたい気分ですが、スズメバチが飛んでいるので、かなり恐怖です。 ◆桧原神社 広々とした神社です。写生している方が沢山いました。売店で少々休憩。でもペットボトルが160円でした。 ◆相撲神社 ただの雑木林のようです。土俵らしきスペースがありましたが。 ◆大兵主神社 相撲神社の奥にあります。社務所が留守だったので、宮司さんのお宅に行って、御朱印をいただきました。かなり時間がかかってしまい申し訳ありませんでした。宮司さんが「うちの御朱印でよろしいんですね?」と言いました。他の御朱印があるのでしょうか? 真相は闇の中? 無人の売店には柿や枝豆、野菜が売られています。Shojiさんに柿を剥いてもらい、おやつにいただきました。 ◆長岳寺 念願の長岳寺です。花の寺です。地獄絵図が公開中でした。花はなかったように思いました。自由散策の後、近くのトレイルセンター(無料休憩所)で休憩しました。 時刻は4時15分。残り約6km。ここで終りにしてもよかったのですが‥‥。 ◆石上神宮 道のりが長かったこと‥‥。長岳寺までで精魂使い果たしてしまったようで、とても長くてツライものになってしまいました(BGMは水戸黄門のテーマで)。 でも日本の原風景というのでしょうか、金色の稲穂、たわわに実った柿、沈む夕日の美しさ。ここを歩かないと見ることができません。「大和は国のまほろば‥」とはこういうことをいうのか、と実感しました。 石上神宮に着いたときは、既に真っ暗でした。秋の日は短いです。タクシーを呼んで天理駅まで向かい、解散となりました。皆様、お疲れ様でした。夜は冷やした「快足時間」を沢山貼ってやすみました。 (レポート:わくぼんさん) ■山辺の道 暑いのが苦手な私は、青丹吉さんに「山辺の道」を夏ではなく秋にして欲しいとお願いしたにも関わらず、初夏かと思うほどの晴天。ちょっと不安。雨男と雨女はこのグループにはいないのかな・・・? 出発が多少遅れてしまったため、青丹吉さんが皆さんに関西初参加の私だけを紹介し、ウォーキング開始。歩きながら他の方の名前を青丹吉さんに教えていただいて、挨拶を交わしたのですが、皆さんとても明るく、元気ハツラツ。楽しいお喋りをしながらウォーキング。 歩き始めて暫くすると三輪、そうです、三輪素麺の会社が何軒かあり、こんな暑い日には冷たい素麺をお昼に食べたいなーと考えながら、再び歩くのに集中。 大神神社と狭井神社に卵が供えてあり何でだろうと思っていたら、noyesidoさんが卵が蛇の大好物で卵を丸呑みにするというお話しをしてくれました。うわぁー、怖。狭井神社では御神水を飲みましたが、うーん、正直に言うとそれほどおいしい水ではなかった。しかし、霊験あらたかな御神水、ありがたく頂きました。 途中に無人の露店があり、柿・枝豆・みかんなど、いろいろなものがとても手ごろな値段で売っていました。それを見るのも楽しいですし、柿畑の間を歩きながら、遠くの景色を眺めるって本当に至福のひとときでした。ただ、とても残念だったのがところどころに舗装された道があり、電信柱があちこちに建ち並んでいて景観を壊していたことです。日本人は景観を大事にしない人種なのかな? もう少し景観を大事にする気持ちを持たないと先祖に申し訳ないと反省。 秋の日は夏に比べて、やはり日が暮れるのが早いです。石上神社手前からかなり暗くなってしまい、結局、石上神社から天理駅までは残念なことにタクシーになってしまいました。 その後の懇親会でもとても盛り上がり、よく話し、よく飲み、よく食べました。 (レポート:門さん) ■山辺の道 ・海柘榴市観音堂 昔は栄えたというところですが、いまは思うことのみ・・・とおりすぎてちょっと新しそうなところでした。 ・金屋の石仏 山辺の道、初瀬街道が合流する地であるというが、2〜3段の石段をのぼり拝観させていただきました。 ・平等寺 桜の木の下で、あまりにも暑いので木々も混乱してしまうのではないかと思いつつ、お寺全体を見つめました。 ・大神神社 拝殿はとてもきれいでした。青丹吉さんにいただいたプリントを読むと、怖い雰囲気です。 ・狭井神社 お水をいただきました。お山をおりて来た方々を眺めてしまいました。 ・玄賓庵 不如帰がきれいに咲いていました。謡曲三輪の舞台だということは後で知りました。 ・檜原神社 三鳥居が、印象的でした。 ・相撲神社 相撲発祥の地・・・相撲は歴史があったのね・・・ ・大兵主神社 参道から拝殿まで木々が茂った中を歩きました。 ・長岳寺 お寺の中を一通り回らせていただきました。石段の横で咲いていたお花の名がわかりませんでした。 ・石上神宮 薄暗く残念でした。 山辺の道、今回参加しなかったら1日で、この距離は歩けなかったと思います。奈良の友人も歩いたことはないと話しました。秋の里山のような風景、山に沈んでいく夕日は古代からたくさんの人が見たと思います。きっと暮らしていくことに感謝しつつこの道を通った人達、同じ思いを持てた1日でした。 (レポート:さえさん) ■山辺の道 桜井駅に集合すると、青丹吉さんから付近の伝承のプリントを手渡されて出発。先生に引率される生徒の気分になれました。 山の辺の道は、桜井市金屋から天理市石上神宮までの約11kmのハイキングコースになっています。その間、のんびりとした穏やかな雰囲気に包まれて散策することができました。お天気にも恵まれて、金色に実る稲穂、色づいた柿やみかん、淡いコスモスが揺れて、美しい秋の景色を堪能しました。特に沈む夕暮れはため息の出るような美しさでした。 仏教伝来の地、米作り発祥の地、みかん発祥の地、相撲発祥の地…きっと他にもたくさん!? 発祥づくしです。万葉の歌碑も点在し、いにしえのロマンを感じることが出来ます。 いろいろな寺社に立寄りましたが、個人的には以前から参拝したかった「大神神社」のパワー溢れる雰囲気と、程よい寂れ加減が絶妙な「玄賓庵」が気に入りました。 今回はグループで歩く楽しさを味わえたので大変良かったと思います。それにしてもスピードが遅れ気味でご迷惑をおかけして、すみませんでした。 (レポート:たかさん) |
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