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第47回 「東京国立博物館 仏像展」散策会(06/12/02)コース:東京国立博物館「仏像 一木にこめられた祈り」観覧参加者:ほーりー(幹事)、喜々丸さん ■東京国立博物館「仏像 一木にこめられた祈り」 今回は一木作りがテーマなので、壇像から奈良・平安の一木彫の時代。そしてそれに続く寄木造りの時代を一気に飛ばして、江戸時代の円空と木喰。 やっぱり素晴らしかったのは、向源寺の十一面観音菩薩。すらりとしたしなやかな身体つきや、水瓶を持った柔らかなポーズ、十一面のそれぞれの厳かな表情など、さすがに東洋のヴィーナスと呼ばれるだけはあります。360度どこから見ても美しいというか、神々しいオーラみたいなものを感じました。 それとこれも今回の話題の仏像ですが、宝誌和尚立像。裂けた顔の下から観音菩薩が姿を現したという伝説の人物で、仏像もこの話をそのまま再現して半分に割れた顔の下から、もう一つの顔が出ています。写真で見てたときはもっと不気味な気がしたのですが、実際に見るとこれも神秘的な姿に感じました。 他にも多くの素晴らしい仏像がいましたが、今回の仏像展で何より良かったのが、彫られた木の材質を意識しながら仏像を見ることができたこと。 大きくはならないが粘りがあって細工のしやすい白檀は、仏像も小降りだが細かな彫刻が施され、それがカヤになってくると等身大の大きな物になってきます。円空は鉈で割りやすい針葉樹を好んで使い、逆に木喰は柔らかな質感が出せる広葉樹を用いたなど、今までに考えもしなかった仏像の見方が紹介されていました。木の性質がそのまま仏像に現れる一木彫ならではの発見でしたね。勉強になりました。 (レポート:ほーりー) |
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