宿坊研究会 〜座禅・写経・精進料理など、楽しさ満載!〜  
宿坊
座禅・阿字観
写経・写仏
精進料理
寺修行体験
 
滝行
神道・巫女体験
人生相談
寺社カフェ・バー
お寺ヨガ
 



第36回 「奈良東大寺お水取り」散策会(06/03/11)

 コース:近鉄奈良駅〜釜飯の「志津香」〜国立博物館〜東大寺大仏殿〜二月堂(お水取り)

 参加者:大和人さん(幹事)、夕霧さん、tenさん、ふじさん、さるさん

■奈良東大寺お水取り

 正午に近鉄奈良駅に集まり、県庁を経て国立博物館へ。まずは顔合わせをかねて昼食ということで、奈良の名店として知られる釜飯の「志津香」へ。30分ほど並んで小上がりへ通される。

 おいしい釜飯を堪能したあとは道を挟んだ向かい側の国立博物館へ。ここでは「お水取りの特別陳列」の見学。本当に紙で作った紙衣(かみこ)、江戸時代のお水取りの様子を描いた絵画などを見る。 天気がよく暖かかったので東大寺大仏殿へ散策。修学旅行生に混じって今年のお正月以来の大仏殿へ。

 夕方、生駒山地にゆっくりと日が落ちるころに二月堂へ。すでにバスツアーの方を中心に待っている人が多くいたが、二月堂のほぼ真下でそのときを待つ。思っていたよりも寒くない。1時間前から「二月堂境内は満員」「照明が落とされます」などの放送がある。みんなと話しながら待っているからか、時間が短く感じられた。

 いよいよ夜7時、お松明が二月堂を走る時間がやって来た。時間にして30分ほどだが、お松明が上がるたびに歓声が沸き、私自身もカメラを構えながら火の勢いに圧倒されそうになる。「今年はいい1年を過ごせそう」と思いました。終わったときには頭に灰をかぶっていてびっくり。

 その後二月堂を参拝し、近鉄奈良駅へ向かう。みんなで夕食を済ませて帰りました。

(レポート:大和人さん)



■奈良東大寺お水取り

 昼に集合、昼食後まずは奈良国立博物館へ「お水取り特別陳列」を見に。お水取り(修二会)の各儀式に使われる用具や、普通は見られない内部の儀式の様子を日にち順に追って写真パネルにしたもの等が展示してあり、なんとなく「こういう行をこういう順でやっているんだな」と全体の流れが掴める感じでなかなか良い展示でした。特別展示ではなく特別陳列なので、通常の入館料だけで見られるのもお得でした。

 お水取りで汲んだ香水は香水壷に移すそうなのですが、毎年継ぎ足し継ぎ足しなので中に数分子は1200年以上前の水が入っていることになるんだそうです。お寺に(特別に申し込むんですかね?)入れてもらった参観者にはその場で少量振舞われるとか。奈良博のボランティア解説員の方が「私も頂きました。一人一滴ぐらいなのですが、有り難く飲む方や、お顔に塗る方もいましたよ」と仰っていました。

 個人的に面白かったのが、江戸時代のお水取りの様子を書いた絵。老若男女、様々な人が詣でているのがよくわかるのですが、中に鹿を前に煎餅を売る人間が……。絵の横に書き込まれている各人物の説明に「せん遍い」と書いてあったので間違いないと思います。鹿せんべいって江戸時代にはもうあるんですね。

 奈良博を出て東大寺へ、大仏殿を修学旅行生と混じって拝観した後に場所取りへ。17時頃:そこそこ人はいましたが、まだ座ろうと思えば前の方で席がとれました。お堂正面のいい場所を取れました。立って待つと思っていたので敷物等の準備は無し。何か持って行けばよかったです。下は枯れた芝(?)なので直に座ってもそんなに汚れないのですが、やはり土が剥き出しの部分が多々あるので。

 18時頃:「二月堂は一杯なので入れません。大仏殿横の第二会場へ行ってください」とアナウンスが。あちこちにロープも張られ、人も一杯でもう移動できる状況ではありませんでした。トイレ等は早めに済ませた方がいいと思います。

 19時:お松明始まり。松明がお堂に上がり、左の角で大きく上げ下げ&振り回して火の粉を飛ばす→欄干に沿って一気に走る→右の角で又振り回し。を順番に計10本。約20分間。夜空に燃え上がる松明はダイナミックでとても美しかったです。お堂の真正面下で見たのであまり火の粉は飛んできませんでしたが、左右の端に居た方には沢山飛んだと思います。灰は結構被りました。帽子かタオルを持って行くべきだったなと思いました。

 とても面白く、素敵な儀式でした。火というのは人を興奮させるものなのだな、と実感して帰ってきました。宿坊散策会のオフに参加するのは初めてでしたが、皆さんとてもご親切で良い方で、楽しい時間が過ごせました。

(レポート:ふじさん)



■奈良東大寺お水取り

 この日は天候に恵まれ、とても暖かい一日でした。まず奈良国立博物館で、「お水取り」の展示を見学しました。

 東大寺二月堂の修二会は、東大寺の僧侶が人々にかわって、二月堂本尊の十一面観音に過ちを懺悔して国家の安泰と万民の豊穣を祈る法要で、奈良時代より一度も途絶えることなく続けられ、今回で1255回目だそうです。

 展示でまず目をひかれたのが、奈良時代の二月堂本尊の光背です。ご本尊の十一面観音さまは秘仏なので、もちろん我々はそのお姿を目の当たりにすることは叶わないのでありますが、この光背は高さが約226センチもあり、想像以上に大きいんだと感じました。別に展示されていた頭光も大きなものでした。歴代の僧侶が描いた観音像もたくさんあり、いままで漠然としていたご本尊のお姿を、ほんの少しだけ垣間見ることができたような心地がしました。

 また、練行衆以外は入ることを許されない二月堂内陣の様子を、リアルに臨場感をもって再現した展示も、大変興味深かったです。中でも私が一番心に残ったのは、杉本健吉氏の修二会の一連の法会を描いた水墨画集でした。行法の流れがよくわかり、練行衆の方々の内面まで伝わってくるような素敵な画集でした。

 博物館をあとに大仏殿を見学したあと、二月堂へ向かいました。5時前に到着し、欄干にほど近いど真ん中の大変いい場所を確保できました。2時間待ちましたが、皆さんとお話をしているうちに、あっという間に時間は経ちました。

 いよいよお松明が始まりました。暗闇の二月堂の階段の屋根の下、大きな炎が運ばれ、ゆっくりと上っていきます。思っていた以上に大きな炎で、屋根に火が移らないかとドキドキしました。

 欄干に登場したお松明は、とっても大きく炎が揺れて、本当に感動しました。バチバチと音を立てながら燃える炎を見つめていると、自然と除災招福を祈る気持ちがこみあげてきました。欄干を走り抜けるとき、まるまるボットリとおたいまつの先が落下したり、火の粉が欄干に燃え広がりそうになると、見事にスピーディーな消火が行われたり、キナ臭い薫りや、頭に降りかかった灰など、テレビや雑誌ではわからなかった、現場の空気を存分に味わうことができました。

 自然にテンションがあがり、思わず歓声をあげ、心おきなく拍手をし、ワクワクして、なんだか歌舞伎の舞台をみているような感覚になってしまいました。終わった後、西に向いて眺めた奈良のまちは、大変美しい夜景が広がっていました。

 今回、初めて参加させていただきたしたが、みなさん大変親切な方ばかりで、とてもいい一日を過ごすことができました。

(レポート:夕霧さん)



■奈良東大寺お水取り

 お昼に集合しましたのでまずは腹ごしらえということで、昼食を釜飯で有名だという「志津香」へ案内して頂きました。すでに満席で待っている列に30分ほど並びました。私は牡蠣としめじの釜飯定食にしましたが、並ぶ価値のある関西風の出汁のきいた美味し〜い熱々の釜飯でした。フーフーしながら最後のおこげまで一応こそげて食べたのですが、あとでわかったのですが、釜飯を食べてるあいだは木ブタをすきまなく蓋をしておけば、熱々のままで釜底のおこげは程よく蒸れて残らずきれいにはがれて食べれる…ということで、次に行く機会があればぜひそうしようと思いました。

 昼食後、すぐ向かいにある奈良国立博物館へお水取り展を見学しました。お水取りの伝説の中で、二月堂の閼伽井が若狭井と呼ばれる由来となった、白と黒の鵜が飛び立ちその跡から甘泉が湧き出したという絵巻物がちゃんと残ってて印象的でした。修二会だけで着る和紙に糊を塗り乾かして良く揉んで作られているという、丈夫そうにたくさん皺が作られてある紙衣(かみこ)という着物も、実物を拝見できて、紙とは思えないような質感も感じられて良かったです。

 常設展見学は今回省いて、お天気もよかったので大仏殿まで抹茶ソフトクリームを食べながら、皆さんとのんびり歩いていきました。その後、二月堂直下を目指しどこまで入れるのか不安でしたが、17時頃に着いて、まだ少し場所が空いていたのでラッキーでした。防寒には備えてましたが敷物を用意してなかったので、待ち時間と場所取りの意味で必要だなと思いました。

 19時、お待ちかねのいよいよ燃えさかる大松明が現れ、礼堂にたいまつを突き出し火の粉が一斉に舞ってきました。火事にならないかと心配になるくらいぼうぼうとよく燃えており、欄干の右端と左端で回して突き出したり引いたり、と独特のリズムをとっているように見えました。

 時間的に20分ほどと短かかったせいもあり、私は友人に写メールも送りたくて撮影するのと見るのとで忙しくてあっという間に終わりました。でも火というのはやはり人間をエキサイトさせるものですね。会場が一帯になって魅せられていたように感じられて良かったです。それと帰りがけに近鉄奈良駅まで戻ってくると、東向商店街のあめ湯の無料サービスがあり体もほっこり温まってありがたかったです。

 今回、奈良時代の開始以来一度も休んでいないというお水取りのお松明の儀式に参加できて、少しでもその歴史の重みにふれることができ、貴重な体験をさせて頂きました。毎年3月2日に行われる若狭の小浜市神宮寺の「お水送り」のお香水が、若狭鵜の瀬から10日間かけて奈良東大寺二月堂・若狭井に届くといわれているそうですね、こちらにも興味を持ちました。またいつか機会があれば行ってみたいと思いました。

(レポート:tenさん)







BACKNEXT
HOME