|
第13回 「吉野蔵王権現ご開帳」散策会(05/06/18〜19)コース:吉野〜金峯神社〜西行庵〜花矢倉〜竹林院(宿泊)〜水分神社〜如意輪寺〜勝手神社〜吉水神社〜金峯山寺(蔵王権現ご開帳)参加者:カズさん(幹事)、大和人さん、日の出さん、にゃんこさん、Fさん、法厳寺旦那さん、ほーりー、めぐさん、まりこさん、りっかさん、ピラルクさん、法厳寺さん、あきこさん ■吉野散策 朝、普段の通勤と同じくらいの時刻の電車で三河安城を出発。刈谷で快速に乗り換え名古屋へ。名古屋からは近鉄特急で奈良方面へ。特急に乗るなんて5年ぶりくらいなので少しリッチな気分。大和八木で乗り換えてカズさん、ほーりーさん、日の出さんと合流。橿原神宮乗り換えでまりこさんと合流。夜行バスで奈良まで来て朝から東大寺に行ってきたとか。なんとなくタフそう。そうこうしているうちに吉野駅到着。 吉野駅でFさん、大和人さん、めぐさん、ピラルクさんと合流。このあたりから関西コンビ(勝手に命名してしまいました、ゴメンなさい)の影響で賑やかに。駅からはうわさのケーブルカーで下千本まで。詰め込めるだけ詰め込まれる(一応、定員までですが)。ケーブルカーを降りたところで、ボランティアガイドのTさんと合流。さすがガイドの中のガイド? だけあってなかなかの話のテクニシャンです。知識だけではなく、話の進め方、間のとり方、爆笑トーク等恐れ入りました。本当にガイドを雇ってよかったと思います。(ガイド一人につき)1日1000円ですから。 お昼はガイドさん推奨の店で。生まれて初めて(かどうかはわからないけど)柿の葉寿司を食べました。一日目は奥千本までバスで行ってそこからはひたすらハイキング。少々バテ気味。一日目に印象に残ったのは廃寺跡地。山道でなんでもないところに開けた土地があり、昔そこにはたくさんのお寺があったという。明治の廃仏きしゃくで多くのお寺がなくなりましたが、吉野の町がすごく賑やかだったことが想像されます。想像するだけでワクワクしてしまいます(廃寺跡に限らず、廃線跡とかも好き)。ご本尊だけは移されて残ってるところもあるそうです。 Tさんの軽快なトーク? で励まされ、宿の竹林院群芳園へ。ここで、惜しまれつつFさんとお別れ、そしてりっかさんと合流。宿は聖徳太子ゆかりの歴史あるところで、歴代の天皇の方々が泊まったこともあるそうです(もちろん部屋は、特別室ですが)。ここの宿は宿坊というより、老舗旅館ORホテルみたいな感じです。部屋もまさしくそんな感じ。5人だったけど部屋は狭い感じがしませんでした。 夕食の前にお風呂へ。竹林院には露天風呂のある「むささびの湯」と少し大きめの「かもしかの湯」の二つのお風呂があって、日替わりで男女が入れ替わります。最初に入ったのは、むささびの湯の方。露天風呂は景色を見るというよりは、周りの自然に溶け込んでいるという感じ。夕日を見ながらの入浴。行灯風の照明が置いてあったので、日が暮れてからも楽しめると思いつつ風呂を早めに切り上げる。 夕食は9人一緒の部屋で食べました。その間に今日何回目かの自己紹介。食事は精進料理っぽいのを期待していたので少し残念。胡麻豆腐がなかなかおいしい。お腹いっぱいになって部屋に戻る。 しばし休憩の後、二回目のお風呂へ。時間は9時半ごろだったかな、一人くらい入ってたと思う。露天風呂の方は貸切状態。微妙に明るさが変化する灯りが周りの自然と調和し幻想的な雰囲気を醸し出し、まるで平安時代にタイムスリップしたよう(というのは大げさですが)。なかなか湯船からあがれませんでした。 部屋に戻ると、ほーりさんと日の出さんは布団の中。他の三人も11時ごろ就寝。なかなか寝れないなぁ。そんなときに限って早く目が覚める。しかたないので5時過ぎから庭園を散歩。そうこうしているうちにお風呂から人が・・・。もしやお風呂がやっているのでは。あわてて風呂へ。予想どうり開いていた。昨日とは違い「かもしかの湯」へ。かもしかの湯ってどんなのだろうと思いつつ入ってみると・・・。湯船の真ん中にかもしかの像があるだけ・・・。とりあえず両方のお風呂に入れて満足。 おかげで蔵王堂での朝のお勤めは15分遅刻。小学校のときラジオ体操が終わるころ行って、スタンプだけもらってきたような感じ。朝は人が少なくじっくり見れてよかったです。 朝ごはんを食べ、法厳寺さん夫妻とあきこさんが合流。昼食時にわかったのですが、法厳寺さんとは以外にも共通点を発見。二日目は昨日降りてきた道を上り吉野水分神社へ。中が見れないのが残念。 その後、ひたすら山を下り、後醍醐天皇陵や楠木正成親子ゆかりの如意輪寺へ。ここの宝物殿には蔵王堂の蔵王権現のモデルになった、蔵王権現の木像があります。昼食の後、勝手神社と吉水神社へ。勝手神社は義経と別れた静御前が捕らえられ、舞を舞ったと言われている神社で、火事で消失したのがちょっと残念。吉水神社も義経ゆかりのお寺で義経はじめ弁慶、静御前の遺品が収められており、想像するだけでワクワクしてきます。大河ドラマ「義経」の影響もあり、秋ごろには混んでくるかもしれません。宮司の話はひしひしと伝わってくる感じがありました。 最後に金峰山寺蔵王堂へ。さすがに昼過ぎなので人がたくさんいました。何回みてもその迫力には圧倒されるものがあります。蔵王権現は仮の姿であり、釈迦如来、観音菩薩、弥勒菩薩を表し、過去、現在、未来にわたって私たちを見守ってくださる。険しい形相をしていますが、心は慈悲であふれており、本当にありがたみがわかるような気がします。今回のツアーに参加して本当によかったです。 (レポート:にゃんこさん) ■吉野散策 私は横浜に住んでいますので、新横浜から新幹線に乗車し、京都へ。途中でカズさんからメールをもらい、京都で下車した後、指定された待ち合わせ場所へ。そこにはすでにカズさんとほーりーさんがいました。お二人と挨拶をし、近鉄で吉野へ。途中でにゃんこさん、まりこさんと合流し、無事、吉野に到着。 吉野での昼食は、柿の葉寿司付きうどん定食を食べました。吉野の新緑を見ながら食べる柿の葉寿司はとてもおいしかったです。 1日目のツアーを終え、竹林院へ。部屋に入る前に大和三庭園の一つに数えられる庭園を見学しました。庭園は予想していたものより大きく、ひとつひとつがうまく調和しているように感じました。部屋に入った後は、1日の疲れを取る為にお風呂へ。お風呂は「むささびの湯」と「かもしかの湯」があり、朝と夜で男湯・女湯が入れ替わります。この日の男湯は露天風呂付きのむささびの湯で、十分に疲れを取ることができました。その おかげか、筋肉痛には全くならなかったです。 2日目は蔵王堂の朝のお勤めからスタート。朝のお勤めに参加するのは初めてなので少々緊張しながら参加していました。周りの方々が熱心に経文を唱えるのを見て、蔵王権現が多くの人々に現在に至るまで熱心に信仰されていることを強く感じました。 その後、竹林院に戻り、昨夜預けていたご朱印帳を受け取りました。吉野ツアーで初めてのご朱印です。また売店で絵葉書を購入しました。 竹林院をチェックアウトした後は、“宿坊散策会なのだから、竹林院以外の宿坊も見ましょう”ということで、桜本坊と喜蔵院を訪問。桜本坊では住職自ら案内してくれました。そしてそれぞれの場所でご朱印を頂きました。 次に昨日閉まっていて入れなかった吉野水分神社へ。昨日は本当にこの坂道を降りてきたのかと思うくらい、登りの道が長く感じました。秀吉は水分神社に祈願して秀頼を授かったという話があるそうです。ここでもご朱印を頂きました。 如意輪寺は後醍醐天皇の勅願寺であった為、南朝関連のものが目白押しです。宝物殿の金剛蔵王権現木像は必見です。ご朱印を頂き、絵葉書を購入しました。絵葉書の中には蔵王権現木像のものがありました。 昼食は、柿の葉寿司付きざるそば定食を注文。この日も柿の葉寿司はとてもおいしかったです。 昼食後、勝手神社へ。残念ながら本殿は平成十三年の放火で消失してしまってありません。再建には10億円かかるそうです。静御前が舞を舞ったと言われる由緒ある神社の本殿が今ないことはとても悲しいことです。勝手神社の御神体は放火の際、宮司の方が抱えて持ち出したそうで現在は吉水神社にあります。 吉水神社では宮司の方から直接お話を伺いました。宮司の方の人柄の良さを強く感じました。吉水神社は、義経が隠れ潜んだ場所であり、また秀吉が吉野に花見に来た時、滞在した場所です。義経潜居の間を見ていると、義経、静御前、弁慶の姿が自然と目に浮かんできます。吉水神社と勝手神社のご朱印を頂きました。 そしていよいよ金峯山寺へ。朝のお勤めの時とは違って、多くの観光客がいました。拝殿に上がり、秘仏金剛蔵王権現像を拝ませてもらう。蔵王権現像は怖い顔の中にもやさしい心が感じられ、参拝できて本当に良かったと思いました。ご朱印を頂き、絵葉書を買って蔵王堂から出ると、少し雨が降ってきました。まるで吉野の神様が散策会のメンバーとの別れを悲しんでいるようでした。 (レポート:日の出さん) ■吉野散策 宿坊散策会に入会させてもらって1ヵ月、こんな短期間の、しかもネット上でしか知らない方々とお会いするのは初めてだったので不安でしたが、本当に楽しい2日間で、そんな不安は取り越し苦労でした。みなさんに出会えてよかったな〜と思いました。カズさん幹事おつかれさまでした。おかげで何も心配することなく楽しい時間を過ごせました。あと、ガイドTさんラブ! ですね。 吉野の山道を歩いていると、しんどくて息も絶え絶えなのですが、いつの間にか無心になってました。日常生活のことが全く頭になくて、「いまここ」を感じるというのはこういうことなんだろうなーと思いました。そうすると感覚が敏感になってきて、草の匂いとか風の音とか、普段なら微かにしか感じられないようなものをよく感じられました。というか本来その感覚を持っているのに、普段の生活で鈍ってしまっていたんだなと思いました。ガイドのTさんがおっしゃっていた「吉野に来た人はエネルギーを満タンにして帰っていく」というのは、余計なものを落として本来の自分に戻るっていうことなのかなーと、個人的に思いました。 蔵王堂の権現様は、キレイな青色で、ずーっと眺めていたい気持ちになりました。真ん中が過去で、左右がそれぞれ未来・現在を表しています。過去が真ん中なのは、未来や現在のことをお祈りする前に、まず過去を懺悔してお許しをいただかないといけないからだそうです。権現様はすべてを受け入れて一切を許す恕(じょ)の心で、過去を受け入れて下さるということです。私も、障子で区切られた「発露の間」の中で、過去の悪行(!)を打ち明けました。 私はご朱印は集めていなかったのですが、今回の旅で朱印班の方々が嬉しそうにもらっているのを横目で見ていて、とうとう我慢できずに最後の蔵王堂で集印帖を購入しました。記念すべき最初のご朱印が蔵王堂で、しかも集印帖の表紙には蔵王堂の絵が彫ってあるなんて、と幸せをかみしめました。 クタクタになりながらも満たされて、さくらソフト(さわやかでおいしい)を食べながら帰途につきました。次は、桜の時期ももちろんですが、ぜひぜひ雪景色の吉野を訪れてみたいと思いました。 (レポート:ピラルクさん) ■吉野散策 カズさんも絶賛されていた私たちの先達、ガイドのTさんは、とてもパワフルで年齢に関係なく”若者”のおじさまで、とても素敵な方でした。何よりすごいと感じたのは、行く先々の説明だけでなくこちらの質問に対して的確に易しい言葉で答えてくださること、どんな角度からも任せて大丈夫ってかんじでしょうか。。。歴史に疎い私もお陰で勉強になりました。 吉野は反省したいこと・困ったことがあればここにきてください。とも言われてました。また、けがれとは「気が枯れる」すなわち気持ちをリフレッシュしてください。ともおっしゃっていました。すべてを赦して受け入れてくれるこの土地は、神々しい何か、、、自然の雄大さを感じずにはいられませんでした。 私のお気に入りは「水分神社」です。あの穏やかな空間と早朝も手伝ったのかもしれませんが、そこは靄がかかったような、時間の流れが止まってしまう感覚に陥りました。しばしぼ〜っとしていたいそんな気分です。また個人的にゆっくりと行ってみたいそんな場所のひとつです。 私のお気に入りのもう一つは、吉水神社の門をくぐった右手、「秀吉の”ひとめ千本”」です。春の桜の頃ならばどんな景色だろう、、その散り際はどんなだろうかと想像せずにはいられません。なんとも贅沢な場所ですね・・・ 今までの「吉野」のイメージは払拭しました。目をつむれば、今でも蔵王堂の大権現の厳めしい顔が焼き付いています。でも権現とは如来の仮の姿です。心の目で見ればいつもこちらに微笑みかけて下さっているような気もします。見守られていることを感じること。それはとても大切なことだと思っています。 そんな余韻覚めやらぬ今夜。。。すべてに感謝し、出会いに感謝したくなりました。 (レポート:めぐさん) ■吉野散策 めぐさんも書かれていましたが、ガイドTさんの言葉で一番印象に残ったのは、「けがれ」という言葉でした。 修験道では山野に分け入り、穢れを払う。でもその穢れとは一般に言われる汚れのことではなく、「気枯れ」=気が失われた状態を指すのだそうです。その気を満たすために山に入る。それが修験道だとおっしゃっていました。 吉野はまさに、そんな山です。修験の世界に足を踏み入れたわけではありませんが、桜の吉野はずいぶんと堪能してきた気がします。 西行庵では小さな庵から一人眺める西行の桜の世界を。吉水神社では四日間の雨に秀吉が待ちわびた一目千本の世界を。この山では谷の風に煽られた桜が空へと舞い落ちる、まさに花一色の景色が見られるのだそうです。6月なので本当に桜が咲いているわけではありませんが、連なる山に風景が容易に想像できるところが、吉野の良いところかなと思いました。 もちろん吉野は歴史の宝庫でもあり、この辺りの歴史には疎かった私も、ボランティアガイドのTさんの話によって、思う存分楽しむことができました。 噛みつかれた虻をトンボが食べていった雄略天皇の話から始まり、吉野から兵を挙げて壬申の乱を平定した天武天皇。三十回以上も吉野に足を運んだ持統天皇。 時代は下り、源義経と静御前が別れを告げたのも吉野ですし、後醍醐天皇が朝廷を開き、動乱の南北朝が幕を開けたのもここ吉野です。西行が庵を結び、芭蕉が訪れ、秀吉が五千人の供を連れて花見をするなど、歴史上の有名人も至る所で見受けられます。それをTさんのテンポの良い解説で、要所要所をしっかり押さえて歩くことが出来るので、こんなにもためになる旅行はなかなかありません。 さらに私の好きな建築も、重層入母屋造りの金峯山寺蔵王堂、春日造りの水分神社、日本最古の書院造りの吉水神社など、見所満載でした。特に水分神社は本殿・幣殿・拝殿をコの字型に並べた珍しい形で、三社を一棟につないだ本殿の、ちょっと斜めにすかしたアングルが素敵です。 忘れちゃいけないのは宿坊達。宿泊したのは竹林院。 もとは聖徳太子が建立したお寺と伝えられ、大和三庭園の一つに数えられる群芳園は千利休の改築です。庭園を歩くと吉野の山々を借景とした展望が心地よく、煙出しが印象的な竹林院の建物が間近に眺められるなど、伸びやかで清々しい庭園でした。 宿坊自体は豪奢な和風旅館ですが、ロビーになんと燕が巣を作り、しかも2日目の朝に私が一人で眺めていると、雛が一羽一羽と巣立っていき、なんかすごい場面に立ち会ってしまいました。 他にも東南院、喜蔵院、桜本坊と吉野の四宿坊を全て制覇! これだけでも大満足の旅です。特に桜本坊本尊の役行者は若い頃の修行時代を刻んだもので、トレードマークのヒゲもなく、穏やかな表情でした。 そしてメインの蔵王堂は、やはりご開帳されている金剛蔵王権現像が素晴らしかったです。7.3M,5.9M,6.1Mもある三体の憤怒の像は、その大きさに圧倒されます。この像達はお堂と同時に造られており、大きさ的に外に出ることもできないそうです。 まさに蔵王権現を祀るために造られた祈りの場。早朝には法螺貝の響く朝のお勤めに参列し、散策の締めとして再び訪れたときには「発露の間」で間近に権現像と対面しながら、お祈りさせていただきました。 ここで一つ事件発生。蔵王堂横の愛染堂には、いつもどこでも大人気の愛染明王がいました。縁結びや恋愛成就に御利益のある仏様で、お祈りしていた大和人さんが「願いを聞き届けたと言ってくれました」と言いながら満足げに立ち去っていくので、 (仏の声が聞こえるなんて、すごいな〜)と横目で思っておりました。 しかし私がお賽銭を投げると賽銭箱の口に付いている格子にお金が当たり、箱の外へと弾かれてしまいました。 仏の声、かなりはっきり聞こえたような気がします(泣) さらにそれを見ていたピラルクさんの一言。「ほーりーさんは、宿坊が恋人だから」 ……それは、フォローではありませぬ(ぴっぴさん風) とまあ、こんな感じで楽しい二日間はあっという間に過ぎ去りました。参加メンバーも総勢13人&ガイドTさんと、皆さんにぎやかで楽しい方ばかりで、初めての方もたくさんいたのに、すぐにうちとけてしまいました。 (レポート:ほーりー) ■吉野散策(初日) 金曜日の夜に横浜駅東口バスターミナルから、京都駅行きの夜行バスに乗車しました。 金曜の仕事が終わり、自宅に帰ってから突貫工事並みのスピードでの旅支度。きっと忘れ物があるだろうと思っていましたが、案の定めがねケースを忘れました。リュックの中にめがねをそのまま入れ、なるべく衝撃を与えないよう注意する、こんな感じで私の吉野への旅が始まりました。 夜行バスはこれまでに何度も乗車しているのですが、朝バスから降りるときに首が痛いというのが一番の欠点でした。無理な姿勢で眠るため、首に負担がかかり、なかなか眠れないこともしばしば。しかし今回の夜行バスから首に当てるエアークッションを導入したところ、これが想像以上の威力を発揮します。首にぴったりとフィットし、負担もほとんどなし。これまで寝付けなかったのがうそのように、ぐっすりと熟睡できました。おかげで18日の朝に京都に到着したときは体調も万全でした。 さて、6:30に京都駅に到着し、今日の初仕事は切符の購入。関東メンバーの予約済みの新幹線切符をみどりの窓口で購入し、近鉄の窓口では蔵王堂割引切符と特急券を購入いたしました。ほーりーさんと日の出さんと京都駅で待ち合わせをするのが9:30なので、ここで2時間半もの空き時間が発生。1時間かけて朝食を食べ、残りの1時間で京都駅および京都駅周辺をうろうろしていました。 9:30過ぎにほーりーさんと日の出さんと合流。3人は近鉄特急に乗車し、一路吉野へ向かいました。その後、大和八木で愛知からの参加のにゃんこさんと合流し、橿原神宮前で一足先に奈良入りしていたまりこさんと合流。この時点で5人。順調に合流できて、まずは一安心。今回のツアーの一番の難所は、いかにして合流するかにありました。 橿原神宮前から吉野へ向かうさくらライナーでは、吉野で合流するメンバーにメールの送信&受信の嵐。その甲斐あって? 吉野駅でピラルクさん、エフさん、めぐさん、大和人さんと無事合流。皆さん遅れることなく来ておられました。吉野は交通の便がよいとは言えず、ひとつの遅れが尾を引きかねないので、ここは皆さんに大変感謝いたしました。この時点で9人。ここまでの携帯メールの送受信などの結果、携帯の電池の残量が2/3に低下。ここで、携帯の充電器を忘れたことに気が付きました…。 予定通りにことが運び、次は吉野ケーブルに乗車します。概観は黄色と青の近鉄特急仕様。ケーブル利用者が多く、長蛇の列ができていたため、通常は30分に1回の運行のところが、ケーブル到着しだいに次々と出発していました。ここで東京の通勤ラッシュを思わせる乗車率の中、尋常ではない揺れに揺さぶられること約5分、周りの木々と接触しながら吉野山山頂駅到着した時には寿命がいくらか縮んでいました。 吉野山山頂駅に到着したのが11:30で、ボランティアガイドのTさんと合流するのは12:30の予定。しかし、Tさんはすでに駅の出口で我々を待っておられました。11:30に到着し、12:30まで昼食を取り、その後合流予定でしたが、もしかすると気を利かせていただいたのかもしれません。1週間前に御挨拶を兼ねてTさんに電話を差し上げた際、いろいろと臨機応変で対応する旨を頂いておりました。18日は奥千本を回る予定であり、我々を乗せたケーブルが到着したちょうどその時にバスが出発してしまっていました。それで吉野のガイドを効率よく進めるために、下千本の銅の鳥居の説明を急遽予定に入れ、18日のお昼からTさんオススメのお店で昼食を頂きました。 銅の鳥居が今回一番最初にガイドしていただいたスポットだったのですが、とにかく説明がわかりやすくて詳しかったです。今回のツアーを通じて、吉野の魅力を余すところなくガイドしていただきました。1人で回ったり、ガイドなしだったらこれほどまでに吉野を堪能することはできなかったと思います。ガイドは吉野の修験道、歴史、人物、神話、桜、建築、美術、すべてにわたっていました。話自体に連続性があり、皆さんもついついTさんの話に聞き入っていたと思います。言葉で説明するのは大変難しいですが、本当にすばらしいガイドでした。 さて、昼の食事は静亭というところ。勝手神社の前にある静御前から取ったと思われる食事処です。ツアーの目的のひとつに天ぷらそばを頂く目標もありましたが、誰も注文していませんでした・・・。その前に、ここが例の店かどうかも不明でした(隣の店では呼び込みをしていた)。ここで注文したのは柿の葉寿司。吉野の名物はなかなかおいしかったです。 ここで恒例の自己紹介。メンバー一人ひとり自己紹介をしていたのですが、Tさんが熱心にメモをしていたのが印象的でした。吉野のボランティアガイドに申し込みをする人の大半が、50代〜60代といった高齢の方がほとんどだそうで、我々みたいな若いメンバーをガイドするのは初めてだったそうです。なんだか、とってもうれしそうにも見えました。 昼食後、マイクロバスに乗車して奥千本へ向かいます。Tさんが飲み物を買っておいたほうがいいですよ、と勧めるため、一応念のためにお茶を購入。まさかあれほど歩くことになるとは思わず、お茶は必需品になりました。 吉野は尾根にそってできた町であり、そのため吉野の観光は半分がハイキングという内容でした。非常に幅の狭い道をマイクロバスに揺られること約30分、終点の奥千本で下車し、その後は徒歩、徒歩、徒歩です。 金峯神社、義経隠れ塔、苔清水、西行庵などのスポットがある奥千本はとにかく坂がきつい。ここまで足を運ぶ観光客もまばらでした。しかし、この奥千本の地がかつての吉野の中心地だったということをはじめて知り、ここを散策ルートに入れてよかったと感じました。皆さんばてばてでしたけど、感慨深く感じたのではないでしょうか。 6月という新緑の時期ではありましたが、西行庵近辺の奥千本は、桜の時期だけではなくて紅葉の時期も美しいそうです。足を棒にして歩くだけの価値はあります。吉野のこの狭いエリアの中だけで本当に見るべき箇所が凝縮されていました。ツアーの企画時は蔵王堂の特別拝観以外はオプションみたいなものと思っていましたが、それはとんでもない誤りでした。とにかく、吉野の奥深さを感じることができます。 奥千本を見終わった後は一気に下るだけです。と、ここで本日午後から合流のりっかさんから携帯メールが。しかしこの下り道、所々で圏外になってしまい・・・。しかもりっかさんの携帯番号を間違って登録していたらしく、電話したら「は? あんた誰?」といわれる始末・・・。めぐさんがりっかさんの携帯番号を知っていたから助かりました。 その後展望台から吉野の絶景を見渡しましたが、吉野水分神社は扉が閉まっていたために残念ながら拝観できず。このため翌日最初に訪問することになりました。吉野水分神社から竹林院までは一気に下るのですが、翌朝この坂を上るのかと思うと・・・。ちゃんとした靴を履いて来ればよかったと本当に後悔しました。 暑さと足の疲れの中、ようやく竹林院に到着したとき、ここで無事にりっかさんに合流できました。チェックインをする前に竹林院の庭園を見学。 Tさん本日最後のガイドです。ここで土曜日のみ参加のエフさんが泣く泣く帰宅の途につきました。土曜日よりも日曜日のほうが見ごたえがあった分、非常に残念です。6月中にもう一度吉野に来るという決意、ぜひ果たしていただきたいものです。 さて、竹林院は吉野で一番由緒ある宿坊です。門構えや建物を見ても、すばらしい宿であることは一目瞭然でした。とりあえずお風呂に入り、その後おいしい夕食をいただいたあと、翌日の朝のお勤めに備えるために23:00頃には寝ていたかと思います。朝のお勤めのために6:00に起きるために目覚ましをセット。私の場合、いつもの就寝時間が3時間ほどシフトしておりました。 が、しかし、部屋には虫が。いろいろなところを刺されたらしく、起きたときは腕がかゆかったです。この原因はおそらく私が作ったものもあるのでしょう。タバコを吸うために窓を開けたときに虫が入ってきた可能性を否定できず。網戸がないのも不思議に思いました。しかも、なぜか携帯のアラームを4:00にセットしていたらしく、皆様には大迷惑をおかけいたしました。猛烈に反省しております。おかげで4時から先は、時々自然と目が覚めてしまいました。でも、なんであんな時間に携帯のアラームがなったのだろう。寝る前にセットしていない。ということは、毎日4時にアラームが鳴っていたのか・・・。 ■吉野散策(2日目) 19日朝6:00、蔵王堂の朝のお勤めに参加するために起床。朝のお勤めは起きた人だけが参加することになっていましたが、結局全員参加することになりました。早朝の吉野は人もほとんど歩いておらず、さわやかな朝でした。少し雲がかかっていたものの、雨の心配もなさそうで一安心。6:30の開始と同時に、蔵王堂本堂に滑り込みました。 この時間の蔵王堂は人も少なく、荘厳な雰囲気が漂っております。前日に奥千本からみた蔵王堂の大きな屋根を間近で見ましたが、やはり大きくて立派な建物です。そんななか、ぞろぞろと宿坊研究会御一行は着席。皆さんが奥のほうに座っていましたが、場所がなさそうだったので私とめぐさんは入り口近くに着席。すると、めぐさんの隣に座っていたスタッフの方が、お経を2冊持ってきてくださいました。おかげでお経を声に出して唱えることができ、いい経験になったと思います。 蔵王堂でゆっくりしてもよかったのですが、今日の散策は8:30前より開始予定のため、急いで竹林院に戻ります。法厳寺夫妻とあきこさんが吉野に8時頃到着予定であるため、携帯で連絡のやり取り。実は、竹林院の食事をとった場所と廊下は電波が完全に入らない場所でした。 そのため、猛スピードで朝食を済ませ、二人に電話。法厳寺さんにはあきこさんを車で迎えに行っていただき、無事に皆さん合流することができました。法厳寺さん本当にありがとうございました。感謝しています。 ボランティアガイドのTさんも8:30前には竹林に到着しておられ、二日分のガイド料をお支払いします。が、今回の幹事の最大の失敗が発覚しました。ガイド料が1人\1,000だと思っていたのですが、ボランティアガイド1人につき\1,000の間違いでした。ですので、結局ガイド料は全部で\2,000で事足りてしまい・・・。前日に徴収したガイド料を皆さんにバックするという失態をさらしてしまいました。ちなみに、エフさんからも\1,000徴収したのですが、もはや返すこともできず。いつかまた企画でお会いした際にお返しいたします。 とにかく、総勢12名となった宿坊研究会のメンバー。これだけの大所帯での散策は、なかなかないかもしれませんね。いつも一人旅が多かったため、大人数もいいものだと感じました。 日曜日の散策プランは、土曜日に参拝できなかった吉野水分神社からスタートでした。 が、ガイドのTさんの勧めで、最初に東南院と喜蔵院を回ることにしました。皆さんは「宿坊研究会」なのだから、ここは必ず行かないとね〜とおっしゃっていましたし。 実は、Tさんから宿坊研究会とは? ということを訪ねられていました。かくかくしかじかとお答えすると、非常に興味をもたれたようで。土曜日の夜に宿坊研究会のホームページもごらんになられておりました。ほーりーさんのことを褒めちぎっていましたね。 今回朱印帳を持参したのですが、御朱印を頂いたのは日曜日のみ。意外にも? 吉野ツアー参加者には朱印班はあまりいませんでした。 その後、昨日ひたすら下った坂道をひたすら上り、息も絶え絶え展望台へ到着。日曜日は土曜日よりも視界がよかったですが、やっぱり少し曇っていました。もし晴れていたら、この光景はもっとすばらしかったに違いありません。土曜日に見た犬も元気そうでした。 展望台を後にして、「ちょっとほっとコーヒー」を横目で見つつ、へろへろになりながらも水分神社に到着。ここは蔵王堂と同じくらい感動した神社でした。建物の古さといい、神主と僧侶が同じ場所にいたことといい、興味が尽きることがありません。世界遺産にふさわしい場所です。 さて、水分神社のあとは如意輪寺に向かいますが、Tさんがショートカットのルートを案内したため、我々は遠回りすることなく最短距離で如意輪寺へとたどり着きました。しかし、この道は畑作業用の道のようであり、草もぼうぼう。道幅も狭く、虫もたくさんいました。この道の手入れまではなかなか手が回らないのだそうです。限られた人数で吉野の維持をしているということも、Tさんがおっしゃっていました。 ただ、Tさん歩くのが早い早い。「この道滑りますよ〜」といいながら、歩くスピードは全然落ちてないし…。如意輪寺につくと、そこには竹林院のマイクロバスが停まっていました。 如意輪寺では、その近くにある後醍醐天皇陵から見学しました。天皇陵は一般的に南向き(天子南面)であるらしいのですが、この後醍醐天皇陵は北向きになっています。これは京都の方向を意識したものらしく、大変珍しいのだとか。その次は如意輪寺の宝物殿。蔵王堂の蔵王権現のモデルとなった蔵王権現が安置されています。規模的には全然小さいのですが、午後のハイライトの蔵王堂の前段階として、イメージを養うことができました。また、天井にあった壁画はあまり感動を覚えることはできませんでした・・・。 如意輪寺を後にして、またしてもきっつい坂を上り、昼食。前日の静亭の隣にある西澤屋というお店です。昼食後は勝手神社。数年前に火災に遭ったため、一見したところ何もないような印象を受けます。しかし、この狭い境内で静御前の舞など、さまざまなドラマがあったことの説明を受けました。こういう説明を受けると、自分の中でもイメージがわいてくるような気がします。 大日寺は時間の都合上でパスし、吉水神社へ向かいました。ここから見る桜は「一目千本」といわれるほど美しいのだそうです。桜の季節に運がよければ、谷底から吹き上げてくる桜の花びらを見ることができます。この吉水神社、神主さんがじきじきに熱のこもった説明をされていました。さらに、神社内は重要文化財がごろごろしているのに写真OK。とても珍しい神社です。また、日本家屋の原形をとどめている建築物でもあり、この吉水神社もまた奥が深い場所でありました。ガイドブックを見ただけでは絶対にわかりません。 そして最後が今回のツアーのメインである金峯山寺蔵王堂です。早朝にお勤めで来ているにもかかわらず、やっぱり圧倒されるものがありました。ヒョウさんのときみたいにそれほど混雑していなかったです。 最初に境内の山門がない話、愛染明王、蔵王堂の建築の話し、などなどの説明を受け、一向はいざ蔵王堂に入ります。住職さんがマイクを片手に説明をしているのですが、これがまた聞き取りにくい。蔵王権現を見るために、座ったまま前へ前へ、とにかく必死に移動。朝とは違い、ライトアップされていたために色の鮮やかさも目立っていました。 私は発露の間には行かなかったのですが、行っておけばよかったかなぁ〜とちょっと後悔しています。蔵王権現を見て、いろいろなことが脳裏をよぎりました。周囲はざわついていましたが、結構無心で眺めていたと思います。蔵王堂が今回のツアーの最後であるということで、無事に企画が終了したことを感謝したりしました。あとは何事もなく横浜に帰れますように、ということもお祈りしたのですが、めぐさんの帽子紛失事件が発生! ・・・企画にはいろいろなドラマがつき物です。 もともと個人で行こうと思っていた吉野ですが、企画にして本当によかったと思っています。たくさんの人にめぐり合えたし、吉野が歴史の宝庫であることも実感することができました。皆さんのレポートの中にも英気を養うとかのコメントがありましたが、何かしらの不思議な力とかもみなぎった感じもいたします。それが何なのかはわかりませんが、言葉では言い表せないもの、形としては見えないもの、そんなものだと思います。 (レポート:カズさん) ■吉野散策(初日) あべの橋から特急で吉野へ。以前下市口に勤めていたので、車窓に懐かしさがこみ上げてくる。前任校での生徒たちとの思い出に浸るうちに大和上市で吉野川を渡り、吉野駅着。幹事・カズさんから携帯に連絡が入り、無事待ち合わせ完了。 ボランティアガイドのTさんと待ち合わせをし、まずは食事。その後バスで奥千本へ。バス停前の急坂を登って吉水神社を参拝。拝殿の奥に本殿があるが、鳥居の前からは見えず。急な坂道に汗をかきながらなおも進み、西行庵に着く。金峯山寺の僧侶が作った西行法師の木像もさることながら、こんな山奥に結んだ庵の小ささに驚く。十数年前に一度訪ねているが、あの時はさくらとつつじを愛でるのが精一杯だった。そのあと、義経が頼朝の追っ手から身を隠したとされる塔も見る。大河ドラマでブームになっていることを差し引いても、ここに身を隠さざるを得なかった彼の立場を考えざるを得なかった。 ハイキングコースをひたすら歩き、苔清水でのどをうるおす。奈良県指定の名水という看板がかかっていたが、こんなんあったんや〜と驚く。水はおいしかった。リフレッシュ後はひたすら歩く。そして吉野水分(みくまり)神社へ立ち寄ろうとしたが閉門。仕方なく「花矢倉展望台」へ。ここからの吉野の風景はすばらしい。みんな写真を撮る。 かなり疲れた一行は竹林院群芳園へ向かう。入り口の旅館風の建物に「えっ?」と目を疑ったが、入って行くうちに皇族も泊まる由緒ある宿であることが分かる。庭園の中にはさくら・つばきを中心にさまざまな花が植えられ、庭園の中から見る蔵王堂は壮大さを感じさせる。与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑なども見てからチェックイン。ここでりっかさんが合流し、エフさんが後ろ髪を引かれながらも仕事のために帰る。泊まるメンバーはまず風呂。 夕食は精進料理…ではなく会席料理。少しアルコールが入り、ハンドルネーム+本名で自己紹介。ここでやっと誰が誰かが分かる。夏の吉野の宿らしく、鮎の塩焼きがおいしかった。車窓の上市橋で鮎釣りをしている人を見かけたが、吉野の鮎? 夕食後、めいめいの時間を過ごして11時〜12時ぐらいに就寝。 ■吉野散策(2日目) 全員が6時ぐらいまでに起きることができたので、蔵王堂の早朝のお勤めに参加。朝の涼しい空気をついて、ぶらぶらと蔵王堂へ向かう。観光客のいない吉野、宗教都市の姿がそこにはあった。 メンバーが着くとお勤めが始まるところで、導師が経文を読むのに合わせ、講の方々も一斉に経文を唱える。太鼓やほら貝も打ち鳴らされ、厳粛さに独特な雰囲気が加わって圧倒される。修験道の寺院の勤行はどこもこんな感じですか? 般若心経を上げようと思うが、独特のリズムでの読み上げと太鼓のリズムに狂わされそうになり、断念。 朝食は和朝食。コーヒーゼリーは葛寄せではなかったので残念。おなかを満たしたところで、法厳寺さんご夫妻とあきこさんが合流。メンバーは桜本坊(サクラモトフィールド)の「ひげなしの役行者(えんのぎょうじゃ)像」を参拝し、喜蔵院では護摩木を焚くためのやぐらを見学。その後、1日目の夕方に下った坂道をひたすら登り、吉野水分神社へ。「ミニ春日大社」のような趣だが、お札をさずけるおばあさん、本堂などを回廊にみたてて囲むかのような庭の配置、すすけてしまった三十六歌仙の肖像画、僧兵の強訴に使われたみこし。小さいながらも吉野の歴史がぎゅっとつまった魅力的なスポットでした。 ハイキングコースをひたすら下り、中千本の如意輪寺へ。ここの宝物殿に安置されている蔵王権現は、小さいながらも怒気を帯びた顔立ちに仏像そのものがかもし出すオーラを感じる。横たわって拝む仏画の表情は柔和だが、結構怖いものを感じたのは私だけ? 楠木正成が四条畷(大阪府)での合戦で挙兵するときに過去帳に名を記し、まげを落としたというガイドTさんの話に、その決意のほどをうかがい知る。その後、後醍醐天皇御陵を参拝。天皇陵には珍しく、北を向いて配置されているとの説明があった。京への思いがそうさせたようである。 坂道を登り、中千本へ。昼食後に勝手神社を参拝するが、以前放火の被害に遭い、本殿はなく静御前が舞ったとされる石碑が立つだけの神社だった。その後、義経ゆかりの場所を大々的にアピールしている吉水神社へ。ここから見る「ひとめ千本桜」は春のさくらの時期はかなり美しい景色が広がるのだろうが、この時期の新緑の山々も草萌ゆる山の景色で美しい。 吉水神社では神官の方の「勝ち組・負け組についての情熱的な話」をうかがった後、国宝級の宝物を撮影しまくる。なんてったって神官の方が許可したんだから…。狩野派の大和絵は見ごたえがあり、これを写真に収められるのはうれしいこと。いい教材が手に入ったとうれしくなる。あと、この神社には「犬用ペット守」というお守りが売られている。どう使うかは買った方のレポートをお待ちください。私は桜のお守りと勝手神社のお守りを購入。 今回のメイン、金峯山寺蔵王堂へ。熊野方面からの修験者を迎える入り口から境内に入り、そしていよいよ秘仏とされている蔵王権現と出会う。朝のお勤めのときとは異なって、観光客であふれかえっていた。なんとか拝殿に上がり、蔵王権現他2体(千手観音、弥勒菩薩)を拝む。怒気に満ちた表情の3体の仏像は、今月いっぱいで公開が終わる。めったと見られない貴重な機会、少しでも前で見るべく御法話もそぞろであったが、修験道場としての金峯山寺の話だったように思う。ガイドTさんの案内で蔵王堂安置の仏像の説明を伺ったあと、特別に発露の間で蔵王権現を参拝する。1か月前に突然死した生徒のことを自分なりに供養するために祈りをささげる。 参拝後、南朝の離宮跡を階段の上から眺め、仁王門で解散。 (レポート:大和人さん) ■吉野散策(初日) 私は夜行バスで一足先に奈良入りし、開門直後の大仏殿に行きました。早朝の東大寺は、以前に夜行で奈良に来た際に時間潰しがてら行って以来、 お気に入りの場所です。宣言通り、柱の穴くぐりにも挑戦しました! 家族連れがいたので、その人たちがいなくなってからこっそりと。結果は・・・・・。肩で詰まりました。 穴が横に長ければなあ。でも、数年前にほーりーさんが通れたということなので、今度は詰まった時用の助っ人も引き連れてリベンジです! 大仏のあとは、ふと不空絹索観音像に会いたくなって、三月堂へ。まだ8時だというのにかなり暑くて、上に着く頃には上着が邪魔でした。三月堂は狭いながらもたくさんの仏像があり、かなり濃密な空間に感じれられます。そんな場所を独り占め。誰もいなかったので、マイライトを試してみましたが、残念ながらペンライトではあまり効力を発揮できず・・・。 そうこうしているうちにどこからともなく笙の音が聞こえてきました。どこから音が聞こえるのか辿ると、隣の二月堂で朝のお勤めをやっている最中でした。二月堂はあまり中の様子を伺うことができなかったのですが、辺りに響く笙の音と奈良の景色に坂道の疲れが吹き飛びました。 待ち合わせ時間までまだ時間があったので、奈良町まで足を延ばしました。今西清兵衛商店というお店が目的です。どんな店かというと、「春鹿」というお酒を造っているところです。お酒解禁になって以来、旅先で地酒を買ってくるのですが、やはり清酒発祥の地奈良は外せないだろうと密かに思っておりました。利き酒をして、気に入ったお酒の小さいのを2本お買い上げ〜。 心配だった橿原神宮での合流も無事に済み、一路吉野へ。吉野では大阪方面の参加者との対面も果たし、続々と参加者が集まる様は、まるで小川が集まり大きな流れとなるかのようでした。 懸案事項だった昼食ですが、みなさん通るお店のメニューを横目でチェックしてました。天ぷらそばがあるかないか。え? そんなことをしてたのは私だけ? 結局お昼に食べたのは吉野名物柿の葉ずし。今の時期の柿の葉は青く柔らかく、いい匂いがしました。 吉野は2度目でしたが、前回訪れなかった場所をたくさん案内していただきました。特に西行庵は一人では絶対にたどり着けないのではないかと思います。ガイドのTさんはあちこちで解説をしてくださりましたが、意外と吉野と東大寺には接点があるのだなと思いました。蔵王堂の銅門や金峯神社、吉野三郎の鐘など興味深いものばかりでした。 花矢倉からの景色は、残念ながら葛城の山までは見ることはできませんでしたが、霞の中に浮かぶ蔵王堂は幻想的でした。春に山桜の中に見える蔵王堂が見えたような気がしました。 竹林院は吉野の宿坊の中で最も格式の高い宿坊ですが、宿坊というよりも旅館という感じがしました。お料理も精進料理ではありませんでしたが、おいしくいただきました。 夜は同じ部屋の方と少しお話をしましたが、めぐさんとりっかさんの高野山のお話を聞き、高野山に行きたい気持ちも募りました。 ■吉野散策(2日目) 2日目は、蔵王堂のお勤めから始まりました。お経のほかに、法螺貝と太鼓もあり活気のあるものでした。法螺貝が音の高さを変えられるとは思っていませんでした。 お勤め後、蔵王権現を拝む機会があり、お顔は確かに憤怒の表情ですが、怖いとは感じられませんでした。蔵王堂の柱には大きな梨や躑躅、杉が使われていますが、これを見て自分の小ささを思い知らされます。 朝食後は昨日閉まっていた水分神社へ。坂道を登るのはかなり大変でしたが、水分神社は小さいながらも神さびた場所でした。その後は山道を通って如意輪寺へ。足元が不安定な道で、滑らないかハラハラしました。茨が道を塞いでいる箇所もあったのですが、前を歩いていたにゃんこさんと大和人さんが抑えていてくださいました。にゃんこさん、大和人さん、その節はありがとうございました。 ガイドのTさんが「吉野はけがれた身を清浄にする」というようなことを仰っていました。この「けがれ」は「穢れ」という意味とともに「気枯れ」という意味もあるそうです。枯れた気を吉野で満たして、日常生活へ戻ってくださいとおっしゃっていました。私が吉野へ来た目的は、蔵王権現を拝観する他に、英気を養うという目的もあっただけに、このTさんのお話は印象的でした。帰ってきて確かに体は疲れているのに、心は元気でした。横浜駅で階段駆け上ることもできました。 (レポート:まりこさん) ■合流 10日朝からの合流で、指定された合流場所は水分神社だったんですが、この水分神社、地図を見たらものすごい奥まったところにあって、「これは蔵王堂まで合流は不可能や〜」と半ば飽きらめつつ吉野駅からカズさんに携帯をいれると、なんと法厳寺さんに頼んでくれて、車で迎えにきてくれることに! (カズさん、法厳寺さんありがとうございまいした)法厳寺さんのダイナミックな運転に感動しながら、無事竹林院に到着し、皆さんと合流できました。 ■桜本坊 ここの役行者像が吉野一すばらしいということで、参拝することに。中におられた役行者は髭がなく若い時の等身大の像とのこと、例のごとく口を半開きにされていて、今にも何か語りかけてくれそうで、人間味あふれている感じがしました。そうそう、役行者像もすばらしかったんですが、ここの宮司さんも俳優さんのような素敵な方なので、行かれた方は必見ですよねぇ、めぐさん☆ ■吉野水分神社 大きな鳥居をくぐると、そこにはこぢんまりとした別世界が。3社が連なった本堂や中庭のざっくばらんな花の植え方が、吉野の自然と妙にマッチしていてのどかな雰囲気です。受付の日向ぼっこをしているようなおばあさんもいい感じ。 ■行者気分でハイキング 吉野は一つ一つの神社やお寺までの距離がかなりあり、その間は行者のようなスピード? で早歩きハイキング。1日500mくらいしか歩かない生活を送っている私には、かなりきついかった〜。途中からひざが笑い出して、ガクガクになりつつもかろうじてついて行きました。行者の道ははるか遠く険しいものです・・・ ■天井の仏画 如意輪寺の宝物殿の天井に、歴史が全くなさそうな巨大な仏様が描かれていました。その真下に木造のリクライニングチェアみたいなのが置かれていて、寝ながら見られるようになっていました。面白そうなのでやってみると、あら不思議、寝転ぶと身体がリラックスできて、ただ単に見上げるのとはまた違った趣が。皆さんのおうちの天井にインテリアとして、いかがでしょうか? ■勝手神社 ここには静御前が大峰さんに逃れた義経をしのんで舞ったという舞塚があります。塚はとっても地味で、ガイドさんの説明がなかったらきっと見落としていたことでしょう。本殿は残念ながら焼失してありませんが、約一世紀前に思いを馳せてみると、しみじみとした気分になります。 ■吉水神社 ここの役行者像も迫力満点です。特に使われている石の種類のせいかもしれませんが、瞳がギラギラと輝いていて目を合わせると思わず吸い込まれそうな感じになりました。みんな陳列を歩きながら見て回っていましたが、この像の前ではほとんどの人がその存在感に圧倒されて、ちゃんと正座して拝んでいきます。 ■蔵王堂 いよいよ吉野ツアーの終着点でもある蔵王堂へ。6月末までの開帳ということもあり、本堂はかなりの人でしたが、粘って粘ってなんとか一番前まで辿り着くことができ、無事に金剛蔵王権現像のお顔と対面することができました。 鮮やかな青色と華麗な装飾がとても印象的で、その日吉野で見た他の仏像とはまた違う迫力と華麗さが備わっておりました。この金剛蔵王権現像をじかに一目見たいと思ってかなわなかった多くの行者さんを想って、なんて贅沢なんだ〜とちょっと優越感に浸りながら、しっかり拝んで大満足の蔵王堂&吉野ツアーでした。 (レポート:あきこさん) ■吉野散策 蔵王堂での朝勤行で、私は修験系のお寺自体初めて行かせて頂いたんですが、普段慣れている勤行とは全く異なり、お経等も違い、すごく新鮮でした。残念ながら土曜は日中は行動を共にはできませんでしたが、宿泊して朝勤行にも行けて良かったと思います。午後に訪れた際にも、めぐさんや、初めてお逢いした法厳寺さんと般若心経をお称えさせて貰ったり、朝勤行に参加出来たのも、権現様に招かれたのかな…と思いました。すごく有意義な週末でした。 (レポート:りっかさん) ■吉野散策 19日朝、外が明るくなっている事に気がつき急いで起きると4時。「え〜4時に出るつもりだったのに」ぶつぶつ言いながら準備をして、40後に出発! 朝のドライブは気持ちがよい、気候も丁度いいし(^0^) でも少しあせりを感じながら、スピードアップ。6時に奈良入り、このペースだと7時すぎには着くなあと思いつつ、またスピードアップ! そして吉野に到着。 くねくねした道を登って、わくわくがピークに達した頃、だんながナビを見て「あれ、間違ってる」・・・っなんだよぅ、いつ間違えたんだよぅ〜。どうやら吉野神社の方に行ってたみたいです。しかもカズさんからの連絡に気づかず。はしゃぎすぎていました。車をUターンさせ、金峰山寺の方へ。ここで気がついたのですが、金峰山寺の看板は一つあっただけ。世界遺産なんだからもう少し立てようよ〜(だから迷ったんだ)。なんて言い訳をして、その後も道を間違える。 やっとの事で道を正し、細い山道を登る。そこには一面の紫陽花が咲いていました。すご〜い綺麗、とってもいい時期に来てよかった。途中、七廻りという看板を発見! 七廻りというのは当寺の坂にもあります。たぶんココから取ったんだなと思ってるうちに、目の前に大きな鳥居が出現。前の日にパパから、東大寺の仏像と同じ銅で出来ている古い鳥居があると聞いていたので、たぶんこれかな? 道が狭いので車を止める事が出来なかったので、そのまま過ぎる。そしてついに金峰山寺の門が見えました。そこらへんの小坊主さんに駐車場を聞いて、寄ってみようという事になりました。カズさん達がまだ朝御飯中だったので、勤行する事にしたのです。 早朝なので人も少なく、目の前にあるその本堂はなんとも言えぬ存在感。静かな空気の中で、だんなが錫杖を振り、その音が本堂内に響く感じは時が戻ったみたいでした。この時は、九条錫杖と般若心経を唱え、最後に今回の散策の祈願をしました。ちょうど終わった時にカズさんから電話がありました(なんというタイミング)。あきこさんが駅にいるという事で迎えにいきました。駅につくとあきこさんは手を振ってくれて、すぐわかりました(っていうか人はあまりいなかったのですが)。 そしていよいよ竹林院へ。みなさんとご挨拶して、さっそく散策開始! 最初は桜本坊だったかな?(わすれた) 兎に角、立派な役の行者さんに会えて感激しまくってると、Tさんは歩く歩くまた歩く・・・。獣道は好きだけど、舗装された道は大嫌い〜(><) 私が印象強かったのは、如意輪寺です。楠木正成親子の話も好きだけど、吉村寅太郎のほうに興味がいってしまってました。 その後、昼食でりっかさんと隣同士になり、色々お話させて頂きました。今回の散策で一番悩んだのが、喫煙者があまりいないという事、カズさんしか吸わないと思ってて、隣のりっかさんが喫煙者でホッとしました。最近は肩身狭いです。昼食が終わった後、目の前にある神社でお話を聞きました。再建に数億かかるとか。うちは7億かかるそうですが、にゃんこさん建ててくれません?(ボランティアで(笑)) その後吉水神社に行き、いよいよ金峰山寺へ。 やっぱりその存在感はすごいです。気になったのが観音様の前に護摩壇があった事です(誰か知っている人教えてください)。そして蔵王権現様にご対面、ホレボレしていると後ろの方から女の行者さんがなにかブツブツ言ってる、しかも聞き覚えのある声だと思ったら、聖護院の行者さん達でした。篠懸着てても中身は関西のおばちゃんって感じがしました。う〜ん恐るべし。 なんといっても、少しずつ前に歩みより蔵王権現様の姿が見えてくるっというか、蔵王権現様が動いて近づいて来てるみたいでした。またいつか会いにきますと誓い、今回の散策は終了です。 (レポート:法厳寺さん) ■関連リンク 竹林院 |
|