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第106回 「深川不動写仏」散策会(08/11/30)コース:薬師寺東京別院(秋の特別宝物公開)〜昼食 門前茶屋〜深川不動(写仏)参加者:美山さん(幹事)、葉月さん、ゆきみどさん、sanさん、ぐりぐりさん、ゆかさん、mayaさん、あねこさん、ほーりー ■薬師寺不動明王像拝観・深川不動写仏 ○薬師寺東京別院 アクセスはJR五反田駅東口より徒歩8分程。秋の特別宝物公開「秘佛 不動明王像特別開扉〜平安時代から江戸時代にかけて〜」を拝観しました。まずは11時からの法話を拝聴。私は「自分の命に対する覚悟を決める。決めたら動く。行動しなければ何もならない。それが勤行」といったお話がとても印象的でした。 法話の後、不動明王像のそばまで行き拝観。ただし最終日だったためか、人出もかなり多く、じっくり、とはいきませんでした。 拝観料には詳しい解説付きカラー図録と呈茶が含まれていました。お不動様はポーズなど約束事はあれど、時代によって表現は実に様々。個人的に桃山時代の絵画、不動明王二童子像が良かったです。色も鮮やかで、迦楼羅焔光の迫力と二童子のユーモラスな愛らしさにくぎ付けでした。 今回の展示は薬師寺から送られてきた案内で知りました。こちらでお写経をすると、お写経結縁者ということで案内状を送っていただけるようです。 ○門前仲町に移動 JR山の手線で新橋→銀座線に乗り換え、日本橋→東西線で門前仲町、というルートでした。昼食は駅前の門前茶屋。深川あさり蒸籠飯をいただきました。深川めしの改良版です。 店内ではなぜか鬼平犯科帳のテーマ曲がリフレインされていました。江戸情緒!? ちなみに日本五大銘飯というのがありまして、江戸の深川めしはこの一つ。他、「忠七めし(埼玉)」「かやくめし(大阪)」「さよりめし(岐阜)」「うずめめし(島根)」 ○深川不動−成田山東京別院(拝観料無料、写経・写仏2,000円) 本堂拝観後、内殿へ。写経道場はここの2階にありました。内殿は・・・独特の空間・・・当世風仏教美術に触れたい方はぜひどうぞ(^^; かすかに流れる音楽(?)に薄暗い空間。四国霊場八十八ヶ所巡りのコーナーは軽くトランスしそう。中島千波画伯の天井画および日本画数点と蓮の花のスケッチも見ることができます。 写仏は納経所で受付をしました。道場では用具がすべて整えられていて、筆は新品。墨汁もお坊様がそれぞれに注いでくださり、実は、後片付けも不要。自分で準備も片付けもやらないで良いというのはなんだか変な感じでした。道場の造りは、掘りごたつのようになっていて足が下にのばせます。ありがたや。 一連の作法を伺い、写仏開始。実は薬師寺での法話で写経のことがお話しにありました。だいたいやり始めの人は、「うまく書きたい、良く思われたい、上手といわれたい」等、外の評価にばかり頭がいってしまう。でも書いていくうちに、フッとなにも考えなく、ただ書いている瞬間があって、それが意識が自分に向かっているときです・・・というものでした。無心の瞬間・・・ で、やってみるとなんと雑念のうるさいことか(汗) 朝話を聞いただろーが、と自分にツッコミを入れながら、下を向き続けるが故の首の痛いのと戦いながら、よれよれの線に愕然としながら、自分との対話を続けたひと時でした。 描き終わったあとはものすごくエネルギーを消耗した感じが・・・。心が雑念に支配された瞬間、見事に線はぶざまに乱れました。文字を書く写経より、よりはっきり自己の心の状態を見ることができる気がします。 下絵をなぞるので、日ごろ絵を描かない人でも大丈夫です。そして、自分が実際描いてみると、いかに国宝級の絵画がすごい物なのか、が痛感できます。写仏、いかがでしょうか。道場の壁には、中島千波画伯や有名女子プロレスラーの方の写経が額装で掛けられていました。 その後、5時からの御護摩修行に参加。御護摩修行なるものに最初から参加したのは今回初めてでしたが、とても貴重な体験でした。 薄暗い本堂の中で燃え盛る炎、太鼓の迫力音、超リズミカルでスピーディーな般若心経・・・。でもせっかく手にした不動明王真言のしおりは開くことなく終わっていました。いつがタイミングだったのだろう?? 通常、9時・11時・13時・15時・17時と行われています。 18時近くになっていたので、場所を日本橋に移し茶話会。お不動様をはじめ色々な濃い話で盛り上がり、最後まで楽しい時間を過ごさせていただきました。 (レポート:美山さん) ■薬師寺不動明王像拝観・深川不動写仏 まずは、薬師寺東京別院へ。もちろんお目当ては「秋の宝物特別公開」の不動明王でしたが、拝観前に聞いた法話がとてもわかりやすく、印象に残りました。 静思(じょうし)、守拙(しゅせつ)、勤行(ごんぎょう)など、いくつかキーワードがありましたが、法話終了後すぐに「静思」せねばならない場面に遭遇。おかげで、パンフレットを買いすぎずにすみました(笑) 不動明王は、平安から室町、江戸と様々な時代の像が公開されていましたが、一番印象に残ったのは平安時代の坐像でした。背後の火炎に鳥の頭がついており、面白いなぁと思っていたのですが、もともと不動明王の炎は迦楼羅炎と言って、ガルダの吐く炎だということを今回初めて知りました。 こちらの御手洗には手拭き用にてぬぐいが掛けられていたのですが、薬師寺三重塔のてっぺんにある水煙をモチーフにした柄が入っており、「薬師寺」の名入りでとても素敵なもの。こちらで販売しているのかと思い、お寺の方に伺ってみたのですが、染物屋さんが薬師寺のために染めて納めてくれたものなのだそうで、売り物ではないそうです。残念。「でもたまになくなっているんですよね…」とおっしゃっていました。それも残念。 お昼は、門前仲町駅前で深川あさり蒸籠飯をいただきました。思った以上にあさりがやわらかく、上にかかった青海苔が利いていて、とても美味しかったです。 お腹も満たされ、いよいよ深川不動堂へ。本堂と、新しくて立派な内佛殿を拝観し、その後写仏初体験です。 はじめのうちは筆がなかなかうまく扱えず、太くなったり細くなったり、かすれたりと苦労しましたが、なんとかお顔はきれいに描けました。深川不動堂では、写経や写仏をするとスタンプカード式の会員証を作ってくれ、たくさんたまると表彰してくださるのだそう。こういうものがあると、なんとなくスタンプを貯めたくなってしまうのです。 写経が終わって、丁度5時からの御護摩修行に間に合ったので、みんなで参加しました。すでに外も暗くなっており、お堂の中の少ない照明とろうそくの灯りのみでとても良い雰囲気。 五大明王も、昼間に拝観した時とはちょっと印象が違い、凄味が増したというか凛とした感じがします。特に不動明王は、護摩が始まり炎が舞い上がると魂が入ったように見えました。 それにしても、深川不動堂の御護摩修行は迫力があってかっこいい! 法螺貝を吹きながらお坊さん達が現れ、三張の太鼓が連打合戦。そのリズムとお経が混ざり合って、ものすごいグルーヴを生み出していました。 不動明王三昧、いろんな体験ができてとても充実した一日でした。 (レポート:sanさん) ■薬師寺不動明王像拝観・深川不動写仏 11/30(土)10:40 五反田駅に集合し、薬師寺東京別院へ移動。運動不足には厳しい急坂を登り少し行くと、立派な建物が。東京別院、非常に近代的な建物です。入口で高田後胤先生の像に出迎えられ、中へと進みました。二階にあがり、とてもお話の上手なお坊さんの法話をききました。 いろいろ大切なお話をしていただきましたが、個人的に特に印象に残ったのは、「宿歓縁」=「宿っている縁を歓べ」という言葉。縁起は基本的な仏教の考え方ですし、その内容は本に書いてある程度ですが、少しは理解しているつもりです。しかし、お坊さんもおっしゃてましたが、いざこの「縁」を現実の生活で意識し、なおかつ「すべての縁を歓ぶ」という心をもつことは非常に難しいです。 自分にとって苦しいことでも、この与えられた縁をよろこばないといけない。言われていることはわかるのですが、実践がこの上なく難しいこともよくわかるので、おそらくこれは、一生かかるのではと。。。でも、せめて努力する気持ちだけでも持っていようと思います(逃げ腰です。。)。 また「縁」は古事記、日本書紀では「ことのはじめ」と読むそうです。だから縁は出会いの入り口に過ぎず、しっかりした心を持って「縁」という名の扉を開かないと、中から幸せは出てこない。この扉を開けるには「覚悟」が必要である。 お坊さんは人に相談事をされるとき、「最後は自分で覚悟するしかない」とおっしゃっているそうです。困っていれば話は全部聞いてあげるとのことですが、中途半端なアドバイスはその人を迷わせるだけだから、しないほうがいいともおっしゃってました。最後は自分で覚悟して答えを出すしかない。「覚悟」=吾の心を覚る ・・・・はぁ〜なるほど! という感じでした。 余談ですが、この「覚悟」の話は、先日来日したダライラマが講演後の質問コーナーで、これとおなじことをアドバイスされていらしたのを思い出しました(ちなみに質問者は、柔道の石井慧です)。 「人のアドバイスに耳を傾けるのも時には必要だが、仏教的に言えば状況を分析して最後は自分で決めるべき」みたいなことをおっしゃっていたと記憶してます。「あ〜、やっぱり同じ仏教なんだな〜。」と当たり前ですが、今回の法話を聴いていて感じたりしました。 法話が終わり、いよいよ秘仏拝観へ。いろいろいらした不動明王さまの中で、私は一番奥の小さい部屋にいらしたちんまりしたお不動さまの三尊像が印象に残りました。 コンパクトながら躍動感のある仏様で、憤怒の表情なのになぜか(小さいからか?)かわいくて、優しさを感じることができるような そんな空気感をまとった仏様でした。 * 門前仲町に移動し、おいしい深川蒸篭飯をいただきました。食後にいよいよ深川不動へ。まずはご本尊さまにお参りし中を拝観。本堂には不動明王を中心に左右に軍陀利明王、大威徳明王、降三世明王、金剛夜叉明王(金剛夜叉だけは供物の山でよくみえなかったけど、たぶんそうだったのでは)の5大明王が鎮座。 その後、内仏殿を拝観。見所はたくさんありましたが、個人的に「ツボ」だったのは四国霊場巡礼の小さいお部屋です。その部屋に入って出口から出るまでに八十八箇所めぐれてしまうというお得ならぬ、「お徳」なお部屋です。しかも、八十八箇所霊場のご本尊様の絵がこれまたなんともいえないサイケデリックな色彩で表現されて、妖しく光っております。一人でその部屋に閉じ込められたなら、トランス状態に入れるかもしれません。 しかし、そんなときでも「八十八体のご本尊」絵の下にある、「八十八個の賽銭箱!」が。ちゃんと現実へと引き戻してくれますのでご安心ください。さらにその下には、これまたチベットの横着読経システム「マニ車」のようなものがついており、仏様のお名前が書かれていたりします。まったくもって一部屋で二度おいしい状態です。もちろん、とりあえず全部まわしておきました。こんな小さい部屋で「どれだけ徳を積めるんだ!」と突っ込みたくなるようなステキなお部屋でした。 さて、いよいよ写仏です。今まで写経の経験はあり、写仏は初めてでした。私はお不動さまを描いたのですが、火炎や波など周りのパーツに関しては、「躍動感があっていいにちがいない!」とザクザク描きました。しかし、出来栄えを気にして描いている時点で、すでに表層に囚われているじゃないか! ・・・と描き終わってから気づきました。 終わってから気づくなんて全部台無しな気がしますが、スタンプカード? をもらったので、機会があれば今度こそ無心で描けるようにチャレンジしたいです。 写仏が無事終わった後、護摩祈祷の時間に間に合ったので、そちらにも参加。護摩壇のお坊さんの所作が見えるように、正面ではなく、少しナナメ気味の位置を確保。狙いどおり、印契や柄香炉を使っての所作、炎の中に積み上げれていく護摩木などがけっこう見えました。 しかし想定外だったのは、まん前にあった太鼓の音がすごかったこと。想像をはるかに超えた大音響でした・・・。おかげで片耳だけ、おかしくなって、帰宅してもしばらく治りませんでした。。。でもこの太鼓、めっちゃかっこよかったので良しとします。 全体的に非常に迫力があり、かっこいい護摩祈祷でした。また時間を見つけて行こうと思います(今度は座る場所に気をつけます)。 すべてが終了し、日本橋までもどり茶話会。みなさんが日頃からいろいろ散策されているお話をうかがい、大変楽しいひとときを過ごすことができました。 (レポート:あねこさん) ■薬師寺不動明王像拝観・深川不動写仏 今回は不動明王尽くしの一日でした。 まずは五反田の薬師寺東京別院。秘仏不動明王特別開扉が行われており、4躯の不動明王像と4幅の不動明王画が展示されていました。 中でもやっぱり目玉は平安時代の不動明王坐像。憤怒というよりは苦りを押さえた苦悶のような表情ですが、仏像の前にまでせり出している迦楼羅焔(かるらえん)光背が印象的です。内なる心を炎に込めたといったところでしょうか。ふつふつと、静かに問いかけてくるような仏様でした! その他は三尊形式の立像でしたが、怒りといってもやはりそれぞれ違う表情をしていて、そこが面白かったです。 また仏像拝観に先立って、薬師寺の大谷徹奘執事の法話がありました。 軽妙なテンポで笑いを織り交ぜながら、声の強さにはぐいぐいと引っ張られるようで、「他人の言葉を聞きながらも流されることなく覚悟を決める」というメッセージが胸に突き刺さりました! 一発でファンになっちゃいましたよ。 そして薬師寺東京別院を出ると、今度は門前仲町へ。深川不動ではご本尊がでろでろと光を発する(目がちかちかするくらい)四国霊場巡りなどを体験し、いよいよ写仏の始まりです。 写す仏様はもちろん不動明王! (大日如来も選べましたが、今日はやっぱりお不動様でしょう) 2階の専用室に通され、お坊さんの説明を聞きながら写仏の準備に入ります。 まずは三礼。真言を唱えて両膝を伏して五体投地。次に塗香を左手の薬指の付け根に乗せて、身体中に塗りこみます(「作法次第」によると、一番最初が塗香になっていましたが)。ちなみに薬指に乗せるのは、五行(地水火風空)の水に当たる指だからとのこと。水の力で身体を清めているのだそうです。 その後、開経偈や般若心経、不動明王真言を唱えます。そしていよいよ写仏。写仏は小筆と墨汁を使い、お手本の上に透かし紙を乗せてなぞる形式です。 写仏の注意点としては、白毫(仏様の額にある丸ぽち。実はものすごく長い毛。不動明王にはありません)や、目は最後に描くこととのこと。その他はなるべく外側から(不動明王だと火炎光背から)描いていく方が良いとのお話でした。 また線の入れ方などは、写仏の描き方のコツをまとめたシートがあり、そちらで見ることができます。鉄線描や琴弦線など、いろいろと線の描き方があるようですが、そこまで考えると大変そうなのでやめました。 とりあえず心の赴くままに、楽しみながらエイヤエイヤと。線が太くなったりかすれたり、なかなか上手くは描けませんでしたが、気持ちよく無心で写すことができました。 最後に願意や名前、日付を脇に書き入れます。法界定印を組んで呼吸を整え、部屋の前に安置されたお不動様の前に納めて終了です。 写仏が終わると、本堂で行われている護摩祈祷にも参列しました。実はここは私が東京では最もかっこいいと思っているお護摩で、昔『きもちいい! 仏教』という本の制作に参加したときにも、この護摩を特集させて頂いたほどです。 東京大空襲後の移築ですが、元は江戸時代末期に建てられた歴史ある本堂で、ほら貝を吹き、大太鼓をがんがん叩く光景は、まさにお寺のロックステージ! 胸に直接叩き込まれるような音の塊と、般若心経のボーカルに、思わず陶酔していきそうでした。 深川不動を出ると、もう外は真っ暗。最後の茶話会は断面とか廃自販機とかくらげとか、(私のいたテーブルは)恐ろしくマニアックな話のてんこ盛り。でも、楽しかったでーす。 (レポート:ほーりー) ■薬師寺不動明王像拝観・深川不動写仏 10時40分に五反田東口に集合しました。よく晴れ渡り、とても青空の綺麗な日でした。 歩いて7〜10分位で、薬師寺東京別院に着きました。11時からの法話で、奈良薬師寺からいらした僧侶の話を聞きました。もともと僧侶のお話を聞くのが好きですので、とても興味深くお話を聞くことが出来ました。 法話の後、不動明王をそばで拝見した後にお抹茶と干菓子を頂きました。電車で門前仲町に移動してお昼ご飯になりました。ご飯の後、深川不動尊に移動しました。 阿字橋を渡って内佛殿の参拝を始めます。十二支守り本尊、四国霊場、宝蔵大日堂を参拝しました。四国霊場は1つづつ回すマニ車に似た塔がありました。 参拝を済ました後、本日のメイン写仏の会場に移動をしました。僧侶に作法を聞いてから、写仏を始めました。写仏は不動明王でした。 まったく絵心の無い私。始めるまではドキドキしましたが、半紙の下に下絵があり、なぞる形だったので迷うこと無く写仏することが出来ました。ン十年ぶりの筆と墨、初めは筆を持つ手がプルプルしましたが、段々と慣れてきました。 納経して写経場をあとにしました。本堂で御護摩焚きを拝見しました。自分の持ち物(カバン)を護摩の火にかざしてもらいました。 日本橋で茶話をして解散になりました。 (レポート:ゆかさん) ■薬師寺不動明王像拝観・深川不動写仏 当日は雲一つない青空の元、集まりました。薬師寺東京別院は住宅街の中に馴染むように立っていました。宝物特別公開の最終日だったからなのか、大勢の人が拝観に来ていました。 法話は皆さんが書いているように、マイクを必要としない素晴らしい発声のもと、グイグイと引き込む話振りでありました。印象的なのは『静思』です。欲にかられて色々なものが欲しくなったら、まず自分の手の上にのせて目の高さまで上げて、考えて決めましょうという事でした。 その後に秘仏拝観です。触れるくらいまで寄れるのですが、大勢の方がいらしていたのでジックリ拝観する事は出来なかったのが残念です。印象的なのは不動明王坐像です。他のレポートにもありましたが、私も火炎が鳥の頭になっていた事が面白いと思いました。 昼食後に深川不動をお参りし、写仏を体験しました。東京別院で観たような躍動感のある迫力を再現する事はなく、ひたすら見本を上からなぞる事に終始致しました。でも写経とはまた違った面白みがありました。終了後は住所と名前の書いてあるポイントカードを頂きました。 その後、私的には今回の散策会で一番印象的だったとも言える、護摩祈祷に参列しました。日も暮れた本堂で、薄暗い中響き渡るお経と太鼓の大音量の迫力に魅入ってしまいました。クラクラする中、自分のカバンを差し出していました。 終わってから、昔読んだ帚木蓬生の受精という本を思い出していました。不動明王を前に護摩祈祷を受けている内に、マインド・コントロールに掛かるという件があるのですが、思わず納得してしまいました。 (レポート:葉月さん) ■薬師寺不動明王像拝観・深川不動写仏 初めて参拝した深川不動、歴史と護摩の煙で黒々とした本堂は重厚感たっぷり。威厳を放っていました。しかしお堂の脇から奥へ抜けると、突然真新しいぴかぴかな建物につながっていてびっくり。その冷暖房完備、エレベーター付き、じゅうたんが敷き詰められた至れり尽くせりの会館の一室が、写経場になっていました。 窓がなく暗めの照明で、両側の壁に沿って長机が取り付けられており、壁に向かって座って写経・写仏する配置になっています。部屋の一番奥にはお不動様の像がご鎮座。一人一人のスペースに蛍光灯と座布団が配置されていて、床は畳でなくじゅうたん、机の下は掘りごたつ式に脚を下ろせます。思っていた以上に現代風で、快適な設備です。すでに机には人数分の写仏一式セットが用意されていて、硯にも墨が入っていました。 若いお坊様に作法と描き方の説明を受けて、取り掛かりました。といってもすぐに描き始めるわけではなくて、塗香を手に付け、お不動像に向かって三拝し、般若心経を読んでから。色々儀式があるのですね。 下敷きの上にお手本となる不動明王の仏画を敷き、その上に半紙を重ねて文鎮を乗せて、下の絵を写し取ります。眼を最後に描く以外はどこから写してもいいそうです。 筆を持つのは中学生以来、持つ手がどうしても震えてしまいます。筆を真っ直ぐ持って上から描くのですが、震えがおさまらず、線がぐねぐね。鉛筆を持つように手を紙につけて描いてみても、やはりだめ。仕方ないので筆を持つ右の腕を左手で押さえて、なんとか震えないようにして描きました。変な描き方です。それでも思い通りに線をなぞれず、悪戦苦闘しました。 その様子が右上のイラストです(写仏にちなんで、この絵も筆で描いてみましたが、難しい・・・(-_-;)) が、なかなか上手く描けないためにかえって本気になってしまい、すっかり周囲のことも忘れて、夢中でかじりついてしまいました。描いている間はとても集中していたと思います。煩悩がよぎるというより、煩悩の固まり!? 他の事を考える余裕がないくらい、筆と格闘することだけに頭を使っていました。皆様も一言も話さず、ずっと真剣に写していました。 だいたい1時間半で完成。願い事と日付・名前を書いた時は、達成感ありました。その後座禅をして、般若心経を読むという手順の後、仏様の前に奉納して終了。出来上がった画はなぜか最初に描いた箇所と最後の箇所とで、筆遣いに違いが見られなかったです・・・。描きながら上達してなかったようです。 皆様描き終わり、やっと周囲に飾られた写経の額を見る余裕ができました。すると私達が来る前から写経をしていた男性の名前が、300回奉納記念の額のところにありました! 確かにその時も2枚書いていたようです。すごい方もいらっしゃるものです。 帰りに写経・写仏スタンプカードをいただきましたが、100までスタンプが押せるようになっていて、ここまで辿り着けない〜〜と思いました・・・。 (レポート:ぐりぐりさん) |
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