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第7回 「中宮寺菩薩半跏像特別公開&万満寺仁王の股くぐり」散策会 (05/03/27)

 コース:東京国立博物館(菩薩半跏像)〜万満寺(仁王股くぐり)
 参加者:ふっくんさん(幹事)、ほーりー、小夏さん、わくぼんさん

万満寺仁王股くぐり ■中宮寺菩薩半跏像特別公開

 当日は好天に恵まれた中、これまでのオフ会と同様に企画も、出逢いも、会話も、楽しめる「お得」感満載のものでした。

 つい先日まで開催されていた唐招提寺展で大物の仏像が大挙して国立博物館平成館を占拠したのとはがらりと変わって、中宮寺菩薩半跏像は、もうこれ一体! でもそれでも十分に見応えのあるところがさすがです。さながらフルコースディナーに対するシェフ自慢のア・ラ・カルトというところでしょうか。しかもその存在感は、決して大仰なものではなく、ひたすら穏やかで全てを受容してくれるような優しさに溢れていました。思惟像ということで、亀井勝一郎はロダンの「考える人」と対比していましたが、自分にとってはこの菩薩半跏像の方がより強いインパクトを与えてくれるような気がします。しかし、小夏さんの感性とそれを表現する巧みさにはいつもながら感心します。まだまだ生半可な知識にこだわっていてストレートに感じ取れていない自分を痛感します(^_^;)


■ランチ

 わくぼんさんとほーりーさんを待つ間、イタリアンのお店へ。食事は4人揃ってからということで、それまではお茶でも…しかし春の陽気と菩薩様の慈悲深い微笑に抱かれた二人がアルコールという選択をしたのはあまりにも自然なことだったかもしれません。要するに二人ともお酒好きだったというだけなんですが(^^ゞ でもまだこの後、股くぐりもありますので、自重(?)して2杯だけにしときました。やがてわくぼんさん、そしてこの日最終日のミュシャ展に行ってきたほーりさんと合流。お二人とは初対面にもかかわらず、既にアルコールを入れてしまっていて大変失礼いたしました(しかもあんまり反省してない)。簡単に自己紹介をしていてもいろいろ興味ある話が次々と湧いてきて、こういう時間もいつものことながら楽しいものですね。


■万満寺仁王の股くぐり

 食事の後はいよいよ、千葉県は馬橋に移動。万満寺へ至る途中の商店街には「仁王不動産」やら「総合おしゃれの店小澤」やら、何やらこれから待っている仁王様の股くぐりが只者ではないことを予感させる、怪しげなお店が勢揃いです。果たして訪れた万満寺での股くぐり、詳細はわくぼんさんのレポに!(手抜きだなぁ) でもホント、最初は「こんなとこくぐれるワケね〜だろ!」と思われるような狭い隙間にしか見えないですが、意外なことに通れちゃうんですね〜これが! 百聞は一見にしかず。是非お試し下さい。これは素朴ですが結構仲間同士で行くと楽しいかもしれませんよ。

 万満寺自体も地元の人達に愛されているということが偲ばれるお寺でした。国宝の中宮寺菩薩半跏像をア・ラ・カルトになぞらえたことからすれば、万満寺の股くぐりは地元商店街の豆大福って感じかもしれません。万満寺を後にしてまたぞろお茶でもと喫茶店へ。その時も一応アルコールの有無を確認する自分にちょっと反省m(__)m 今度は呑み会もやりましょう! という妙な、しかし大変そそられる企画も出る中、お開きとなりました。

(レポート:ふっくんさん)



■万満寺仁王の股くぐり

 ふっくんさんと小夏さんと合流したのは12時ちょっと過ぎ。中宮寺国宝菩薩半跏像を見てこられて、ちょっと一服? したところにおじゃましました。でもお茶ではなく「おちゃけ」のような‥‥。それも2杯目とか何とか‥‥。というわけで、すぐに飲み会の話が決まる(私は何処へ行っても宴会幹事やっております)でも、ほーりーさんから許可が下りたらの話であるが‥‥。

 ほーりーさんは1時半ころ(でしたっけ?←1時前には合流してましたよ(^^; byほーりー)登場。ず〜っと長居していたレストランでランチして、一路馬橋へ! 移動中、ほーりーさんと私の意外な関係!? が発覚?! とっても親近感がわきましたことよ(ほっほっほ)

 馬橋駅から徒歩ですぐの万満寺へ。で、仁王様の股くぐりに挑戦! 1回300円です。後ろからくぐるんですが‥‥ほんとに入れるのかしら? ってぐらいの狭さでした。でも肩が通るとすんなり〜そこでポーズ! と記念写真(ああバカづら)。後は腕力で滑り出るって感じで、無事に脱出しました。私が通れるのですから、だいたいの人は「すんなり」でしょう。

 それから本堂に上がり、3時からの護摩焚き参列しました。おおっと、その前に各々の十二支守り本尊にお線香を上げてお参り。ふっくんさんは千手観音、小夏さん&私が虚空蔵菩薩、ほーりーさん勢至菩薩だったかな? さぁ年齢を当ててみましょう(爆)

 お坊さんに会えたと坊さんフェチの小夏さんは大喜びでした。外のお札を売っている変な人(!)からご朱印をいただき、門前で再び記念撮影。駅前でお茶して、解散とあいなりました。飲み会の許可、ほーりーさんからいただきました!

(レポート:わくぼんさん)



■中宮寺菩薩半跏像特別公開

 清々しい朝の空気の中、ふっくんさんと国立博物館前で待ち合わせして、念願の中宮寺菩薩半跏像へ。奥へ回り込むように館内へ進むと、まるで興福寺の阿修羅像の時のような静かな衝撃。「ああ、やっと出逢えた」と、さざなみが打ち寄せる様な感動がありました。

 ふっくんさんはとても熱心に像を見つめ、眺め回り込みながらご自分の抱いている内観の像としっかりと比べておられるようでした。私には仏像鑑賞についての知識が全く無いので「防腐用の黒漆の剥げた後が、まるで涙を流しているようだと言われているんですよ」と学芸員さんの如く、詳細に説明してくれました。心強かったです。

 照明を落とした空間の中に座す菩薩半跏像を見つめていると、突然私と中宮寺の菩薩半跏像が「一本の糸でつながった」菩薩との「対話が成就した」のか?!、と錯覚する瞬間がありました。その途端、菩薩半跏像が醸し出す背後にスクリーンの様に広大な若草が、青い炎の如く大陸の風に燃え立つ景色が一瞬にして広がり、古の大樹のたおやかな芳香を鼻腔の奥に強く感じたのです。

 胸が打ち震えるという感覚と白鳳天平時代のあの時、その瞬間の「仏師」己自身が瞳に納めた風景を、中宮寺の菩薩半跏像を通じて垣間見た気が致しました。この菩薩半跏像は私達が寿命を終えても、これから先も久遠の命をもって存在し続けていくんだ。と、過去・現在・未来の時空を旅する舟のように、その存在によって三世を具現している姿に深い感情を揺り起こされました。


■万満寺仁王の股くぐり

 お昼はわくぼんさんのレポ通り。明るいカジュアルイタリアンのお店で楽しくお食事しました。般若湯も少々。馬橋の仁王様の股くぐりはこれも楽しく、赤ちゃんを連れたご家族が2、3組並んでいたり、今も格式ばらず庶民的に親しまれている空気が伝わるお寺様でした。

 股くぐりにはしゃぎ過ぎた自分にちょっと鬱。でもお坊さんに逢えたし、穏やかな休日を満喫致しました。

(レポート:小夏さん)



■ミュシャ展

 ふっくんさんと小夏さんが中宮寺の国宝菩薩半跏像展に行っている間、私は上野の東京都美術館にミュシャ展を見に行ってきました。この日が最終日だったので間違いなく混むなと予想して朝一番に入りましたが、見終わって出てくると入場制限がかかって長い行列が出来ていたので、本当に早く出て正解でした!

 それはそうと、アルフォンス・ミュシャは大好きな画家の一人です。アールヌーボーを代表する巨匠で、女性のしなやかな身体や柔らかに曲線を描く髪の毛、額縁のように構成された図柄や植物など、ミュシャ様式とうたわれるデザインには本当にため息が出てしまいます。

 春夏秋冬や様々な植物、絵画や詩、歌、踊りなど、抽象的なイメージを具象化する力は、もう誰にもまねできないんじゃないかと思います。目を細めて遠目に花を凝視する『絵画』の仕草など、この観察眼はどこで培われるんだろうというような強烈な作品でした。

 そしてフランスの大女優サラ・ベルナールとの出会い。彼女が出演する『ジスモンダ』の公演ポスターを手がけたことで、一夜にしてミュシャの名はパリ中に広まります。その後もサラの公演ポスターから舞台衣装に至るまでのデザインをミュシャは引き受け、お互いの魅力と才能を十分に引き出したこの二人の天才は、本当にドラマチックな巡り合わせを感じました。

 その他にも一般に見られるミュシャとは違うタッチの絵画作品や写真、私がプラハを旅行したときに見た聖ヴィート大聖堂のステンドグラスの下絵やヒヤシンス姫のポスターなど、大満足の内容でした。

 と、熱が入りましたが、ここまでは散策会ですらなかったんでした(笑)


■万満寺仁王の股くぐり

 ミュシャ展を出るとふっくんさん達と合流し、今度は馬橋の万満寺へと出かけていきました。途中、私が大学時代に在籍していた研究室の教授とわくぼんさんが知り合いであることが判明したり、相変わらずのお寺トークで盛り上がりましたが、万満寺へ。私は1月にもここに来たのですが、その時よりも出店が多く、賑わっていました。

 ここの股くぐりは年に3回(1・3・10月)行われています。運慶作と伝わり重要文化財にも指定される仁王像に直に触れ、しかもその股の間をくぐるというのだから、なんかもうそれだけで御利益満載です。裏から見ると股の間が狭いように感じるのですが意外にするりと抜けられて、足の間から見上げると滅多に見られないアングルからのお顔も拝見できて(仁王といえばたいていのお寺では金網が張り巡らされて、どうやってきれいに写真を撮るかで四苦八苦するのが定番なのですが……)、ものすごい親しみを感じる仁王様でした。

 そして前回来たときにはなかった(気がつかなかった?)のですが、本堂に上がらせて頂くことができました。ここではそれぞれの守り本尊(私は勢至菩薩です)にお参りしたり、護摩修行に参列したりと、程良く張りつめた清廉なひとときを過ごすことができて良かったです。本堂内陣には阿弥陀三尊や不動明王、種類の違う六体の観音様に四天王などが並び、内陣に上がって間近でお参りすることもできました。

 最後は小夏さんとわくぼんさんが御朱印を求めてさまよったり、ふっくんさんが母屋で迷子になってましたが(ばらしてしまった)、楽しい話に体験にと、大盛り上がりの一日でした。

(レポート:ほーりー)



■関連リンク

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