宿坊研究会 〜座禅・写経・精進料理など、楽しさ満載!〜  
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写経の力 お経を写す功徳

写経はどうして注目されるのか?

 印刷技術もコピー機もなかった時代、本を増やす唯一の方法は、書き写すことでした。このため奈良時代には各地の寺院に納める経典作成のため、官営の写経所が設けられていました。

 つまり写経はもともと、公務員のお仕事でもあったのです。奈良時代といえば奈良に東大寺が建立され、全国に国分寺・国分尼寺が造られだした頃。お寺の数が全国規模で増えた時期ともいえます。そのための経典量産工場が、写経所だったのです。

 しかし写経は単なるお仕事、作業に留まりませんでした。お経を書き写すこと自体に先祖供養や現世での功徳があるとされ、御利益を求める貴族や有力者によって活発に経典が写され始めます。中には紺地金泥や装飾が施された経本も作成されるなど、平安時代以降、写経は非常な発達を遂げていきます。

 さらに時代が下ると写経は庶民にも広がり、お参りしたお寺に書き写した経を奉納する風習も生まれました。四国の霊場を廻るお遍路では、今でもお寺を参拝した証しに納経帳に御宝印を頂きますが、これはもともと『納経』の言葉が示すとおり、写経をお寺に納めた印のことでした。

 そして現代。写経はある種のブームと言えるほど、人気を博しています。この立役者は薬師寺の高田好胤管長(故人)が行った、金堂再建プロジェクトが大きな下地を作っています。写経をお坊さんが行う修行の一つから誰もが行える仏教プログラムに移し変え、1976年には100万巻もの写経が集まりました。そしてその時に集まった資金は金堂再建の費用にもなったのです。

 しかしなぜ、ここまで写経は盛り上がったのか? そして私たちが写経を行うためにはどのような心がけが必要なのか。ここでは写経をもっともっと楽しむための秘密を探ってみたいと思います。



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