座禅とスキューバダイビングのおぼれる類似
座禅をするときの2つのコツ
座禅の呼吸は意識的です。ですので、実は座禅はかなり体力を使う行為です(特に腹筋呼吸に慣れない私たちにとっては)。
そしてさらに難しいのは、座禅の際に『数息観(すそくかん)』という呼吸の仕方を教えられる(場所によりますが)ことです。
数息観は呼吸法というよりは、精神を集中させる方法だと私は考えています。
一つ息を吐く度に「ひとーつ」。
ゆっくりと肺から空気を絞り出すように息を吐き出し、全て吐き終わったら自然に任せて息を吸い込む。「ふたー……つ」「みーっ……つ」と、それを繰り返す。
こうして呼吸を数えます。座禅は本来、心を無にすることを目指すのですが、何も考えない状態を長続きさせるのは簡単な事ではなく、それなら一番大切な呼吸に意識を集中させよう。そうしたものなのだと解釈しています。
しかし、それすらも実はやってみるととんでもなく大変なことが分かります。私自身、数えていてもいつも途中で数が分からなくなります。
さらにはだんだんと数えるのに疲れてきて、身体のあちこちが気になりだし、関係のない雑念が次から次へと浮かんできます。数息観が続けば続いたで、今度は少しずつ呼吸のリズムが狂い、座禅は調子が良い日ほど、水の中でおぼれる様な感覚を味わいます。
突然ですが、あなたはスキューバダイビングをやったことはありますか? 私は一度だけ体験したことがありますが、あれはタンクに圧縮された空気をレギュレーターを通して吸い込み、吐き出す時には弁が開いて空気を外に吐き出します。
これも注意して呼吸のリズムを整えないと、途端に息がばらばらになります。私は初めて海に潜ったとき、あまりの息苦しさに一気に水面まで顔を出し、一度呼吸を整えてから潜ることで感覚がつかめました。
そこまではさすがに大げさかもしれませんが、座禅の呼吸は真剣にやればやるほど、そんな綱渡りの呼吸になるのです。
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