宿坊研究会 〜座禅・写経・精進料理など、楽しさ満載!〜  
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泊まる前に知っておきたい、宿坊を3倍楽しむコツ

宿坊の五つの短所

(五)情報量が少ない

 宿坊に関する情報は極端に出回っていません。特に私が初めて泊まり歩きを始めた頃は、まとまった情報などほとんど皆無と言っても良い状態でした。

 宿坊に泊まるためには限られた断片情報をかき集めるか、もしくは講中などのつてを辿らなければ連絡先さえ知ることはできず、その実態を伝える媒体もありませんでした。



 これは宿坊側の意識の欠如に、大きな原因があったように思います。

 そもそも宿坊には講中宿としての役割があり、一般への営業に対する意識は決定的に欠けていました。

 また宿泊業よりお寺や神社としての活動を優先させなければならない、例えばお盆や年末年始など旅行シーズンに宿坊を閉めざるを得ないなど、宿坊特有の問題を抱えていることもありました。

 もちろん、すべての宿坊がそうであったということではありません。しかし宿坊全体を見て他の旅館業と比べれば、この問題は著しく際立っていたのは確かです。

 ただここでは、それを悪いと断じるつもりはありません。

 宿坊が講中団体を放り出して一般へのアピールのみに走れば本末転倒でしたし、お寺や神社の活動を投げるわけにもいきません。寺社本来の意義からしても、経営的な判断を考慮しても、それは至極妥当なことであったように思います。

 しかしこのような事情から、今までは旅行会社などが宿坊をツアーに組み込むのは難しいという側面がありました。また寺社ゆえの排他性も影響し、旅行業界の間では「宿坊は儲からない」という意見が聞かれることも少なくありませんでした。

 同じことは新聞や雑誌、テレビなどの各種メディアにも当てはまっていました。宿坊はこうしたものにあまり応じず、もっと身近なところでは、普通の旅行客からの問い合わせにさえ対応に不十分なところがありました(あんまり具体例を挙げるのは、差し控えたいと思いますが)。

 結局宿坊側とそれを伝える媒体、そして一般旅行者。それぞれの理解の不足が、宿坊を旅行から孤立させてしまっていたと言えます。

 しかし近年、この流れは大きく改善されつつあります。

 背景にはここ四十年で三分の一にまで減少した講中組織の実状があります。宿坊は変わらなければ立ちいかないところまで、時代が変化してきたのです。

 また物質的には豊かになりながら、精神的にはむしろ追いつめられている、現代社会の欲求に宿坊が応えた面もあります。

 宿坊やそれを統括する各地の組合が開いたホームページは年々増えてきましたし、その内容の充実度も一時期と比べれば目を見張るものがあります。

 以前であれば宿坊組合に問い合わせても、「どの宿坊も一緒です」などという回答さえありましたが、最近は意識の変化が随所に伝わってくるのです。

 宿坊は情報発信という点において、ようやくスタート地点に立ち始めました。現在の宿坊は情報発信を通して、一般客との関係を模索する重要な変革期の直中にいるのです。




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