泊まる前に知っておきたい、宿坊を3倍楽しむコツ
宿坊の七つの長所
(二)お坊さんが世話してくれる
高野山の宿坊では、学生さんと呼ばれる若い修行僧がお世話してくださいます。彼らは高野山高校などに通いながら働く学生僧なのですが、私が出会った方達は皆、きびきびとした動作が印象的でした。
そのうちの一人と話をすると、もとはどこかのお寺の跡継ぎというわけではなく、中学時代に行われたお寺での仕事体験を機に、将来はお坊さんになりたいと考えたとのことです。
高校生にしてそれだけの夢を持って親元を離れ、学業と両立させながら忙しい宿坊での仕事もこなす。簡単に休むことはできず、その年頃に流行している遊びなどもすることはできない。
きっと大変な生活でしょう。しかし目標に向かって一歩一歩進んでいる目は輝いていて、表情も生き生きとしています。その姿には、きらきらと輝くまぶしさがありました。
また、別の方と話をすると、
「泊まられた方が気持ちよく過ごし、お寺で一夜を過ごす意義について、押しつけにならない形で考えて頂ける場を提供したい」
そう、おっしゃっていました。
そのしっかりとした意見には大人の風格が漂い、普段の自分と見比べても反省の念が浮かんできました。これらは決して特別な例ではなく、高野山の学生さんはどなたと話をしても、何か我が身を振り返させられるものがあります。
高野山に限らず宿坊ではフロントにお坊さんが座っていたり、お勤めの後にお寺の案内をしていただけたり、中にはお風呂でご一緒することになったりと、様々な場面でお坊さんと接する機会があります。学生さんも高野山の他には身延山の宿坊でも働いています。
お寺にはお坊さんがいる。当たり前の話ではありますが、普段の観光では意外なほどに接する機会が少ないだけに、そんな当たり前のことにも宿坊では感じ入ってしまうものです。そして普段話をすることも商売(?)なだけに、内容もユニークでジョークが上手い方は大勢います。
ホテルや旅館にはきめ細やかなサービスがあります。ホテルにはビシッと教育されたスタッフが、旅館には名物女将や家庭的なもてなしが、人気を博していることもあるでしょう。
しかしそこにいるのがお坊さんであれば、これはまた雰囲気ががらっと変わります。
泊まる側には心地よい緊張が生まれ、普段は会えない人に会える特別感も味わえます。泊まってもお坊さんに会えないと、がっかりすることさえあるほどです。
宿坊がただの旅館ではないと感じさせてくれる存在。それがお坊さんではないでしょうか。ふれあいを楽しみに宿坊に出かけるお坊さんファンも、実は意外に多いのです。
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