泊まる前に知っておきたい、宿坊を3倍楽しむコツ
宿坊の七つの長所
(一)時間を二十四時間使える
あなたがホテルや旅館に泊まるとき、夜はどこで過ごすでしょうか? それは当たり前の話ですが、宿泊先のホテルや旅館になると思います。
それではホテルや旅館の夕食に間に合うためには、何時に観光を打ち切る必要があるでしょうか?
これは場合によって違いますが、16時から遅くても17時くらいになるのではないでしょうか。
宿坊の良いところは、観光地にそのまま泊まれることです。それはつまり、帰る時間を気にしなくて良いということでもあります。
例えば街から離れた山上の寺社では、バスが一時間に一本しかないことがよくあります。この場合は常にバスの時間を気にかけながら、散策をしなければなりません。しかし宿坊ではそのまま寺社を拝観し、最後に隣の宿に帰るだけですみます。高野山や京都の大原などはこの典型です。
時間に余裕が生まれれば、気持ちにもゆとりができる。その分多くのお寺を見ることもできますし、日中に喫茶店で一息つくこともできます。
もちろん同じことは朝のスタートにも言えるでしょう。
朝、宿を出てから観光ポイントが遠いと、移動だけで一時間を費やすことになるかもしれません。そのため私の経験では、どうしても旅館の朝は、せかせかした気持ちになるものです。
しかし宿坊では玄関を開ければそこが観光地なのですから、このような時間のロスは節約できます。
会社勤めの方は、自宅と職場が近ければもっと時間を有効に使えるのにと思われたことはないでしょうか? これは旅行における宿と観光地にも同じことが当てはまります。むしろ旅行中の二時間は、お金や仕事の都合など様々なことを調整しての二時間なのですから、より貴重な時間と言えるかもしれません。
それだけに宿坊は驚くほど旅行効率が良くなるのです。しかし宿坊の時間メリットはそれだけに留まらず、宿に入った後にこそさらなる真価が発揮されます。
宿坊は窓を開けると、目の前にお寺の境内が広がっています。客室が二階であれば、通常とは違った視点で景色を楽しむこともできるでしょう。
また大抵のお寺では夜は門が閉じられます。こうした閉門後は一般の人は立ち入ることができませんが、宿坊に宿泊すれば日が沈んだ後の風景も観光することができます。
このメリットは、文字情報だけで実感することは難しいかもしれません。しかし実際にその場に立ってみると、驚くほどの感動が待ち受けているものです。
例えば京都の仁和寺御室会館。
世界遺産にも指定される仁和寺に建つ宿坊ですが、その境内は閉門後に一般の人が入ることはできません。
しかし私が宿泊したとき、閉門後に仁和寺にたどり着いたのですが、通用門でインターホンを押して、門の中に入れて頂きました。
暮れていく境内は、昼間とはうってかわって沈黙が支配しています。広い境内に弱々しく灯る明かりは、観光地とは別の顔、厳かな聖域を自覚させてくれるものです。
翌朝のお勤めではまだ日の光も照らさず、うっすらと白い世界に修行僧たちの読経が響いていました。朝焼けのシルエットに浮かぶ五重塔は、まさに息を飲む美しさです。
そしてお勤めが終わっても、朝はまだ始まったばかり。早起きは三文の得ではないですが、最後のメリットは朝が自由に活用できること。宿坊はまさに24時間、フルに旅行を楽しむことができる宿なのです。
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