泊まる前に知っておきたい、宿坊を3倍楽しむコツ
宿坊でしかできない仏教・神道体験!
(九)仏像
近年は空前の仏像ブームが到来しています。
有名人や芸能人までもが仏像好きを宣言し、堅苦しくなく気軽に親しもうという姿勢で仏像拝観を趣味とする方が増えています。
今までは見向きもされなかった地方の仏像までもが大々的に取り上げられ、各地の美術館や博物館でも、企画展には多くの仏像ファンが殺到しています。
仏像は楽しい! これは私にもはっきりと言えます。
薄暗いお堂の中でひっそりと対面する仏様。微笑んでいるようにも見えるし、じっと見つめて諭されているようにも思える素顔。
こちらの気持ち一つでいかようにも表情が変わり、悩みなど大したことはないよと自分を客観視させてくれるかのようです。
仏像との対面はお願いごとを口にする願いの場であり、目標を口にする誓いの場でもあります。そして清廉な空気に無用な自尊心も見栄も忘れて、余計な肩の力が抜ける解放の場でもあります。
私は宗教家ではありませんし、煩悩や好奇心がいつも先立ち、真摯な参拝者とさえ言えないかもしれません。しかし仏像にはそうした力があると感じています。
またその造形や美しさを楽しもうと思えば、手の形(印相)や持ち物、三尊形式の並び順など、様々なヒントを探して、目の前にいるのがどんな仏かを探り当てることもできます。
大まかに分ければ如来、菩薩、明王、天部の四種に分かれ、そのそれぞれが役割を持つなど、本一冊程度の知識があれば仏像ワールドは一気に拡がるのです。もしもあなたも興味があれば、ぜひ本屋で仏像の本を一冊手に取ってみてください。
しかし、実は仏像を楽しめる宿坊は、それほど多くはありません。
もちろん宿坊に仏像がないわけではないのですが、その存在だけで観光客が集まる、ある意味スター的な仏像が拝観できる宿坊は限られています。
仏像で有名なお寺の宿坊としては、なんと言っても奈良の新薬師寺が際だっていたのですが、こちらは2003年9月の火事で閉鎖されてしまいました。
国宝の薬師如来や十二神将など、主だった文化財は無事でしたが、お寺の奥さんが亡くなる痛ましい事故でした。私自身、新薬師寺に宿泊したときにお会いして、和やかにお話をさせていただいた方だったので、火事のニュースには大きなショックを覚えましたし、そのご冥福を深くお祈りしています。そしていつか宿坊が復活されることも願っています。
他に仏像で有名な宿坊としては、山梨県の大善寺があります。
こちらは鎌倉期の密教本堂の代表例とも言える国宝の薬師堂が有名ですが、堂内では重要文化財の十二神将が拝観できます。また特別な日にしかご開帳されませんが、ぶどう薬師として名高い薬師如来も安置されています。
また運慶作と伝わる釈迦と十大弟子が祀られている京都の鹿王院や、快慶作の木造如来像を本尊とする三重県の新大仏寺、円空仏を拝観できる岐阜県の永昌寺、変わったところでは即身仏(ミイラ仏)が伝わる山形県の大日坊など、仏像好きの方が泊まる宿坊としては、これらがお勧めです。
|
|
|