泊まる前に知っておきたい、宿坊を3倍楽しむコツ
宿坊でしかできない仏教・神道体験!
(六)お勤め
今、朝寝坊ができる旅館が流行っています。
毎日朝早く起きて会社や学校に出かけなければならないのだから、旅行先では至福の朝寝で過ごしたい。
一理あります。しかし宿坊に泊まるなら、全く逆の楽しみを見つけることができます。
お寺で過ごす一日だから、規則正しくいつもより早く床につき、夜明けより早く起きられる。そこで手にする時間には、かけがえのない価値がある。
私も通常の休みの日は、ついつい朝寝をしてしまう傾向があります。しかし宿坊ではぱっと目が覚める。そしてそんなときには、ものすごく得をしたような気分に浸れる。これも宿坊の良いところです。
お寺の朝はお勤めで始まります。
お勤めとはお寺で行われる仏前での読経のことで、日々生きることへの感謝や先祖の報恩供養、自己の研鑽や平穏な日々の祈願など、様々な祈りを込めて本尊の前でお経が読まれます。
むしろ毎日の習慣として仏様へ朝の挨拶をするような、今日も一日をスタートするぞという、心に落ち着きと活力を沸かせるための時間と言えるかもしれません。何か特別なことをする場というより、お寺が最もお寺らしい素顔になれる瞬間でもあります。
宿坊の宿泊者は、このお勤めに参加させて頂くことができます。たいていは本堂やそれに列する重要なお堂に集まり、本尊の前で読み上げられるお経を聞いて礼拝します。
お寺や季節によっても異なりますが、だいたい朝の5時30分から6時30分頃に始まることが多いです(ちなみに韓国では、朝の3時に始まりました)。
日の昇らない境内で凛とした空気を吸い込み、朗々と響くお坊さん達の読経や、大太鼓、木魚、磬(けい)などの鳴り物に耳を傾ける。そこでは聖域に踏み入ったような、ピリリとした緊張感が肌を打ちます。
心が洗われるという表現がありますが、まさにそうした気持ちに胸が震えてきます。この厳正さは坐禅も写経も敵いません。私たちの普段の生活とは全く異なる、お寺の日常を最大限に感じ取れる場。それがお勤めなのです。
お勤めは参加を原則とする一部の宿坊を除いて自由参加であることが多いです。しかしせっかくお寺に泊まるのであれば、ぜひ早起きしてでも参加しておきましょう。他の宿坊体験に比べると今ひとつ注目度は薄いお勤めですが、これこそが最も宿坊の良さを味わえる体験だと私は考えています。
淡々とお経を唱えるお勤めもあれば、節をつけた歌うような読経のお勤め、盛大に火を焚いて護摩祈祷を行ったり、大太鼓を打ち鳴らす目もくらむようなお勤めもあります。一口にお勤めと言っても、宗派やお寺の形式などにより、内容はまったく異なります。
またお勤めの後に法話が聞けたり、お寺や寺宝の案内をして頂けたりと、普段の観光では味わえない体験ができるのもお勤めの特典です。
お寺の方や一緒にお勤めに参加した人達と、ふれあいの場になることもあります。お寺や旅の話など、お勤めの後は様々な会話が飛び交います。
早起きが苦手な人ほど、お勤めには感動がある。ぜひ朝が早いと躊躇せず、お勤めには足を運んでみて下さい。
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