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極楽? 天井絵の下で写経・写仏できる当麻寺中之坊(奈良県葛城市)

当麻寺中之坊

基本情報

当麻寺中之坊(奈良県 当麻寺駅)

電話  :0745-48-2001(9:00~17:00)
ウェブ :当麻寺中之坊
住所  :奈良県葛城市當麻1263
アクセス:近鉄南大阪線「当麻寺駅」下車、徒歩15分
駐車場 :當麻寺門前に民営駐車場あり。バスは徒歩7、8分の場所に観光駐車場があります。
【写経】初回1500円
(+拝観料500円)
2回目以降 1000円
(筆持参・拝観料込み)

【写仏】初回1500円
(+拝観料500円)
2回目以降 1200円
(筆持参・拝観料込み)

【精進料理】
1500~5000円(税別)
(1週間前までに5人以上で要予約)御抹茶 400円

ウェブサイトに「拝観料+御抹茶特別」や「写仏または写経+釜めし」などの割引券があります。

【お寺ヨガ】
月謝 3000円(月2回)
体験 2000円(1回)
継続 1500円(1回)


特徴・見所

 写経・写仏は毎日10~17時(受付は15時まで)に行えます。

 写仏は當麻曼荼羅や當麻寺の仏像をもとに、仏画家の先生方が制作されたオリジナルの格調高い写仏用紙で、8種類の中から選択できます。初めての方は、筆(奈良あかしや製)、写仏用紙1点、基本稽古用紙1点、タオル、がついてきます。

 写経は「般若心経」と「称讃浄土経」の2種類あります。「般若心経」は、奈良朝写経体文字を書家・森大衛氏が書き起こしています。「称讃浄土経」は、中将姫が書いたという現存する奈良時代の経巻の文字をそのまま書写します。長い経典のため15回に分けて完成させます。初めての方には、筆(奈良あかしや製)、写経用紙1枚、タオル、がついてきます。

 写経・写仏会場は「昭和の天井絵」「平成の天井絵」で飾られる客殿で、文化勲章・前田青邨の『飛鴨』をはじめ、上村淳之、中島千波といった有名一流画家が奉納した絵画およそ150点で飾られています(但し、行事のある場合は会場が変更になります)。

 精進料理は法隆寺北室院から移安された、聖徳太子7才像「御愛太子(おんあいたいし)」を祀る太子殿で頂くことが出来ます。また重要文化財の書院で御抹茶を頂くことも出来ます。

 ヨガの会は第2・4水曜日の10~11時30分、13~14時30分に行われています。

 4月下旬~5月上旬に境内のボタンが咲き誇ります。


地図


お寺から

 當麻寺は極楽浄土を表した織物「當麻曼荼羅」を本尊としている寺で、この曼荼羅は奈良時代、一心に写経に打ち込んでおられた中将姫さまが、沈む夕陽の中に仏の浄土を観て、その光景を蓮糸で織り表したものです。

 今回、この中将姫さまの感じられた境地を少しでも体感していただこうと、當麻曼荼羅の仏さまを題材として半年がかりで下絵を制作し、美しい絵天井の下で「写仏」をしていただける環境を整えました(基本的には「写仏」をお勧めしたいのですが、「写経」の方がしたいという方のために、「写経用紙」も準備しております)。


ほーりー記

 当麻寺中之坊さんでの写仏は、お寺の方と一緒に開いた寺社コンイベントで体験してきました。このため通常の写仏とは進行に違いがあるかもしれませんが、写仏体験の内容は基本的に変わりませんので、ご紹介いたします。

当麻寺中之坊の本堂勤行

当麻寺中之坊の勤行

 まずは通常の写仏体験にはありませんが、私たちのイベントでは写仏の前に本堂に案内され、勤行が行われました。中之坊の本堂は当麻寺の本尊「當麻曼荼羅」を織り上げた中将姫が髪を落として尼僧となったお堂で、中将姫剃髪堂とも呼ばれています。そして中将姫の守り本尊である導き観音がお祀りされており、この観音様へのご縁を結んで頂く祈願を行って頂きました。

 勤行では最初に般若心経が読経され、尺八奏師の泉川獅道師による献奏が行われました。尺八は仏道と共に発展した法器であり、竹が持つ自然なにごりや揺らぎを音色の中で表現するなど、金管楽器とは別次元の心をかきむしられるような旋律が特徴です。この尺八の演奏は毎月16日に行われる「導き観音祈願会」や、中之坊で行われている尺八教室で聴く事ができますので、ご興味のある方はぜひどうぞ。

お茶室や借景の塔が美しい日本庭園・香藕園(こうぐうえん)

 そして導き観音に結ばれた結縁紐を握って観音様との縁を結んで勤行は終了。本堂を出た後は大和三名園の一つ、香藕園を拝観しました。

当麻寺中之坊の香藕園

 このお庭もまた素敵な景観でした。庭園に面したお茶室の双塔庵は重要文化財に指定されていますが、垂木に使われた竹が美しくて印象的でした。また心字池には飛び石が配され、借景には當麻寺のシンボルとも言える東塔が佇んでいます。そしてちょうど蓮が咲いている時期でしたので、庭園を包む緑と蓮の白、そしてお茶室や塔の木造建築の渋みが見事に調和していました。

 そのままぐるりと境内を回って宝物館も拝観し、いよいよ写仏体験に入ります。写仏は當麻曼荼羅に描かれる阿弥陀如来と観音菩薩、勢至菩薩の中から選んで描き写します。中之坊は導き観音のお寺でもありますので、私は観音菩薩を選択しました。

みんなで写仏体験にチャレンジ!

当麻寺中之坊の天井絵

 写仏は近・現代の百五十名近くの画家が天井絵を奉納した、松室院の絵天井の間で行われます。前田青邨や中島千波などのビッグネームも入り混じり、龍や鷹、つつじや蓮、能面や鯰など、あでやかな絵がびっしりと並んでいます。そして正面には當麻曼荼羅の平成写本が祀られており、本堂では確認できない當麻曼荼羅の図様を細部まで見ることができます。

 まさしくこの写仏道場は、絵の好きな人にとってはそれだけで一大テーマパークです!

当麻寺中之坊の写仏

 そして席について準備が出来ると、まずは手を洗って水を汲み、用意された筆を下ろしていきます。筆はのりで固められていますが、真ん中から根元くらいまでしっかり下ろすようにと説明がありました。

 次にいきなりは写仏に入らず、渡された練習用紙で筆を慣らします。そして準備が整ったところで写仏スタート。薄く描かれたお手本をなぞっていくタイプですので、それほど難しくはなく写仏に集中することが出来ました。

当麻寺中之坊の写仏用紙

 写仏の説明としては用紙を傾けたり回しても良いし、足を崩したり肘をついたりなど姿勢も自由で構わないとのことでした。ただし最初と最後だけは正座で姿勢を正し、手を合わせてから描くようにします。また呼吸は長くゆっくりさせながら描いて下さいとのお話がありました。

 それと仏様の絵は好きなところから描いて良いが、仏様の眉間にある白毫(びゃくごう)だけは一番最後に描くようにとのこと。ここは仏様の特徴の一つとされる白く長い毛が表されたもので、光を放ち世界を照らすとされる部分です。ですので白毫は筆に水を浸して薄墨にしてから描いて下さいとのことでした。

 写仏が終わった後は別室にてお寺の方や尺八の先生を囲んで茶話会を実施。お寺のお話や尺八のことなど様々な質問が飛び交っていました。


ほーりー記

当麻寺中之坊の精進料理部屋

 精進料理は寺社コンの懇親会で頂いた為、もしかしたら通常とは少し違うかもしれませんが、お酒付きで4300円のコースにして頂き、とにかく美味しい精進料理でした。

 メニューは炊き込みご飯、お吸い物、胡麻豆腐、白菜やえりんぎ、豆腐が入った精進鍋、サトイモ、かぼちゃ、しいたけ、タケノコ、にんじん、がんもどき、赤こんにゃくなどの煮物、レンコンともずくの酢の物、酢味噌をつけた刺身こんにゃく、いんげんの胡麻和え、切干大根、香のもの、メロン、パイナップルです。

当麻寺中之坊の精進料理

 夏場でしたので酢の物のさっぱりした味や、胡麻豆腐の柔らかな舌触り、それに炊き込みご飯やお吸い物なども味がしっかりと口に広がって一口一口が楽しめる料理でした。そしてボリュームは結構ありましたがお腹に優しいため、結構あっさりと食べきることも出来ました。

 そして梅の宿という地酒も出して頂きましたがこちらも飲みやすく、特に柚子リキュールは甘くて美味しかったです。

 食事をした部屋は大広間の太子殿で、鎌倉時代の聖徳太子7歳像がお祀りされています。お寺の雰囲気もすごく素敵で、精進料理をじっくりと仲間と頂くには最高の場所でした。


体験者の声

 「拝観受付」と書いてあるところに入ると、大きな古いかまどのある土間・・・・。え? ここ? ほんまに? ・・・とためらっていると、奥から年配の女性が出てこられました。このかまどは、役の行者が始めたといわれる薬「陀羅尼助」を作っていたかまどだったんですね~。びっくり。

 ともかく無事受付を済ませて、いったん外に出て、重要文化財の書院の玄関から入り、写仏のセット一式をいただいて、お坊さんの案内でず~っと奥へすすみます。写仏(写経)道場は見事な絵天井の客殿で当麻曼荼羅がかかっており、かなりの広さがありましたが、写仏体験者は私たち三人だけでした。

 心構えや描き方の説明を受け(急がずゆっくりと描くことが大事)、先に運筆の練習をしてから本画にかかります。お手本は阿弥陀様・観音菩薩・勢至菩薩の中から選べます。薄墨の印刷のあとをなぞるだけですが、菩薩様は宝冠や瓔珞がけっこうこまかくて大変です。かしましいおばちゃん三人組も、さすがにこの時間ばかりは一心に仏さまを描き写すことに専念していました。

 途中かなり冷えてきたのですが、察してストーブをつけてくださった心遣いがとても有り難かったです。



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