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こぬか薬師(京都市中京区)の宿坊・普茶料理【くちコミ付き】

こぬか薬師

基本情報

こぬか薬師(京都市中京区)

電話  :075-211-1890
住所  :京都府京都市中京区釜座町二条上大黒694
アクセス:JR「京都駅」から市バス「二条城前」下車、徒歩5分

宿坊は終了しました。


特徴・見所

 1日1組限定の家庭的な宿坊です。なお、以前に行われていた普茶料理は終了しました。


地図


ほーりー記

 二条城前でバスを降り、大通りから路地の中に入って5分ほど歩いた場所にある宿坊です。正面から見るとお堂しかなく、どこに宿坊があるのか分かりにくいのですが、本道の右側に小さな木戸があり、そこをあけると宿坊に通じています。

こぬか薬師の客室

 宿坊は玄関を抜けたすぐ先の階段を上がった2階にあり、8畳の部屋が2つ続いています。歯ブラシ、タオル、バスタオル、パジャマがあり、テレビと空調もついています。廊下の奥に洗面台があり、豆乳イソフラボンの洗顔用せっけんやメイク落とし、乳液、化粧水など、男の私にはあまり関係ありませんが結構細かなものもいろいろ揃っていました。またお風呂は一階にありますが、こちらは普通の家庭用のお風呂です。

 そして何と言っても、やはりすごかったのは普茶料理。普茶料理とは中国風の精進料理で、こちらの住職は萬福寺の典座長も務めた方ですが、出てくる料理の一品一品の華やかなことに、ひたすら驚かされます。

 まずは「布袋」というお茶菓子とお抹茶で一服。その後、莫大(ばくだい)、岩茸、わさびを乗せた胡麻豆腐が出てきました。時間をかけてすった胡麻に吉野葛を混ぜて作り、昆布で取っただし汁がかけられています。

こぬか薬師の胡麻豆腐

 胡麻豆腐はやはり精進料理の主役! 手を抜くとすぐに味が悪くなると仰っていましたが、もちもちっとしていて口の中に吸い付いてくる感じ。出汁の味も効いていて、胡麻豆腐と絡んですごく深みがありました。さらにずいきや湯葉の和え物、黄檗時雨煮など、上品な料理が続きます。

こぬか薬師の医徳箸

 そしてここで箸についても話題に上りました。こぬか薬師で使われている箸は職人さんが磨き上げて作った「医徳箸」という先の細くなった箸(こぬか薬師は正式名が「医徳山薬師院」ですので、この山号を取ったのでしょうか) で、小さな豆やご飯などをつまむにも、ものすごく使いやすいです。お土産としても売られていますが、一度にたくさん買っていた方もいたほどでした。

こぬか薬師の精進天ぷら

 次に出てきたのはてんぷら。しそが乗ったさつま芋、トウモロコシ、しいたけに松の実が入った「あわびもどき」、 高野豆腐とアーモンド、みようがと、他ではなかなか見ない工夫の凝らされたてんぷらです。私は特に高野豆腐とアーモンドてんぷらが美味しかったです。

こぬか薬師の梅干し天ぷら

 また驚きなのが、昆布だしに浸かった、酢抜きをした梅干てんぷら。ぜんぜんすっぱくなく、梅干を崩して昆布だしと飲むと、ほのかな甘さが口に広がりました。そして器もこだわっていて、十牛図を題材にした絵が描かれています。十牛図とは禅の悟りに至る道筋を表した牛を題材にした十の絵ですが、いかにもお寺らしい心遣いです。私の器はそのうちの一番最初の絵「尋牛図(牛=悟りを探そうと、志す姿を描いた絵)」でした。

 さらに次は雲片。野菜の葛よせです。海老が入れば八宝菜になると言っていましたが、そんなものをイメージすれば分かりやすいでしょうか。刻んだ野菜にあんをかけ、しょうが汁がかけられています。野菜の切りくずも大事にする、いかにも普茶料理といった感じの料理です。

 またちょっと油ものやあんかけなどの「こってり系」が続いたためか、次に出てきたのは冬瓜と酢の物。冬瓜には酢味噌が乗り、酢の物はおくらです。さっぱりとした酸味が口の中の味を変えてくれて、まさに絶妙のタイミングでの登場(もちろん狙っているのでしょうが)でした。

こぬか薬師の笋羹

 そして今度は笋羹(しゅんかん)。飛龍頭や豊年俵などの野菜料理です。大皿にそれぞれ人数分ずつ乗っていて、一番華やかと言っても過言ではないでしょう。ミョウガのお寿司や、さつま芋を練って作ったスイートポテトみたいな? 料理、高野豆腐の湯葉巻きや、その他何と言っていいのか分からない料理も多いのですが、ほおずきの実を器にしたり、赤に黄、緑と色彩も豊かで、楽しんで食べられる料理でした。

 またお団子やイチジクの胡麻だれかけ、蕎麦と枝豆を使ったデザート風の料理など、食事も終盤に来て、甘みのあるものも増えてきます。と、思えば飛竜頭に揚げ湯葉の乗ったものや、うなぎの蒲焼もどきなど、まだまだこれでもか~という感じで、料理はどんどん出てきます。

こぬか薬師のうなぎの蒲焼もどき

 特にうなぎの蒲焼もどきはすりつぶした豆腐にごぼうを入れてのりを乗せた蒲焼で、ごぼうがちょっと骨っぽさを現していて、うなぎの食感を演出。さんしょうをかけ、ごぼうの風味もふわっと漂って絶品でした! お皿のふちにもサンスクリット文字が書かれていたり。何と書かれているんでしょう?

 そして別名「畑のキャビア」と呼ばれるとんぶり(ほうき草の実を加工したもの)としそを混ぜた味付きご飯や、出汁の味がじわっと聞いた味噌汁。お漬物にちまきなども出て、ボリュームたっぷりの料理もいよいよ締め。

 最後に出てきたのは名物の葛きり。黒蜜につけながら食べますが、甘くて冷たくて、本当に最高! お腹いっぱいになりましたが、それでもするっと食べられました。

こぬか薬師の葛きり

 と、この間、お酒なども頼みながら、料理と共に楽しみます。お料理を運んでくださる奥さんもとても温かな方で、楽しくおいしく普茶料理を頂く事ができました。

 ちなみに朝ご飯は精進料理ではありませんが、ご飯、味噌汁、ひじき、なすとピーマン、ほうれん草のおひたし、冷奴、焼きザケなど、いかにも伝統の和食と言った感じの朝ご飯。なんだか食べるだけで健康になれた気がします。ゆり根の卵とじやずいきの胡麻和えなど、工夫の凝らされた料理もありました。

 ついでですが、お土産には手作りの胡麻豆腐も買って帰りましたが、これも絶品。わさびとしょう油で食べると最高でした。

※普茶料理が行われていたときの宿泊レポートです。


体験者の声

 宿坊体験を報告します。紅葉の季節に、こぬか薬師に行ってきました。

 普茶料理は食べられませんでしたが、朝食はとてもヘルシーでおいしく、畳暖房もついていて暖かく過ごすことができました。泊まりに必要なものはすべてそろっていました。無料で借りれる自転車で、銀閣寺など京都市内を観光できました。

 お師匠さんも奥様もとても素敵な方でした。また行きます。


体験者の声

 こぬか薬師さんにいきました。二条城のすぐ近くにこじんまりとあるお堂で、インターホンを押すと、横の小さな扉から奥さんらしき方が迎えてくれます。

 ご住職のおうちのような所に案内頂きました。二階で、一人でこんなにこのお値段で占有してもいいのかしら? というようなお部屋です。ちゃぶ台のあるお部屋、寝室、廊下の書見台までありました。一階のお風呂もきれいで、お風呂に行く途中、仕事帰りかな? という感じの娘さんとすれ違いました。奥さんお一人で知らない人を泊めるのは危ないかもしれないので、近くに住む娘さんに泊まりに来てもらった、という風情だなと想像しました。

 翌朝6時よりお勤め。ご希望があればどうぞ…とのことですが、行かない訳がありません(笑) 小さな扉を潜ってお堂に入ると、私一人、それからなんと昨日OL風の服をきていた娘さんが黄色い袈裟をお召しになってそこに!

 おはようございます、我々は黄檗宗ともうしまして宇治の辺りにご本山がございます、ここのご本尊はこぬか薬師と言いまして織田信長(だったかな?)と縁があり…などと小さいかわいい声で説明下さいます。こぬか、こぬかとご本尊が言った、という説明の時には招き猫のようにかわいらしく手招きの身振りをしてくださいます。こ、この現代風かわいらしいご住職がどのようなお勤めを、、とびっくりしていると、「では始めます、よかったらご唱和下さい」との言葉を皮切りに、腹の底からの朗々とした読経! うわ~、すっげええ!! とあんぐりしましたが、聞いている内に何だか法悦に引き込まれるような気分になり、最後までお勤めさせて頂きました。最後辺りに分かりやすく現代語訳したお経も読んで下さり、生きているだけで十分幸せなのですよ、という内容のお経で、人生相談に乗って頂いたような気持ちになりました。

 お勤めが終わり、正座で足がしびれて立てなくなった私を大丈夫ですか? と気遣って下さるご住職様は、元のかわいらしい娘さんでした。。その後の朝ごはんは、ちゃぶ台のお部屋で頂きましたが、普茶料理はもうなさってないとのことでしたが、十二分に素晴らしいお料理でした。


体験者の声

 10/8にこぬか薬師に行ってきました。毎年この日だけ、ご本尊の秘仏・薬師如来がご開帳されます。

 開帳に先立って、他のお寺さんのお手伝いで開扉法要が営まれ、50人以上の人がお参りされていました。法要の後に法話があり、斎食をいただきました。住職さんが午前3時から30人以上の食事を用意されたそうです。ありがたく、おいしくいただきました。


体験者の声

 最初はお茶菓子とお茶で始まり、お料理へと進行。さすが本山萬福寺の典座長をおやりになっておられただけのことはあり、味も上品で且つ見た目の美しさでも楽しませていただきました。

 最後にここならではの葛きりを頂き終了。大変美味しゅうございました。ご馳走様でした。再企画や忘・新年会をここでやってもいいかなと思いました。

※普茶料理が行われていたときの宿泊レポートです。


体験者の声

 「今からいくところは、『え~、こんなところに?!』というところです」と同行の方がおっしゃった通り、小さなお堂があるばかりに見える、その右奥の木戸を開けると、「え~、こんなところに!」清潔で居心地良い空間が。それだけで特別な体験をしているという気分の盛り上がりがありましたが、すでに3時前ということもありお腹もぺこぺこだったので、期待が高まりました。

 その期待以上にお料理は手間暇がかかっていることが一目でわかるほど、色といい、形といい、取り合わせといい、繊細で芸術的、味もすばらしく、大満足でした。

※普茶料理が行われていたときの宿泊レポートです。


体験者の声

 普茶料理を頂きました。お茶菓子とお茶から始まり、お料理を頂きましたが、これがどれも見事で、味もさることながら、見かけの美しいこと。携帯でずーっと写真を撮ってました(食べたところで撮っていないことに気が付き、まだ手をつけていない方のを撮らせて頂いたりして、お騒がせ致しました)。

 帰りに胡麻豆腐とお箸、おひがしを購入しました(胡麻豆腐は翌朝、頂きました)。15時から19時過ぎまでゆっくりとお料理を頂きながら、お話をしたりできて、とても楽しい1日でした。もう一度、伺いたいです。

※普茶料理が行われていたときの宿泊レポートです。


体験者の声

 奥は新しい和風料亭のような建物。2階に通され、まずはお抹茶とお菓子。隣の広い部屋に移動して、食事の始まり。お酒を飲む卓と飲まない卓に分かれました。

 最初の般若湯は面白い(変な?)形の急須に入っています。蓋がなくて底もありません。冷酒を頼むといきなり4本、桶に入って来ました。飲むほうはどうしても食事のペースが遅くなります。2馬身くらい離されたでしょうか? ゆっくりゆっくりの食事で、3時から始まり終わったのは7時過ぎ。結構暗くなってました。

※普茶料理が行われていたときの宿泊レポートです。


体験者の声

 こじんまりとした薬師堂でしたが、その奥の建屋は予想に反して大変新しく、落ち着いたお部屋でした。

 待ちわびた普茶料理のほうは、もう見た目も味も素晴らしく、絶品! 個人的には今まで食べた普茶料理の中では、一番好みの味付けでした。

 そして料理の味もさることながら、こちらの住職と奥さんのホスピタリティ溢れるお人柄が素敵でした。15時から19時頃まで、昼食夕食兼用というくらいゆっくり、のんびりと過ごさせてもらいました。

 ご本尊の薬師さんは秘仏で拝観できませんでしたが、機会があればご開帳の日に訪れたいと思いました。

※普茶料理が行われていたときの宿泊レポートです。


体験者の声

 さすがに美味しゅうございました! ご本尊がお薬師様ということで、ご住職が竹屋さんと考えられ作った先の細いお箸(とても使いやすい!)や胡麻豆腐をお土産に買いました。またぜひ、いきたいと思います。

※普茶料理が行われていたときの宿泊レポートです。


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