宿坊研究会 〜座禅・写経・精進料理など、楽しさ満載!〜  
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建築物
成田山新勝寺 リンク
電話 0476-22-2111 断食参篭 3日間まで5000円(以降1日1000円)
阿字観 無料
写経会 初穂料2000円
水行
交通 JR「成田駅」下車、徒歩10分
京成「成田駅」下車、徒歩10分
特記事項

 断食参篭(だんじきさんろう)は1週間単位での断食修行です。阿字観(あじかん)は弘法大師が日本に伝えた真言密教の瞑想法で、修法道場で指導して頂くことが出来ます。水行は成田山水行作法により、井戸水で身を清めます。写経会は毎日9時〜14時まで随時受け付けており、初心者は写経作法も指導して頂くことが出来ます。
ほーりー記

阿字観本尊の掛け軸  様々な修業体験が行えるお寺ですが、私は数息観密教座禅を行ってきました。数息観密教座禅は阿字観の入門体験編といった形で、阿字観本尊の掛け軸を前にして、呼吸に意識を置いた座禅を行います。

 数息観密教座禅の定員は10名です。ただし事前予約時に聞いた話では、8名までなら良いのですが、残りの2名はちょうど柱のある場所に座ることになり、体験中はちょっと窮屈とのことでした。

 実際に行ってみると、そこまでやりにくくはなさそうですが、確かに少し窮屈かもしれません(すみません。私は柱のない場所で、のびのびやらせて頂きました)。ちなみに10名以上であれば、他の会場を準備頂けることもあるようです。

 その他、予約事に聞いた注意事項としては、ゆったりとしたズボンをはいておくことと、香水などは控えるようにとの2点がありました。

 予約時間に参籠堂に伺うと、お坊さんが迎えてくださり、隣にある修法道場へと案内して頂けます。そこでまずは参加者の名前や住所など、参加申し込み用紙に記入して提出します。

 その後、堂内に入って法話。成田山新勝寺は京都の智積院を総本山とする真言宗智山派に属していることなど、お寺の歴史や沿革がお話されました。そして実際に数息観密教座禅の説明をして頂きます。

 まずは阿字観本尊の前で金剛合掌して礼拝。金剛合掌とは単に両手のひらを合わせる合掌ではなく、右手指が上になるように手を組む形で指を伸ばして合掌します。そして右ひざ、左ひざ、右手の甲、左手の甲の順に畳につき、頭を床につけて両手を軽く持ち上げます。この五体投地の礼拝を、三回繰り返します。

 その後、坐蒲の上に腰を下ろして半跏座の形で座ります。最初に3回鼻から吸って口から息を吐きます。一回目は胸の中の悪いものをしっかりと吐き出すように。二回目はお腹の中の悪いものをしっかりと吐き出すように。さらに三回目は身体中の悪いものを吐き出すように。

 それが終わると今度は鼻でゆっくりと呼吸するようにと教えられました。最初のうちはお坊さんが数を数えてそれに合わせ、そのうちに自分で数えながら呼吸をしていきます。

 実際に座っていたのは15分くらいでしょうか。最後にまた五体投地をして終了です。参加された他の方はもう少し座っていても良かったかなと話していましたが、初めての方にはそのくらいがちょうど良いのかもしれません。無理なく気持ちよく座ることができました。

 そして最後にもう一度、法話がありました。内容は今ここに自分がいること自体が奇跡だということ。多くのご先祖様がいて、自分が生きているのだというお話でした。全て終わってお堂を出るときには、指導して頂いたお坊さんと少しお話しする機会がありましたが、子供の頃からこの新勝寺で修行を続けているとのこと。指導中は威厳を感じましたが、終わって雑談になるとほがらかで、魅力的なお坊さんでした。
体験者の声

 由緒あるお寺で、観光客もたくさん来ます。修行中は参籠堂に滞在し、写経や読書(仏教書物)をしながらすごします。また、修行三日前から滅食期間があり、これを経ないと嘔吐を催すこともあるそうです。基本的には朝の掃除、朝護摩以外は自由行動で境内を歩き回れます。境内には屋台が並んでますが、自己責任ということでした。
体験者の声

 成田山の断食参篭修行には二宮尊徳(金次郎)、市川團十郎などたくさんの有名な方が参加してきた歴史ある道場です。参篭道場の隣には、実際に二宮金次郎が一週間の断食を行ったとき、水行を行った水垢離場もあります。

 予約と事前準備

 参篭には事前に電話予約をする必要があります。成田山のホームページに修行の概要が掲載されていますので、そちらを確認の上電話でしてください。私は2名で2泊3日の日程で参加しましたが、断食はあくまで不動信仰による個人の修行ということで、団体は基本的に受け付けていないようでした。

 断食修行をするには、減食といって少しずつ食事を減らす必要がありますが、2泊3日の場合は数日前から少しご飯を減らすくらいで良いとのこと。実際にもちょっと食べる量に気を付ける程度しかしませんでした。基本的に断食する日数、事前の減食が必要だそうです。1週間入る場合は入念な準備が欠かせないでしょう。

 持ち物ですが、ケータイや雑誌の持ち込みはもちろん禁止です。また食事ができないので常用薬も持ち込みはできないのでご注意ください。また宿泊する部屋には冷暖房器具がほとんどないため、暑さ寒さ対策には万全の用意をする必要があります。冬は毛布を持ち込むのも良いでしょう。夏でもお風呂には入れず、洗面所で水タオルで体を拭くくらいしかできません。また、毎朝護摩に参列することになるので、輪袈裟や念珠を持っている場合は持参しましょう。道場に用意がないため、傘も必須です。

 断食中は脱水症状にならないように大量の水を飲むよう指導され、ヤカンと湯のみを渡され所定の用紙に何杯飲んだ記録して毎朝提出します。ところが自由時間に境内を移動するときには、水を持ち歩く手段が用意されていません。ペットボトルでも構いませんが、できれば水筒を持っていくと良いでしょう。

 修業について

 修行開始当日には朝8:30〜9:00に近くの病院で事前の検診を受ける必要があります。予約はお寺のほうでしてくれているので、直接病院にいきましょう。尿検査や聴診器での簡単な診察でした。終わったら即道場へ向かいます。

 断食道場は成田山の山門をくぐってすぐ右にあります。二階建てのなかなか立派な建物です。係員の方(お坊さんではありません)に説明を受け、書類手続きを行います。成田山の道場では、基本的に朝の掃除と護摩参拝以外は完全な自由時間です。境内をでなければ何をしていても構わないとのこと。もっぱら広大な境内を散歩したり、仏教図書館や書道美術館を見学するのが良さそうです。

 基本的なスケジュールは以下のような感じでした(3月末の場合)。

 5:00 起床
 5:30 掃除
 6:00 護摩参拝
 〜自由時間〜
 9:00 掃除
 〜自由時間〜
 22:00 就寝

 希望すれば水行や写経や数息観という瞑想をすることもできるようでしたが、事前の申込みがないと指導ができないようでしたので私はやりませんでした。もしこれらの修行をしたい場合には、電話申込みの段階でよく相談しておくほうが良いでしょう。普通はお経の読み方の指導が受けられるようでしたが、私が僧侶ということもあって無しでした。

 手続きを終えたら、部屋に移動して荷物を置きます。その日は雨が降っていたため境内の掃除などなく、およそ朝の9時頃から消灯の22時まで完全に自由時間でした。前日にあまり寝ていなかったこともあり、部屋で読書をする以外はほとんど寝て過ごしました。

 2日目は朝起きると、境内の掃除と護摩参拝です。掃除は道場裏手にある墓地に落ちた葉っぱをホウキとチリトリで拾い集める程度(およそ15分)。終了後、護摩参拝のため成田山の巨大な本堂へ向かいます。靴をビニール袋に入れて外陣に座り、今月の標語を説明するお坊さんの話(二日とも同じ内容でした)に耳を傾けつつあたりを見回すと、20人ほどの参拝客が来られていました。しばらく経つと雅楽がスピーカーから流れ、ちょっとビックリするくらいたくさんのお坊さんが入堂してきました。護摩の導師をされるご住職さまをはじめ、30人はいたでしょうか。読経は30分ほど。経頭さん(お経のリーダー)のマイク越しの読経がキンキンと響き、いささか耳が辛いというのが正直なところです。

 お参りも終わる頃になると、だいぶ断食の影響が体調に現れるようになってきます。一緒に断食した方は1日目は元気に散歩をしたそうですが、2日目には朝の護摩参拝から気分が悪くなり、係員の方の暖かい部屋で少し休ませていただいたりしました。私も外を出歩くほど元気ではなく軽い頭痛があったため、夕方に少し散歩した以外は部屋で読書していました。

 3日目は朝起きて、掃除、護摩参拝ののちに9時までに部屋を開けることになっています。空腹で体がフラフラするものの、掃除、お参りをしたのち、荷物をまとめて係員の方に退出の挨拶をして帰宅しました。

 しばらくは動物性のものは避けなるべく消化に良いものを食べるように言われましたが、帰り道にコンビニでこんにゃくゼリーや食パンを買って食べました。断食期間が長い場合はしばらくお粥や重湯で過ごす必要があるようでしたが、2泊3日ではとくに必要ありませんでした。

 感想

 退堂の時に係員の方に聞いたところ、断食は2、3日目が一番辛く4、5日目になると断食に慣れて、体がスッキリしてくるとのこと。そして断食するなら1週間でなければ意味がないとも仰ってられました。そこまでやると色んな変化が起こるようで、なかには花粉症が治った方もいるんだとか。

 私の実感としても、肉体的な空腹感というよりもむしろ、精神的な空腹感が大きかったように感じました。3日間通して肉体的な空腹感は通底音のようにずっと静かに感じてはいたものの、体に大きな影響が出るというほどではありません。力が入らずあまり動き回れないなぁという程度です。ところが精神的な空腹感の影響を感じることはとても大きく、本を読んでいてもほとんど集中できませんでした。

 また食事の時間がいかに1日のリズムを作るのに重要かというのも感じました。食欲を満たし体を動かすエネルギーを与え、また親しい人と会話をする時間がないと、なんとなく朝起きていつの間にか午後になりあっという間に夜を迎えてしまうことになります。

 断食道場としては、自由時間が多くお坊さんと接する時間もないため、ちゃんと指導を受けて修行をしたいという方にはあまり向いていません。瞑想やお寺で特別な体験がしたいという方は、お坊さんから直接全般的に指導が受けられるところを選ばれると良いように思います。

 また、断食をするにも目的にあった手法を選ぶべきです。一口に断食と言っても、フルーツだけ食べたり、栄養ドリンクだけは飲むなど様々な手法があるようです。成田山ではまったく何も食べず、水だけを飲むという伝統的な「修行としての」断食です。完全な絶食型の断食は体への負担が大きいため、健康面で心配がある方はより近代的な施設で行うのが良いでしょう。医師同伴だったり栄養士の定めたカリキュラムによって行う、「医学的な治療としての」断食を受けることもできるようです。

 たった2泊3日ではあったものの、約60時間何も食べないというのは生まれてはじめての経験です。肉体的にも精神的にも食べ物を食べることの大切さを感じる3日間でした。普段は見えない自分自身の本質が飢餓状態になることで、少し見えたように感じます。

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