大善寺座禅オフ会


オフ会報告

 2003年11月に山梨県大善寺でオフ会を行いました。大善寺は奈良時代から始まる勝沼ぶどうの発祥地。本堂の薬師如来もぶどうを持つ、ぶどう寺として有名です。辺り一面はぶどう畑に囲まれ、のどかな秋の一日を堪能してきました。


 

 最寄りの駅は『勝沼ぶどう郷』駅。駅からお寺までも紅葉したぶどう畑が続き、まさしく今日はぶどうと秋の山寺の予感。


 

 まずは車でお隣の塩山市へ。ここは武田信玄縁のお寺が楽しめます。左の写真は放光寺。重文の大日如来像や天に弓を構える愛染明王像など、平安時代の静かな威厳に満ちた仏像を拝観してきました。右の写真は恵林寺三門。織田信長に焼かれた際に快川国師が残した「心頭滅却すれば火自ずから涼し」が有名で、柱にはこの言葉が掲げられています。


 

 そして宿坊へ。宿には和室もありますが、今回は新館の洋室へと案内されました。ベッドもふかふか、設備も揃い、一泊二食5700円というのが信じられないような、居心地の良いお部屋でした。宿坊の玄関にも「国宝のお宿」という看板が立てかけられ、大善寺への期待を盛り上げてくれます。夕食にはもちろん大善寺のワインを頂きました。


 

 宿坊には江戸時代に作られた日本庭園もありますが、これは実は去年に身延山でオフ会をしたときに、静坐会の講師をして頂いた飛鳥井先生が30年前に発掘したお庭で、この話をすると住職さんも懐かしそうにしていました。また戦国時代の太刀や古文書が展示され、甲州東郡七福神の弁天様なども祀られています。


 

 そして次の日。朝には国宝の本堂で座禅体験をしてきました。座禅のポイントは4つ。一、背筋を伸ばす。二、目は半眼に。1/3は目の前を、2/3は心の中を見る。三、合わせた手は、おへその辺りに。両親指は付かず離れず。四、呼吸は深くゆっくり。7〜8回のサイクルで、鼻から吸い、口から吐く。口から吸い、鼻から吐く。呼吸とも口、口。そして鼻、鼻。

 ……出来るか〜! うぉ〜。目はいつの間にか開いたり閉じたりするし、気がつくと親指はふらふらしてるし。ああ、いけない。呼吸の回数を忘れちゃったよなんて考えていると、住職さんに腰の辺りのツボを押されて、えいやっと、背筋を伸ばされる(というか、反らされる)し。あの、これだけ背を反らしていると、呼吸をするのも苦しいんですけど……。

 こんな状態で無の境地に浸るのが座禅らしいです。私もご飯を食べている時や夕日を眺めている時なら、少しは無心になれそうだけど、ご飯も夕日もないのに精神を集中できるとは、お坊さんってすごい存在なんですね。改めて思い知った秋の一日でした。


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